最近、海外で自分の研究室をスタートさせた先輩研究者から薦められて読んでみました。
本書はノーベル生理学・医学賞を受賞した、科学者メダワーから若い科学者へ向けての
メッセージやアドバイスをまとめたものです。
本書では、科学者として生きていく際に直面するあらゆる事柄(科学者としての自分の適性、
研究テーマの選択、研究者社会での人間関係、共同研究、過誤、研究発表(口頭発表、論文)、
実験の進め方、思考法、一般社会との関係等)について、歴史上のエピソードを交えながら、
著者の意見やアドバイスが語られています。
科学者の世界に横たわる普遍的な内容が述べられていますので、40年近く経った現代でも、
有益な助言として活用できる、一読の価値がある良書だと思います。
新版として刊行されたこの機会に、読んでみてはいかがでしょうか?
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若き科学者へ【新版】 単行本 – 2016/7/21
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「若い科学者たちへの本誌からのアドバイスは、ピーター・メダワーの『若き科学者へ』を
読んでおけ、だ」(Nature誌、2015)。
スティーブン・J・グールドが「これまでに出会ったなかで最も頭のいい人物」と評した
ノーベル賞生物学者メダワーによる、理系の若者への助言の書。
凡百の説法本とは一線を画す切れ味の金言・叡智の宝庫として世界中で40年近く
愛読されており、いまや科学者精神と研究倫理の世界標準を示すといえる名著である。
『重要な発見をしたいと思うなら、重要な問題に取り組まねばならない……
「問題が興味深い」というだけでは十分でない』『ある仮説を真であると信じる気持ちの
強さは、それが真であるか否かには何の関係もない』といった、一見シンプルだが
値千金の助言の数々を、研究者として大洋へ漕ぎ出す前に心に留めることができる
メリットは計りしれない。
テーマの選び方から成果発表のコツまで、著者のアドバイスはつねに本質に触れ、
研究者として生きる人々の流儀とはどのようなものかを浮かび上がらせる。
『(科学者は)真理に対しては常に特殊な無条件の絶対的な義務をもつ』と言い切る
メダワーの、曇りなき言葉に耳を傾けたい。巻末に「新版への解説」(結城浩)を付録。
読んでおけ、だ」(Nature誌、2015)。
スティーブン・J・グールドが「これまでに出会ったなかで最も頭のいい人物」と評した
ノーベル賞生物学者メダワーによる、理系の若者への助言の書。
凡百の説法本とは一線を画す切れ味の金言・叡智の宝庫として世界中で40年近く
愛読されており、いまや科学者精神と研究倫理の世界標準を示すといえる名著である。
『重要な発見をしたいと思うなら、重要な問題に取り組まねばならない……
「問題が興味深い」というだけでは十分でない』『ある仮説を真であると信じる気持ちの
強さは、それが真であるか否かには何の関係もない』といった、一見シンプルだが
値千金の助言の数々を、研究者として大洋へ漕ぎ出す前に心に留めることができる
メリットは計りしれない。
テーマの選び方から成果発表のコツまで、著者のアドバイスはつねに本質に触れ、
研究者として生きる人々の流儀とはどのようなものかを浮かび上がらせる。
『(科学者は)真理に対しては常に特殊な無条件の絶対的な義務をもつ』と言い切る
メダワーの、曇りなき言葉に耳を傾けたい。巻末に「新版への解説」(結城浩)を付録。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2016/7/21
- 寸法13.6 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-104622085305
- ISBN-13978-4622085300
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商品の説明
著者について
ピーター・B・メダワー
Peter B. Medawar
1915-87。生物学者。リオ・デ・ジャネイロに生まれる。ペニシリン開発の初期の時代に、オックスフォード大学フローリー病理学研究所で研究生活に入る。 1947年バーミンガム大学動物学教授、51年ロンドン大学動物学教授、62-71年ロンドン国立医学研究所長を歴任。また1949年より王立学会会員。1960年、移植免疫性の理論ならびに実験についての業績に対し、F・M・バーネットとともにノーベル医学生理学賞を受賞。
