と言いたい所ではあるが、四の五の言わず今日も明日も
強く生きていくしかない。
しかし世の中そこまで強い人ばかりではないんだから
仕事につまずいたとしても
もう少し支援があったり、支えるような仕組みが必要だと思う。
この本の中にも国の支援を活用して社会復帰した人の話が出てくる。
(仕事につまずいた人全てこの方法で必ずうまくいくとは限らないが)
氷河期世代を見捨てたことで、少子化も加速し、国に対して少しざまあみやがれと思う。
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プレカリアート: デジタル日雇い世代の不安な生き方 (新書y 181) 新書 – 2007/10/1
雨宮 処凛
(著)
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- ISBN-104862481981
- ISBN-13978-4862481986
- 出版社洋泉社
- 発売日2007/10/1
- 言語日本語
- 本の長さ238ページ
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登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2007/10/1)
- 発売日 : 2007/10/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 238ページ
- ISBN-10 : 4862481981
- ISBN-13 : 978-4862481986
- Amazon 売れ筋ランキング: - 921,464位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・サノーさん一言コメント
「現代日本における「搾取される若者」「不安定なループに陥った人々」の声を知る。そこから透ける、教育と社会システムの矛盾」
【サノーさんおすすめ度★★★☆☆】
・ウノーさん一言コメント
「小さな島国が目指した社会は、人々に幸福をもたらすものではないのでしょうか」
【ウノーさんおすすめ度★★★☆☆】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):日本における格差とはなにかを、会社、仕事、雇用形態から確認することになる。
ウノーさん(以下ウ):壮烈です。住所不定の状況からの脱却の困難さ、情報化が進んでいる社会だからこその問題点が、浮かび上がってきます。
サ:この本で登場する人々のように、この状況に対する感覚、捉え方、脱却方法への指南は、立場の違いにより全く異なる。
ウ:それぞれがもつ、哲学、思想によっても、まったく異なってきます。
多くの人が、仕組み上で「生きていける」立場なので、自立や自己責任を口にすることは容易いことです。
サ:当然、そうだろう。派遣会社のシステムや「プレカリアート」をターゲットとしたビジネスは、多くは合法であり、そのせいで「貧困だ」と言われても、それを選択したのは、誰だ?と聞き返したくなる。
ウ:もちろん、私たちの立場、こちら側にいる多くの人にとっては、そう考えるのが自然です。生まれる環境、周囲の人々の影響は強いですが、漫画家のサイバラさんのように、自分の選択をもって生きていく人、自分の人生を生きる人がいるのですから、つい、「学んでほしい」とか「真剣に生きてほしい」とか思ってしまいます。でも、それたけでは解消されない矛盾を、この本で知りました。
サ:まず、数が多すぎる。自殺者の統計数もそうだが、不安定な雇用状況にある人、将来への不安を抱えざるを得ない人が、多すぎるんだ。この状況で、各個人の能力や意欲だけに根拠を求めるのは、軽薄すぎる。
ウ:そこで、要因を紐解いていくと、ひとつの要素にたどり着きました。
サ:「教育」だよな。義務教育が明文化されている国家だから、教育を受けることはできるし、基本、拒否することはできない。その状況で培われたサイクルによる現象が、この「矛盾」なんだ。教えてもらったことが間違っているだけならいいが「幸福」の逆側のベクトルに向かうものだと、辿り着く先は「自力では抜け出せない」ループだ。
ウ:それが、意図的なものなのか、自然の摂理なのかは、私にはわかりません。ただ、私たちは、同じ場所に生まれ、同じ時代を生きる「縁ある人々」なのですから「競争原理」として捉えるだけでなく、尊重しあえることを放棄したくないです。
