「評価」という概念自体は古代からありますし、古今東西人間は自分や自分の属する組織の評価を高めたい、という思いは共通にあるのだと思います。しかし昨今、インターネット及びデジタル技術の発展によって、プラットフォームビジネスと呼ばれる分野が急成長しているなかで、特にユーザーによる評価はプラットフォームの生存にとっては極めて重要な役割を果たすという意味で、「評価」に対してよりクローズアップされてきているのだと思います。
その意味で私は「デジタル時代」の評価の構築、維持、回復について焦点をあてている本だと思っていたのですが、中身を見ると必ずしもそうではありませんでした。むしろ歴史上の有名人(古代ローマ帝国なども含む)がどんな評価を獲得したのか、どうその評価が崩れていったのかなどを多数紹介するなど、一般的な「評価論」の本だと思います。
まず本書を読んで面白かった点を挙げます。評価とブランドを比較し「ブランドは自分がどう見られたいのか」に対して「評価は自分がどう見られているのか」の違いであること、評価には「能力の評価」と「性質の評価(例:怒りっぽい、嘘をつく)」があって能力の評価は一旦獲得すると崩れにくいが性質の評価はあっという間に変化する可能性がある、といった点です。このあたりの概念については頭の整理が出来て有益でした。
他方、全体的な印象なのですが、申し訳ないのですがどうしても「小手先」の話のように聞こえてなりませんでした。本書では、評価自体を管理することは出来ないけれども、評価に影響を及ぼす要因をどう戦略的に構築していくかが重要なのだ、ということが書かれているのですが、どうにも本質を語っている気がしません。日本的すぎるのかもしれませんが、実は他者からの評価を気にせず、でも世のため人のために心から動いている人々が実は結果として評価されるというのが真実な気もしています。著者は歴史にも詳しく色々な分野や時代の事例を取り上げていますが、残念ながら古今東西の中の「東」については知見が全くなさそうでした。素人ながら思うのは、個人主義全盛の西洋よりも、集団主義、そしてコミュニティ内での評判が極めて重要な東洋の方が「評価」に関する智恵が多く存在している気がします。その意味で、著者は日本、中国など東洋における「評価」あるいは恥の概念などを学ぶべきでしょう。本書から学ぶ点も多々ありましたが、全般的に言えば申し訳ありませんがあまり感銘を受けませんでした。
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評価の経済学 単行本 – 2018/2/16
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購入オプションとあわせ買い
フォルクスワーゲン、英BP、トランプ、クリントン、タイガー・ウッズ、シャラポワ……。
評価研究の第一人者が最新の事例をもとに
ネット時代に「評価ゲーム」の勝利者となる方法を解説!
評価をつくる最強戦略とは?
・評価を決定する3つの要素
・行動によるメッセージ
・評価の危機管理
・「評価ゲーム」で伝説を残す
他人からどう評価されるかはあらゆることに大きな影響を及ぼす。企業、個人、国家など誰もが「評価ゲーム」に参加しているからだ。
評価ゲームとは何か? どうすればゲームの勝利者となれるのか?
レピュテーション研究の第一人者が評価のしくみと評価を築き、回復させ、後世に残すための戦略を初めて解き明かす!
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評価ゲームとは何か? どうすればゲームの勝利者となれるのか?
レピュテーション研究の第一人者が評価のしくみと評価を築き、回復させ、後世に残すための戦略を初めて解き明かす!
- 本の長さ384ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2018/2/16
- 寸法13.4 x 2.6 x 19.6 cm
- ISBN-104822255611
- ISBN-13978-4822255619
商品の説明
メディア掲載レビューほか
評価の経済学
意識することは少ないが、我々は日々、他者から評価を受け続けている。評価から逃れることはできない。本書はどのように振る舞えば、良い評価を獲得できるのか、維持できるのかについて論じている。
重要なのはどのような評価を、何のために、誰のために築くのかを意識することだという。著者は評価は管理できないものと繰り返す。一方、他者が語る評価を自分が望むような形になるように影響を及ぼすことは可能だと結論づける。
大企業や政治家、スポーツ選手などの評価を例に取り上げており、評価がいかに戦略的に構築できるかが理解しやすい。
評価は一度失っても、回復できるとも指摘する。新年度の今、心機一転で、本書を読んで自分の評価の再構築を試みるのも良いかもしれない。
評者:栗下直也
(週刊朝日 掲載)著者について
デビッド・ウォーラー
FTIコンサルティング社パートナー。専門は戦略コミュニケーション・プログラム開発および実践。元フィナンシャルタイムズ記者。
ルパート・ヤンガー
オックスフォード大学コーポレート・レピュテーション・センター創設者・所長。同センターは企業や機関のレピュテーションに関する研究において世界トップを誇る。
コメンテーターとしても活躍。フィンズベリー共同創業者。
月沢李歌子
翻訳家。津田塾大学英文学科卒。訳書に『ポジティブ・リーダーシップ』マーガレット・グリーンバーグ(草思社)、
『ディズニーが教えるお客様を感動させる最高の方法[改訂新版]』ディズニー・インスティチュート(日本経済新聞出版社)など多数。
著書に『仕事も勉強も遊びもあきらめない! 夢をかなえる時間術』(すばる舎)。
FTIコンサルティング社パートナー。専門は戦略コミュニケーション・プログラム開発および実践。元フィナンシャルタイムズ記者。
ルパート・ヤンガー
オックスフォード大学コーポレート・レピュテーション・センター創設者・所長。同センターは企業や機関のレピュテーションに関する研究において世界トップを誇る。
コメンテーターとしても活躍。フィンズベリー共同創業者。
月沢李歌子
翻訳家。津田塾大学英文学科卒。訳書に『ポジティブ・リーダーシップ』マーガレット・グリーンバーグ(草思社)、