著書 The Art of the Soluble (Methuen & Co. Ltd., 1967)、The Hope of Progress: A Scientist looks at Problems in Philosophy, Literature and Science (Anchor Press, 1973) 〔『進歩への希望──科学の擁護』千原呉郎ほか訳、1978、東京化学同人〕、The Limits of Science (Oxford University Press, 1984)〔『科学の限界』加藤珪訳、1987、地人書館〕、Aristotle to Zoos: A Philosophical Dictionary of Biology (共著、Harvard University Press, 1985) 〔『アリストテレスから動物園まで』長野敬ほか訳、1993、みすず書房〕、Memoir of a Thinking Radish (Oxford University Press, 1986)ほか多数。
鎮目恭夫
しずめ・やすお
1925年東京に生まれる。1947年東京大学理学部物理学科卒業。科学思想史専攻。科学評論家。2011年歿。
著書『性科学論』(1975)、『自我と宇宙』(1982)、『科学と読書』(1986)、『人間にとって自分とは何か』(1999)、『ヒトの言語の特性と科学の限界』(2011、以上みすず書房)、『心と物と神の関係の科学へ』(1993、白揚社)ほか。
訳書 シュレーディンガー『生命とは何か』(1951、岩波新書; 2008、岩波文庫)、バナール『歴史における科学』(1956)、『宇宙・肉体・悪魔』(1972)、ウィーナー『サイバネティックスはいかにして生まれたか』(1956)、『科学と神』(1965)、『人間機械論 第二版』(1979)、『神童から俗人へ――わが幼時と青春』(1983)、『発明』(1994)、ダイソン『多様化世界』(1990、以上みすず書房)ほか多数。
結城浩
ゆうき・ひろし
1963年生まれ。プログラマ、ライター。
著書に、『数学ガール』シリーズ(2007-)、『数学ガールの秘密ノート』シリーズ(2013-)、『暗号技術入門』(第3版、2015)、『プログラマの数学』(2005)、『Java言語で学ぶデザインパターン入門』(増補改訂版、2004)(いずれもSBクリエイティブ)、『数学文章作法 基礎編』(2013)『数学文章作法 推敲編』(2014)(いずれもちくま学芸文庫)ほか。
Peter B. Medawar
1915-87。生物学者。リオ・デ・ジャネイロに生まれる。ペニシリン開発の初期の時代に、オックスフォード大学フローリー病理学研究所で研究生活に入る。 1947年バーミンガム大学動物学教授、51年ロンドン大学動物学教授、62-71年ロンドン国立医学研究所長を歴任。また1949年より王立学会会員。1960年、移植免疫性の理論ならびに実験についての業績に対し、F・M・バーネットとともにノーベル医学生理学賞を受賞。
著書 The Art of the Soluble (Methuen & Co. Ltd., 1967)、The Hope of Progress: A Scientist looks at Problems in Philosophy, Literature and Science (Anchor Press, 1973) 〔『進歩への希望──科学の擁護』千原呉郎ほか訳、1978、東京化学同人〕、The Limits of Science (Oxford University Press, 1984)〔『科学の限界』加藤珪訳、1987、地人書館〕、Aristotle to Zoos: A Philosophical Dictionary of Biology (共著、Harvard University Press, 1985) 〔『アリストテレスから動物園まで』長野敬ほか訳、1993、みすず書房〕、Memoir of a Thinking Radish (Oxford University Press, 1986)ほか多数。
鎮目恭夫
しずめ・やすお
1925年東京に生まれる。1947年東京大学理学部物理学科卒業。科学思想史専攻。科学評論家。2011年歿。
著書『性科学論』(1975)、『自我と宇宙』(1982)、『科学と読書』(1986)、『人間にとって自分とは何か』(1999)、『ヒトの言語の特性と科学の限界』(2011、以上みすず書房)、『心と物と神の関係の科学へ』(1993、白揚社)ほか。
訳書 シュレーディンガー『生命とは何か』(1951、岩波新書; 2008、岩波文庫)、バナール『歴史における科学』(1956)、『宇宙・肉体・悪魔』(1972)、ウィーナー『サイバネティックスはいかにして生まれたか』(1956)、『科学と神』(1965)、『人間機械論 第二版』(1979)、『神童から俗人へ――わが幼時と青春』(1983)、『発明』(1994)、ダイソン『多様化世界』(1990、以上みすず書房)ほか多数。