サ:いるところに困ったら、図書館に行けばいいのにな。気に入る本が見つかるかもしれないし、冷暖房完備だし。
ウ:あそこで、寝ちゃダメでしょ。
【了】
「現代日本における「搾取される若者」「不安定なループに陥った人々」の声を知る。そこから透ける、教育と社会システムの矛盾」
【サノーさんおすすめ度★★★☆☆】
・ウノーさん一言コメント
「小さな島国が目指した社会は、人々に幸福をもたらすものではないのでしょうか」
【ウノーさんおすすめ度★★★☆☆】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):日本における格差とはなにかを、会社、仕事、雇用形態から確認することになる。
ウノーさん(以下ウ):壮烈です。住所不定の状況からの脱却の困難さ、情報化が進んでいる社会だからこその問題点が、浮かび上がってきます。
サ:この本で登場する人々のように、この状況に対する感覚、捉え方、脱却方法への指南は、立場の違いにより全く異なる。
ウ:それぞれがもつ、哲学、思想によっても、まったく異なってきます。
多くの人が、仕組み上で「生きていける」立場なので、自立や自己責任を口にすることは容易いことです。
サ:当然、そうだろう。派遣会社のシステムや「プレカリアート」をターゲットとしたビジネスは、多くは合法であり、そのせいで「貧困だ」と言われても、それを選択したのは、誰だ?と聞き返したくなる。
ウ:もちろん、私たちの立場、こちら側にいる多くの人にとっては、そう考えるのが自然です。生まれる環境、周囲の人々の影響は強いですが、漫画家のサイバラさんのように、自分の選択をもって生きていく人、自分の人生を生きる人がいるのですから、つい、「学んでほしい」とか「真剣に生きてほしい」とか思ってしまいます。でも、それたけでは解消されない矛盾を、この本で知りました。
サ:まず、数が多すぎる。自殺者の統計数もそうだが、不安定な雇用状況にある人、将来への不安を抱えざるを得ない人が、多すぎるんだ。この状況で、各個人の能力や意欲だけに根拠を求めるのは、軽薄すぎる。
ウ:そこで、要因を紐解いていくと、ひとつの要素にたどり着きました。
サ:「教育」だよな。義務教育が明文化されている国家だから、教育を受けることはできるし、基本、拒否することはできない。その状況で培われたサイクルによる現象が、この「矛盾」なんだ。教えてもらったことが間違っているだけならいいが「幸福」の逆側のベクトルに向かうものだと、辿り着く先は「自力では抜け出せない」ループだ。
ウ:それが、意図的なものなのか、自然の摂理なのかは、私にはわかりません。ただ、私たちは、同じ場所に生まれ、同じ時代を生きる「縁ある人々」なのですから「競争原理」として捉えるだけでなく、尊重しあえることを放棄したくないです。
サ:いるところに困ったら、図書館に行けばいいのにな。気に入る本が見つかるかもしれないし、冷暖房完備だし。
ウ:あそこで、寝ちゃダメでしょ。
【了】
2020年10月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルのように、「良い」だったのに、かなり良い商品で大満足です。贔屓にします。
2008年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読むきっかけは、12/10(月)にNHK教育テレビ「福祉ネットワーク」で
「作家雨宮処凛と考える・就職氷河期世代のうつ」というタイトルで放送された
番組を見たからである。
この本を読んで初めて、日本の非正規雇用者、若年フリーター層の実態やその
原因を知り、これまでの自分の認識が誤っていたことに気づくと同時に、
この問題の深刻さにショックを受けた。
そしてこれらの人々を生み出した原因が企業と政府にあることを知り、
非常に重大な社会問題であるにもかかわらず、その原因を作った企業と政府が
なんら解決に動こうとしないことに非常な憤りを覚えた。
さらに読んでいて最も憤りを感じたのは、彼ら弱者をさらに追い詰める
「貧困ビジネス」の存在である。
グッドウィル、フルキャストなどの人材派遣会社、レオパレスなどの
マンスリーマンション会社、そして消費者金融。
また、第5章の座談会、第6章の石原都知事との対談を読むと、
「自己責任論」という誤った認識によって、彼らを生み出している問題に気付かず、
彼らをさらに追い込んでいるのではないかと感じる。
若年フリーター、ネットカフェ難民、若年ホームレスの問題を正しく理解するために、
