国会でも、地方議会でも、女性は物理的にも精神的にもハンディキャップを負わされている。
しかし、ビジネス社会では「女性だから」「生意気だ」という風潮は消えつつあって女性管理職も過去10年間で急速に増えている。他方、政治の現場がもっとも遅れた「おやじ社会」を保っている。
通信手段が多様化したり、家庭のありようや生き方の多様化が政治の世界をも変える可能性を感じさせる。
この本は婦人参政権70年の節目に女性の政治参加に向けた潮流を広範な意見聴取でまとめている。
提起されている問題を摘記すると、
1.子育て中の女性が議員として活動できる環境を整えることが民主主義の第1歩である。保育施設の不足(待機児童問題)、病児保育、職場における託児所といった、働く女性に必要な社会インフラを作らないでおいて、「だから女性は駄目なんだ」と、政治活動から締め出している社会は、結局社会の半数のパワーを抑圧していて、民主主義の基本条件を満たしていない。
2.安倍政権は女性の活躍などをいいながら、上記の社会政策をなおざりにし、国政選挙でも地方選挙でも、自民党の女性候補擁立割合がもっとも少ないという言行不一致に陥っている。
3.地方議員になっても政策立案などのサポートをするスタッフがいる訳ではなく、子育て中の女性や、一般職業をもつ兼業議員が育ちにくい。イギリスなどの地方議会のように、審査権だけではなく執行権をもつ(議院内閣制のような)地方自治制度であれば、地方の役所職員が議員のサポートをする役回りを引き受けることになる。そういう制度も検討してみる必要がある(戦後のアメリカ占領下では、教育委員会や警察が県単位で独立していて、地方公共団体の裁量範囲が今より広かった)。
4.原発立地の問題や沖縄の基地問題などについて、地元の発言権が弱く、何でも中央政府が決めて、その執行事務を地方行政団体が代行しているだけになり、民意を反映すべき地方議会の発言権が瑣末な対象にしか及ばない。
ドイツでもアメリカでも、脱原発の動きは州の政府(ドイツ)や地方自治体の政府(アメリカ)の民意直結型体制によるところが大きい。他方、日本では、70%が脱原発の世論であっても、その希望が政策に結びつかない。制度に目を向けることと女性進出の環境を整えることが、民意反映をより的確に行うために必要である。
5.クオーター制によって女性議員を増やした国が少なからずある。女性進出が社会に有益だという合意ができればそういう制度によって女性議員を増やすことも良い。
6.最終章では、行動の重要性を識者たちが述べている。共感した。
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女たちの情熱政治――女性参政権獲得から70年の荒野に立つ 単行本(ソフトカバー) – 2016/3/29
東京新聞・北陸中日新聞取材班
(編集)
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福島第一原発事故以降、これまで政治に無縁だった女性たちが動き出しています。憲法を踏み外す安保法制への危機感も加わり、女性たちはデモや集会に参加し、勉強会を開き、議論をかさねて行政に働きかけています。
1946年4月10日に行われた戦後初の衆院選で、初めて女性たちが選挙権を手にしてから今春で70年。
ですが、地方も国もひとつまみの女性議員が孤軍奮闘する議会の光景は変わりません。
東京新聞(本社・東京)とグループ紙の北陸中日新聞(本社・金沢)では、変わりつつある女性の政治意識を背景に、女性議員の現状や民主主義の再生を問う連載を2年にわたり断続的に続けてきました。それらに加筆したのが本書です。
女性たちの政治への参加意識、実際の苦労などを丹念に追いかけました。
〈概要〉
・第1章 女性たちの国会デビュー
東京新聞の連載「政治デビュー☆」(2015年12月22日~、全五回)に大幅加筆。1945年12月に衆院議員法改正で女性が参政権を得てから70年となったのを機に、46年4月に行われた戦後最初の衆院選に焦点をあてた。
・第2章 女の議会みち
2014年6月に都議会本会議で女性議員に向けて発せられた「自分が早く結婚した方がいいんじゃないか」のやじ問題をきっかけに、東京新聞では2015年2月に都内の市区町村の全女性議員にアンケートを実施。驚くべきセクハラや苦悩が浮かび上がった。続く連載「女の議会みち」(2015年3~4月、全六回)では、政治という「いばらの道」を進む女性議員一人一人の政治にかける思いを聞いた。
第3章 私たちは黙らない
石川、富山県で発行する北陸中日新聞ではd2014年6月~2015年3月に連載「黙らない」を断続的に掲載。14年12月の衆院選や15年春の統一地方選もにらみながら第5部(計17本)まで続けた連載で、全国でも議会に占める女性議員の割合が最低レベル(石川県はワースト3~4)の北陸の政治風土に切り込んだ。
第4章 これからの「政治」の話をしよう
2015年春の統一地方選を前に、北陸中日新聞では政治を考える識者インタビュー「これからの『政治』の話をしよう」を掲載(東京新聞にも転載)。映画監督の想田和弘氏、エッセイストの小島慶子氏、元我孫子市長の福嶋浩彦氏、東大教授の上野千鶴子氏、金沢大の山本竜大氏が登場。この連載に加え、「黙らない」シリーズで取材した大阪国際大の谷口真由美准教授、谷岡郁子至学館大学学長の未掲載の大型インタビューも新たに書き起こした。