結城浩
ゆうき・ひろし
1963年生まれ。プログラマ、ライター。
著書に、『数学ガール』シリーズ(2007-)、『数学ガールの秘密ノート』シリーズ(2013-)、『暗号技術入門』(第3版、2015)、『プログラマの数学』(2005)、『Java言語で学ぶデザインパターン入門』(増補改訂版、2004)(いずれもSBクリエイティブ)、『数学文章作法 基礎編』(2013)『数学文章作法 推敲編』(2014)(いずれもちくま学芸文庫)ほか。
登録情報
- 出版社 : みすず書房; 新版 (2016/7/21)
- 発売日 : 2016/7/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 200ページ
- ISBN-10 : 4622085305
- ISBN-13 : 978-4622085300
- 寸法 : 13.6 x 2 x 19.5 cm
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2016年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年8月15日に日本でレビュー済み
世界中の科学者に長年読まれている科学者としての手引き書"Advice to a Young Scientist"です。Medwar先生はブラジル生まれで英国で活躍した大先生で1960年にはノーベル医学生理学賞を受賞しています。原著は1979年出版で当然ながら世界・学術界の状況は大きく変わっていますし,当時の英国における常識・教養を基に書かれているのでやや読みにくい部分もありますが,今でも通じる普遍的な記述が多分に含まれています。科学者という職業に興味のある学生やそれを目指すポスドクは一読すべき本と思います。
内容の概略:
・科学とは
・科学者としての適正
・研究テーマの決め方,見つけ方
・研究の準備の仕方,進め方,まとめ方
・科学者の労働環境
・科学者として働くための心構え
内容の概略:
・科学とは
・科学者としての適正
・研究テーマの決め方,見つけ方
・研究の準備の仕方,進め方,まとめ方
・科学者の労働環境
・科学者として働くための心構え
2018年8月28日に日本でレビュー済み
免疫学研究のノーベル賞受賞者メダウォー博士による若い科学者へのエール。1981年出版で40年近く経過しているが、内容は今でも充分に通用する。また新版が出版されているが、安価で入手できるのであれば旧版でも充分である。
研究について様々な角度から記している。
科学者として研究に対する姿勢は、
「大切なのは、失敗をかくそうとして煙幕をはろうとしてはならない」
や、
科学者の秘密主義は、滑稽であり、用心深くて同僚に何もしゃべらない科学者は、自身が何一つ学びとれないこととなる。
と述べ、
「野心家は、自分の利益に役立つ人々に対してはみえみえにていねいにするが、そうでない人にはその裏返しのようにぞんざいにする」
ときくと周囲にも思い浮かぶ人があることに気づく。
そして
委員会や雑用を研究しない言い訳にしない。研究こそが科学者の第一の仕事だから。
と自らを律する姿勢を説く。
また著者は、現代の科学者は齢とったと思わないと考えているらしく、「健康と定年退職規定と運とが研究生活の継続を許すかぎり、若い科学者の特権である自分が毎朝新しく生まれたような感じを楽しむことができる」という。
研究発表について
発表で緊張する時は、両足を400ミリ開いて立つと「ふるえが止まる」らしい。
また
研究発表で聴衆が居眠りするのは、「換気の悪い会場での酸素欠乏によることがきわめて多いのであり、必ずしも講演が退屈だったためではない」と思わず笑ってしまう根拠なきフォローをしている。
論文執筆については、
当時より論文とは容易に書けるものではないものとの現実を著者は科学者に対して感じていたようで、論文を書くとなると、科学者は意味のない実験をしたり、無駄な装置を組み立てたり、委員会へ逃げ出す、と著者はいう。
論文はたくさん読んでも書けない。講義をたくさん聴いても、講義出来るとは限らないのと一緒だ、との喩えは思わず膝を打ちたくなる。
具体的な論文の書き方についても述べている。
・書き方を身につける唯一のみちは、良い手本を読み、勉強し、自分で書いてみること
・【サマリー】は大いに苦労せよ
・レフェリーと論争するより別雑誌を探すのが賢明
・【ディスカッション】は情報獲得の動機を記す。これは【結果】と一体となった思考過程を任意的に区分したものである
科学者としての生き方をさらに続ける。