この本を一人でも多くの人に読んで欲しいと思う。
「作家雨宮処凛と考える・就職氷河期世代のうつ」というタイトルで放送された
番組を見たからである。
この本を読んで初めて、日本の非正規雇用者、若年フリーター層の実態やその
原因を知り、これまでの自分の認識が誤っていたことに気づくと同時に、
この問題の深刻さにショックを受けた。
そしてこれらの人々を生み出した原因が企業と政府にあることを知り、
非常に重大な社会問題であるにもかかわらず、その原因を作った企業と政府が
なんら解決に動こうとしないことに非常な憤りを覚えた。
さらに読んでいて最も憤りを感じたのは、彼ら弱者をさらに追い詰める
「貧困ビジネス」の存在である。
グッドウィル、フルキャストなどの人材派遣会社、レオパレスなどの
マンスリーマンション会社、そして消費者金融。
また、第5章の座談会、第6章の石原都知事との対談を読むと、
「自己責任論」という誤った認識によって、彼らを生み出している問題に気付かず、
彼らをさらに追い込んでいるのではないかと感じる。
若年フリーター、ネットカフェ難民、若年ホームレスの問題を正しく理解するために、
この本を一人でも多くの人に読んで欲しいと思う。
2008年6月19日に日本でレビュー済み
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「格差社会」、「ワーキングプア」に関する書籍は数々出ている。本書は社会学者やジャーナリストではなく、「就職氷河期世代」とほぼ同世代でフリーターからライターに転じた著者が、若者目線で書いている点に特徴がある。なぜ、「ワーキングプア(本書ではプレカリアート)」が増え続けるのか、決して単に「最近の若者は我慢が足りないから」ではなく、規制緩和や社会構造全体が生み出したものなのだ、ということを知る入門書として、大いに参考となるだろう。
ただし格差社会に怒るあまり、「ミソもクソも一緒」といった冷静さを欠いている箇所が見受けられるのは残念だ。たとえば、企業のフリーターを正社員として採用しようという希望率データで64%の企業が「経験・能力次第で採用」と回答しているにもかかわらず、それは無視してわずか1.6%の企業しか「積極的に採用」と答えていないと非難したり(P43)、「キヤノンの御手洗社長が学校教育に力を入れよう」と行っている事に対し、「それは末恐ろしい発想」と断じているのは(P151)、賛同しかねる。
また、プレカリアートとは、「不安定な」を意味する(プレカリオ)とプロレタリアートを合体させた造語らしいが、「ワーキングプア」や「下流社会」といったフレーズ較べ、残念ながらピンとこない。世の中に思いを届けるためには、著者は知識人のように背伸びせず、同世代目線で足元から語る、というスタンスで臨むのが良いのではないか。
ただし格差社会に怒るあまり、「ミソもクソも一緒」といった冷静さを欠いている箇所が見受けられるのは残念だ。たとえば、企業のフリーターを正社員として採用しようという希望率データで64%の企業が「経験・能力次第で採用」と回答しているにもかかわらず、それは無視してわずか1.6%の企業しか「積極的に採用」と答えていないと非難したり(P43)、「キヤノンの御手洗社長が学校教育に力を入れよう」と行っている事に対し、「それは末恐ろしい発想」と断じているのは(P151)、賛同しかねる。
また、プレカリアートとは、「不安定な」を意味する(プレカリオ)とプロレタリアートを合体させた造語らしいが、「ワーキングプア」や「下流社会」といったフレーズ較べ、残念ながらピンとこない。世の中に思いを届けるためには、著者は知識人のように背伸びせず、同世代目線で足元から語る、というスタンスで臨むのが良いのではないか。
2010年12月3日に日本でレビュー済み
この「プレカリアート」とは、作家の雨宮処凛さんが我が国に広めた言葉のことを指している。彼女の著書「プレカリアート」にて冷静かつ徹底したその現状分析が示されている。
「プレカリアート」の定義とは「不安定な雇用・労働条件における非正規雇用者・失業者を総称していう」とされている。元々はイタリア語で「Precario(不安定な)」と「Proletariato(プロレタリアート)」とを掛けてつくられた造語である。イタリアの若者が路上でこの言葉を落書きとして書き記し、国境を越えて全世界に広まった。日本のみならず、グローバル化した先進資本主義社会の中で、若者の貧困化、不安定化が進行している。そんな背景から自然発生的に広まったキーワードなのだ。