第5章
3・11以降、各地で女性たちが原発や安全法制に反対の声をあげた。都内では子どもを保育園に通わせるため母親たちが行政に働きかけた。こうした動きを取り上げた東京新聞と北陸中日新聞の記事の一部を時系列で掲載。岡田憲治・専修大教授(政治学)のインタビューも書き起こした。
1946年4月10日に行われた戦後初の衆院選で、初めて女性たちが選挙権を手にしてから今春で70年。
ですが、地方も国もひとつまみの女性議員が孤軍奮闘する議会の光景は変わりません。
東京新聞(本社・東京)とグループ紙の北陸中日新聞(本社・金沢)では、変わりつつある女性の政治意識を背景に、女性議員の現状や民主主義の再生を問う連載を2年にわたり断続的に続けてきました。それらに加筆したのが本書です。
女性たちの政治への参加意識、実際の苦労などを丹念に追いかけました。
〈概要〉
・第1章 女性たちの国会デビュー
東京新聞の連載「政治デビュー☆」(2015年12月22日~、全五回)に大幅加筆。1945年12月に衆院議員法改正で女性が参政権を得てから70年となったのを機に、46年4月に行われた戦後最初の衆院選に焦点をあてた。
・第2章 女の議会みち
2014年6月に都議会本会議で女性議員に向けて発せられた「自分が早く結婚した方がいいんじゃないか」のやじ問題をきっかけに、東京新聞では2015年2月に都内の市区町村の全女性議員にアンケートを実施。驚くべきセクハラや苦悩が浮かび上がった。続く連載「女の議会みち」(2015年3~4月、全六回)では、政治という「いばらの道」を進む女性議員一人一人の政治にかける思いを聞いた。
第3章 私たちは黙らない
石川、富山県で発行する北陸中日新聞ではd2014年6月~2015年3月に連載「黙らない」を断続的に掲載。14年12月の衆院選や15年春の統一地方選もにらみながら第5部(計17本)まで続けた連載で、全国でも議会に占める女性議員の割合が最低レベル(石川県はワースト3~4)の北陸の政治風土に切り込んだ。
第4章 これからの「政治」の話をしよう
2015年春の統一地方選を前に、北陸中日新聞では政治を考える識者インタビュー「これからの『政治』の話をしよう」を掲載(東京新聞にも転載)。映画監督の想田和弘氏、エッセイストの小島慶子氏、元我孫子市長の福嶋浩彦氏、東大教授の上野千鶴子氏、金沢大の山本竜大氏が登場。この連載に加え、「黙らない」シリーズで取材した大阪国際大の谷口真由美准教授、谷岡郁子至学館大学学長の未掲載の大型インタビューも新たに書き起こした。
第5章
3・11以降、各地で女性たちが原発や安全法制に反対の声をあげた。都内では子どもを保育園に通わせるため母親たちが行政に働きかけた。こうした動きを取り上げた東京新聞と北陸中日新聞の記事の一部を時系列で掲載。岡田憲治・専修大教授(政治学)のインタビューも書き起こした。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社明石書店
- 発売日2016/3/29
- ISBN-104750343226
- ISBN-13978-4750343228
登録情報
- 出版社 : 明石書店 (2016/3/29)
- 発売日 : 2016/3/29
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 4750343226
- ISBN-13 : 978-4750343228
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,118,044位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年4月25日に日本でレビュー済み
70年も経って、「まだこんなかよ」と天を仰ぐような日本の女性政治参加の現況。
地方議会という生活圏にかかわる舞台において起こる信じられないような「オヤジ政治」の遺制。
しかし、それを嘆くよりも、そこでなおも闘い続ける者たちを丁寧に取り上げ、そして抉るように
伝える東京新聞の若手女性記者たちのハートに胸が熱くなる。
ここに示された様々な出来事、人々の言葉は、なおも現場で戦う女性、そして「このままでいいわけがない」と
思いつつある市井を生きる女性たちを必ずや勇気付けると思う。
目次を見るとわかるが、大変ヴァリエーションに富んだラインナップである。
エディターの力も見逃せない。
地方議会という生活圏にかかわる舞台において起こる信じられないような「オヤジ政治」の遺制。
しかし、それを嘆くよりも、そこでなおも闘い続ける者たちを丁寧に取り上げ、そして抉るように
伝える東京新聞の若手女性記者たちのハートに胸が熱くなる。
ここに示された様々な出来事、人々の言葉は、なおも現場で戦う女性、そして「このままでいいわけがない」と
思いつつある市井を生きる女性たちを必ずや勇気付けると思う。
目次を見るとわかるが、大変ヴァリエーションに富んだラインナップである。
エディターの力も見逃せない。