「科学者は、自分の観察結果や見解を他人に信じさせようとする前に、まず自分自身が確信をもたねばならない」そして批判が、「誤りを保持しなくてもすむことを保証してくれる唯一の手段である。あらゆる実験は批判である。もし実験が人に自分の見解を修正させる可能性を与えないなら、そもそも実験をやるべき理由はありそうもない」
科学者は、とりわけ楽天的であり、自分の存在に対する何らかの特殊な存在理由を感じたいと思う、と著者は説く。
ベーコンの説く真理を通じて「科学的努力の方向は、政治的決定、またはとにかく科学そのものの外部でなされる判断によって決定される」というが、確かに科学は文明の発展、医療の進歩のような益のみならず、戦争など害悪として寄与したこともその時の政治的潮流が決めたことによってである。
堅い話ばかりかと思いきやユーモアある記述も散見される。
例えばある研究者が「ネイチャー」誌に投稿すべく、重要と思うがゆえ郵便でなく手渡しでと思って出掛ける途中で無くしてしまった。教訓として「世間で認められた通信手段を使え」という。
タイトルの「若き科学者」のみならず、
中堅、ベテランのサイエンティストへも強い力を与えてくれる珠玉の一冊である。
研究について様々な角度から記している。
科学者として研究に対する姿勢は、
「大切なのは、失敗をかくそうとして煙幕をはろうとしてはならない」
や、
科学者の秘密主義は、滑稽であり、用心深くて同僚に何もしゃべらない科学者は、自身が何一つ学びとれないこととなる。
と述べ、
「野心家は、自分の利益に役立つ人々に対してはみえみえにていねいにするが、そうでない人にはその裏返しのようにぞんざいにする」
ときくと周囲にも思い浮かぶ人があることに気づく。
そして
委員会や雑用を研究しない言い訳にしない。研究こそが科学者の第一の仕事だから。
と自らを律する姿勢を説く。
また著者は、現代の科学者は齢とったと思わないと考えているらしく、「健康と定年退職規定と運とが研究生活の継続を許すかぎり、若い科学者の特権である自分が毎朝新しく生まれたような感じを楽しむことができる」という。
研究発表について
発表で緊張する時は、両足を400ミリ開いて立つと「ふるえが止まる」らしい。
また
研究発表で聴衆が居眠りするのは、「換気の悪い会場での酸素欠乏によることがきわめて多いのであり、必ずしも講演が退屈だったためではない」と思わず笑ってしまう根拠なきフォローをしている。
論文執筆については、
当時より論文とは容易に書けるものではないものとの現実を著者は科学者に対して感じていたようで、論文を書くとなると、科学者は意味のない実験をしたり、無駄な装置を組み立てたり、委員会へ逃げ出す、と著者はいう。
論文はたくさん読んでも書けない。講義をたくさん聴いても、講義出来るとは限らないのと一緒だ、との喩えは思わず膝を打ちたくなる。
具体的な論文の書き方についても述べている。
・書き方を身につける唯一のみちは、良い手本を読み、勉強し、自分で書いてみること
・【サマリー】は大いに苦労せよ
・レフェリーと論争するより別雑誌を探すのが賢明
・【ディスカッション】は情報獲得の動機を記す。これは【結果】と一体となった思考過程を任意的に区分したものである
科学者としての生き方をさらに続ける。
「科学者は、自分の観察結果や見解を他人に信じさせようとする前に、まず自分自身が確信をもたねばならない」そして批判が、「誤りを保持しなくてもすむことを保証してくれる唯一の手段である。あらゆる実験は批判である。もし実験が人に自分の見解を修正させる可能性を与えないなら、そもそも実験をやるべき理由はありそうもない」
科学者は、とりわけ楽天的であり、自分の存在に対する何らかの特殊な存在理由を感じたいと思う、と著者は説く。
ベーコンの説く真理を通じて「科学的努力の方向は、政治的決定、またはとにかく科学そのものの外部でなされる判断によって決定される」というが、確かに科学は文明の発展、医療の進歩のような益のみならず、戦争など害悪として寄与したこともその時の政治的潮流が決めたことによってである。
堅い話ばかりかと思いきやユーモアある記述も散見される。
例えばある研究者が「ネイチャー」誌に投稿すべく、重要と思うがゆえ郵便でなく手渡しでと思って出掛ける途中で無くしてしまった。教訓として「世間で認められた通信手段を使え」という。
タイトルの「若き科学者」のみならず、
中堅、ベテランのサイエンティストへも強い力を与えてくれる珠玉の一冊である。
2020年7月3日に日本でレビュー済み
本書66頁の<太字で強調された文章>が、英文のまま書名(和訳タイトル)を挟んで表紙に印刷されている。この一文が著者の主張の根幹であり、キーセンテンスだと出版元が理解する処なのは間違いない。
I cannot give any scientist of any age better advice than this.