経済のグローバル化は新自由主義という美名の基、世界各国に新しい貧困と不安定な暮らしをもたらしたことは、いまや誰もが認識する実態である。だが、貧困、不安定生活は、厳として過去にもずっと存在していた。そんなある時代の不安定生活を表現していた言葉が「デラシネ」である。
一般的に「デラシネ」とは「根無し草」と翻訳される。「根こそぎにされた」という意味のフランス語が語源である。かつて作家の五木寛之氏は「デラシネの旗」という作品において、学生運動への傾斜やその挫折観からの独自の世界観を描いていた。詳細については失念したが、自らの強い意思にてそのデラシネ的生活を求める、求道者的な世界観が背景に見て取れてもいたのだ。
その当時、体制や伝統に背をそむけるという生き方は今以上のエネルギーを必要としたであろうし、今以上に経済的困窮を視野に入れねばならなかったに違いない。だがそれは、自らの祖国や伝統、体制に背を向けてこそ手に入れる生活。たとえ生活は困窮しようとも、受け入れ得ぬ祖国故郷の浅はかなる仕来たりや伝統から身を引き離すことで得られる、ロマンがこもった世界観だとも云える。そんな作家として自立する思想的な営為が、とても鮮やかなものとして感じ取られていたものだ。
時代は移り行き、改めて「プレカリアート」の不安定的現状を考えるに、自ら選択して選ぶことをせずに、不安定生活を強いられてしまう現代の若者は、デラシネ的なロマンをも持つことができないでいる。フリーターでも何とかなるし、生活保護も受ければ良いといった、社会全体の甘えや弛みがそうさせているのかもしれない。一体こんな日本に誰がしたのだ。
「プレカリアート」の定義とは「不安定な雇用・労働条件における非正規雇用者・失業者を総称していう」とされている。元々はイタリア語で「Precario(不安定な)」と「Proletariato(プロレタリアート)」とを掛けてつくられた造語である。イタリアの若者が路上でこの言葉を落書きとして書き記し、国境を越えて全世界に広まった。日本のみならず、グローバル化した先進資本主義社会の中で、若者の貧困化、不安定化が進行している。そんな背景から自然発生的に広まったキーワードなのだ。
経済のグローバル化は新自由主義という美名の基、世界各国に新しい貧困と不安定な暮らしをもたらしたことは、いまや誰もが認識する実態である。だが、貧困、不安定生活は、厳として過去にもずっと存在していた。そんなある時代の不安定生活を表現していた言葉が「デラシネ」である。
一般的に「デラシネ」とは「根無し草」と翻訳される。「根こそぎにされた」という意味のフランス語が語源である。かつて作家の五木寛之氏は「デラシネの旗」という作品において、学生運動への傾斜やその挫折観からの独自の世界観を描いていた。詳細については失念したが、自らの強い意思にてそのデラシネ的生活を求める、求道者的な世界観が背景に見て取れてもいたのだ。
その当時、体制や伝統に背をそむけるという生き方は今以上のエネルギーを必要としたであろうし、今以上に経済的困窮を視野に入れねばならなかったに違いない。だがそれは、自らの祖国や伝統、体制に背を向けてこそ手に入れる生活。たとえ生活は困窮しようとも、受け入れ得ぬ祖国故郷の浅はかなる仕来たりや伝統から身を引き離すことで得られる、ロマンがこもった世界観だとも云える。そんな作家として自立する思想的な営為が、とても鮮やかなものとして感じ取られていたものだ。
時代は移り行き、改めて「プレカリアート」の不安定的現状を考えるに、自ら選択して選ぶことをせずに、不安定生活を強いられてしまう現代の若者は、デラシネ的なロマンをも持つことができないでいる。フリーターでも何とかなるし、生活保護も受ければ良いといった、社会全体の甘えや弛みがそうさせているのかもしれない。一体こんな日本に誰がしたのだ。
2008年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
格差社会、負け組、こんな言葉が踊るようになって久しいが、そのような下流層に属している(属さざるを得ない)境遇の人たちに正面からスポットライトを当てたのが本書です。
彼らの言い分に100%同意する事は出来ないが、恐ろしいと感じたのはそのような境遇の人たちを、システマチックに食い物にしている会社の存在である。
家賃の滞納が発生した場合に即日追い出せるようにするため、賃貸契約ではなく、施設利用契約にするなどと言う悪知恵を誰が考えたのか?
