初期研修がはじまり病棟に出ると、「栄養をどうするか」という問題に日々直面する。
が、栄養剤は種類も多く、ことあるごとに栄養士さんにお伺いを立てる、あるいは提案された案に対して「いいようにしてください」としか答えられない。即ち主体的に食事オーダー/栄養管理を考えられないという事実に直面してしまった。
なぜこんなことになるのかというと、それはあまりにも自分が栄養について知らなすぎるからに他ならない。血清アルブミン値の考え方にしろ、胃瘻の適応にしろ、栄養剤の分類にしろ、とにかく知らないことだらけである。知識もないし考え方も知らないので、話にならない。栄養士さんとの会話のなかで「消化態」という知らない単語が出てきて会話が成立しなかったこともある。
そんな中、せめて1冊ぐらいは栄養の本を読もうと思いblog等各所で薦められている本書を購入したが、結果的に大正解であった。
書かれている内容が栄養について知識として知らないこと，初めて知る考え方がほとんどであるにも関わらず文章が平易で難なく通読できた。
もちろん私レベルの初学者であるとこの本を1回読んだら明日から静脈栄養や食事オーダーをサクサク立てられるレベルになるわけでは決してないのであるが、日々の業務の中で栄養士さんとの会話の後や、患者の栄養を考える度にこの本を振り返れば、正しい方向性で実践力を鍛えることができるように感じた。
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