The intensity of the CONVICTION that A HYPOTHESIS is TRUE has NO BEARING on whether it IS TRUE or NOT.
「私は、どんな年齢のどんな科学者に対しても、次の言葉以上にいい助言を与えることはできない。すなわち、ある仮説を真であると信じる気持ちの強さは、それが真であるか否かには何の関係もない。」
「まえがき」と「序論」を読むと、著者が大学教授や医学研究所長を歴任し、一研究者ではなく教育組織の幹部として学生や研究者を指導する立場になったことで、本書のような助言書の体裁をとった哲学的論考をまとめる余裕と必然性が生まれたことが判る。
「私はかつて重い病気で視力を損じ片手しか使えなくなってからまもなくのとき、ある大講演会で講演のノートをごちゃごちゃにしてしまった。」(103頁)著者が脳出血で逝去した事実を知ると、昔から病気の後遺症で執筆活動に支障があったことに暗然とさせられる。
しかし、本書の論旨は極めて明快であり、学会発表についての助言も単純な一言、「どんな場合でも原稿を棒読みしてはならない。」という簡潔さだ。
「まがいものを見分ける能力と、あやしい実験結果や愛好する仮説の魅力にだまされない断乎とした決断力とが必要なのである。(中略)「科学的方法」としばしば呼ばれるものは、強化された常識なのである。」(152頁)と、科学者は何より「真理追求者」たれとの著者の思いは終始一貫して揺るぎない。
本書では古代ギリシアの哲人や英国を始めとする先人科学者、文人への言及が頻繁多出するので、気になる関連性は自分で調べてみるしかないが、それも本書に触発されての知的探求の種だと捉えれば、大変有難い「助言」の一つとなる。
I cannot give any scientist of any age better advice than this.
The intensity of the CONVICTION that A HYPOTHESIS is TRUE has NO BEARING on whether it IS TRUE or NOT.
「私は、どんな年齢のどんな科学者に対しても、次の言葉以上にいい助言を与えることはできない。すなわち、ある仮説を真であると信じる気持ちの強さは、それが真であるか否かには何の関係もない。」
「まえがき」と「序論」を読むと、著者が大学教授や医学研究所長を歴任し、一研究者ではなく教育組織の幹部として学生や研究者を指導する立場になったことで、本書のような助言書の体裁をとった哲学的論考をまとめる余裕と必然性が生まれたことが判る。
「私はかつて重い病気で視力を損じ片手しか使えなくなってからまもなくのとき、ある大講演会で講演のノートをごちゃごちゃにしてしまった。」(103頁)著者が脳出血で逝去した事実を知ると、昔から病気の後遺症で執筆活動に支障があったことに暗然とさせられる。
しかし、本書の論旨は極めて明快であり、学会発表についての助言も単純な一言、「どんな場合でも原稿を棒読みしてはならない。」という簡潔さだ。
「まがいものを見分ける能力と、あやしい実験結果や愛好する仮説の魅力にだまされない断乎とした決断力とが必要なのである。(中略)「科学的方法」としばしば呼ばれるものは、強化された常識なのである。」(152頁)と、科学者は何より「真理追求者」たれとの著者の思いは終始一貫して揺るぎない。
本書では古代ギリシアの哲人や英国を始めとする先人科学者、文人への言及が頻繁多出するので、気になる関連性は自分で調べてみるしかないが、それも本書に触発されての知的探求の種だと捉えれば、大変有難い「助言」の一つとなる。