福利厚生の名目で、派遣社員にクレジットカードを渡し、その金利で利益を上げている派遣会社。こんなモノのどこが福利厚生なのだろうか?
それでも彼らは、そのようなシステムから逃れる事が出来ないようになっている(だからシステムなのだが)と言う点が本書で最も衝撃的な事実であった。
彼らの言い分に100%同意する事は出来ないが、恐ろしいと感じたのはそのような境遇の人たちを、システマチックに食い物にしている会社の存在である。
家賃の滞納が発生した場合に即日追い出せるようにするため、賃貸契約ではなく、施設利用契約にするなどと言う悪知恵を誰が考えたのか?
福利厚生の名目で、派遣社員にクレジットカードを渡し、その金利で利益を上げている派遣会社。こんなモノのどこが福利厚生なのだろうか?
それでも彼らは、そのようなシステムから逃れる事が出来ないようになっている(だからシステムなのだが)と言う点が本書で最も衝撃的な事実であった。
2009年5月10日に日本でレビュー済み
一読して、ネットカフェ難民の社会復帰が、どれだけ困難か分かった。自らの意志で定職に就かないことを選択しフリーターになった人は、選択による結果について、ある程度自己責任と言えるが、就職氷河期等でやむを得ずフリーターになり、不幸にしてネットカフェ難民やホームレスになってしまった人には何らかの社会的な支援が必要であると感じた。
本書によると、そうした人たちが日雇いでなく、比較的安定した職なり長期バイトなりに就くために、最も有効な手段は住所を得ることであるという。最近急増しているゲストハウス(共同部屋、ドミトリー)がひとつの解決策になると考えられるが、最も“溜め”のない層は、そこで生活するのも難しいのかもしれない。最後は国の責任において手を入れてほしいと思う。
本書の肝は、対話である。「フリーター」、「フリーターの息子を正社員として就職させた親」、「大企業の正社員」による、それぞれの立場での座談会や、石原都知事と著者の対話など、噛み合わない状況であっても、それでも対話することにより何らかの気付きが得られる。対話の大切さが伝わってきた。
安易にフリーターの道を選んだ人は、自分の不平不満を社会のせいにしてほしくないと思う。おそらく、ほとんどの日本人がそう感じているだろう。同時に、若者が定職に就き、それぞれの職域において高いスキルを身に付け、自分の人生をいきいきと豊かに歩んでいく、そんな社会の到来を望まない人もいない。
本書を読んで良かった。雇用問題等に興味のある方には一読をお薦めする。
以下、最も心に残った点
・「お母さん、貧困ってお金がかかるんだね」。貧しいものは更に搾取される。
本書によると、そうした人たちが日雇いでなく、比較的安定した職なり長期バイトなりに就くために、最も有効な手段は住所を得ることであるという。最近急増しているゲストハウス(共同部屋、ドミトリー)がひとつの解決策になると考えられるが、最も“溜め”のない層は、そこで生活するのも難しいのかもしれない。最後は国の責任において手を入れてほしいと思う。
本書の肝は、対話である。「フリーター」、「フリーターの息子を正社員として就職させた親」、「大企業の正社員」による、それぞれの立場での座談会や、石原都知事と著者の対話など、噛み合わない状況であっても、それでも対話することにより何らかの気付きが得られる。対話の大切さが伝わってきた。
安易にフリーターの道を選んだ人は、自分の不平不満を社会のせいにしてほしくないと思う。おそらく、ほとんどの日本人がそう感じているだろう。同時に、若者が定職に就き、それぞれの職域において高いスキルを身に付け、自分の人生をいきいきと豊かに歩んでいく、そんな社会の到来を望まない人もいない。
本書を読んで良かった。雇用問題等に興味のある方には一読をお薦めする。
以下、最も心に残った点
・「お母さん、貧困ってお金がかかるんだね」。貧しいものは更に搾取される。