『通貨経済学入門』第二版、宿輪純一氏の著書を読みました。
“通貨”のことが誰にでも分かりやすく解説されている入門書です。
ギリシャ危機、国際戦略をよく勉強している人民元、仮想通貨ビットコインなどごく至近の通貨を巡る各国の経済をも含みつつ、シニョレッジという通貨の始まりから、これまでの長い長い通貨の変遷と現状を教えてくれる本です。
ちまたには至近の話題に乏しく、現在の世界経済の動きに対応していない“古典学説”に終始するか、公式だらけの経済学の本の多いこと。
この著書からは、“経済は生き物であり、通貨はその血液”であることがよくわかります。
私が一番驚いたことは、さまざまな通貨制度の紹介の中で、“完全の通貨は存在しないこと”！です。
また感銘を受けたことは、ユーロの母体となっているドイツがかつてインフレが大戦を引き起こした歴史を踏まえ、「安定を重視し、長期的な通貨政策でその場しのぎをしない」ということ。このことから、私たち日本人にも経済の真理を与えてくれます。
閑話休題がまたいいです。ユーロの紙幣デザインや円の旧字体“圓”について触れていて、とても興味深いお話しですのでそこだけ読んでも楽しいです。
さて、この本を読んで少しばかりの経済ウンチクを蓄えて、
「speculationは投機的ってすぐ日本語で言い、危なくて近づけないけど、実は機会の機だから、それって実はチャンスなんだよね！」
とかこの本を読んでいない人に言ってみようと思います。
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