『ディズニーが教えるお客様を感動させる最高の方法[改訂新版]』ディズニー・インスティチュート(日本経済新聞出版社)など多数。
著書に『仕事も勉強も遊びもあきらめない! 夢をかなえる時間術』(すばる舎)。
登録情報
- 出版社 : 日経BP (2018/2/16)
- 発売日 : 2018/2/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 384ページ
- ISBN-10 : 4822255611
- ISBN-13 : 978-4822255619
- 寸法 : 13.4 x 2.6 x 19.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 878,238位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,500位オペレーションズ (本)
- - 2,632位起業
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年8月21日に日本でレビュー済み
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2018年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
永遠とある企業がこういう失敗して、評価が下がりました。下がりませんでした。っていう過去の事例を紹介する本。実用書だと思って買ったけど、事例を紹介するだけして、そこから考えられることについての言及がほとんどない。感想は、へー、そんなことがあったんだ。それだけ。実用書だと思って買うと失敗する。企業やスーパースターの失敗集だと思えばある程度価値あるかもしれない。タイトルを変えて欲しい。金を無駄にした。
2018年5月14日に日本でレビュー済み
評価とは他人によって判断されるもの。
それをどうすればより良い評価にできるのか
についてのヒントが書かれている。
評価に対して、疑問や興味を持った人にはおすすめ
個人的には、もう少し生活面におとしこんだ具体例を読んでみたかった。
それをどうすればより良い評価にできるのか
についてのヒントが書かれている。
評価に対して、疑問や興味を持った人にはおすすめ
個人的には、もう少し生活面におとしこんだ具体例を読んでみたかった。
2018年6月5日に日本でレビュー済み
89点 5時間
[読みやすさ 8/10] 翻訳物ではあるが十分に読みやすい。
[何度も読む 8/10] ハウツーものではないので何度も読まなくても。
[読後感 8/10] 評価というものに関する考え方が整理される。
[学び 9/10] 評価の本質を様々な出来事から多面的に学べる。
[斬新さ 7/10] もうちょっと個人として使える方法に落とし込んで欲しかった。
【Q1】どんな人にオススメ?
頑張っても評価されないとお嘆きのあなた。自分の評価を守るための謝罪方法について知りたいあなた。
【Q2】この本の弱みは?
評価に対する取扱いで個人に落として込んで実践できることが少ない。もっと読み終わってからすぐ実践できる方法論を知りたかった。
【Q3】この本の強みは?
評価という曖昧に処理されてきた問題を系統だてて、過去の実例を取り混ぜて解説した意欲的な一冊。
[読みやすさ 8/10] 翻訳物ではあるが十分に読みやすい。
[何度も読む 8/10] ハウツーものではないので何度も読まなくても。
[読後感 8/10] 評価というものに関する考え方が整理される。
[学び 9/10] 評価の本質を様々な出来事から多面的に学べる。
[斬新さ 7/10] もうちょっと個人として使える方法に落とし込んで欲しかった。
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頑張っても評価されないとお嘆きのあなた。自分の評価を守るための謝罪方法について知りたいあなた。
【Q2】この本の弱みは?
評価に対する取扱いで個人に落として込んで実践できることが少ない。もっと読み終わってからすぐ実践できる方法論を知りたかった。
【Q3】この本の強みは?
評価という曖昧に処理されてきた問題を系統だてて、過去の実例を取り混ぜて解説した意欲的な一冊。
89点 5時間
[読みやすさ 8/10] 翻訳物ではあるが十分に読みやすい。
[何度も読む 8/10] ハウツーものではないので何度も読まなくても。
[読後感 8/10] 評価というものに関する考え方が整理される。
[学び 9/10] 評価の本質を様々な出来事から多面的に学べる。
[斬新さ 7/10] もうちょっと個人として使える方法に落とし込んで欲しかった。
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頑張っても評価されないとお嘆きのあなた。自分の評価を守るための謝罪方法について知りたいあなた。
【Q2】この本の弱みは?
評価に対する取扱いで個人に落として込んで実践できることが少ない。もっと読み終わってからすぐ実践できる方法論を知りたかった。
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評価という曖昧に処理されてきた問題を系統だてて、過去の実例を取り混ぜて解説した意欲的な一冊。
[読みやすさ 8/10] 翻訳物ではあるが十分に読みやすい。
[何度も読む 8/10] ハウツーものではないので何度も読まなくても。
[読後感 8/10] 評価というものに関する考え方が整理される。
[学び 9/10] 評価の本質を様々な出来事から多面的に学べる。
[斬新さ 7/10] もうちょっと個人として使える方法に落とし込んで欲しかった。
【Q1】どんな人にオススメ?
頑張っても評価されないとお嘆きのあなた。自分の評価を守るための謝罪方法について知りたいあなた。
【Q2】この本の弱みは?
評価に対する取扱いで個人に落として込んで実践できることが少ない。もっと読み終わってからすぐ実践できる方法論を知りたかった。
【Q3】この本の強みは?
評価という曖昧に処理されてきた問題を系統だてて、過去の実例を取り混ぜて解説した意欲的な一冊。
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