今までは、大学病院にいるわけでもないし、英語で論文を書くような題材もなく、まとまった時間もないからと、日本語の発表や論文書きに終始していました。が、日本語の論文でも、最後の英語抄録以外は全部できていたのに、そこだけ先延ばしにしていたせいで、似た内容が雑誌に掲載されてしまい、悔しい思いをしたことがありました。
また、最近、国際学会に出て痛感したのは、英語で発表したり論文を書いていなければ、この業界に存在しないも同然だということでした。その症例は国内で自分がすでに発表したと思っても、英語で検索できなければ、あちらが「世界初」の報告なのですから・・・。
というわけで、最近、ようやく英語論文を書いて投稿してみたのですが、周囲に相談できるような環境はなく、翻訳会社に依頼しても、なかなかコストに見合っただけの納得のいくものはできてこないように思い、行き詰っていました。そこで、年末年始にまとめ読みした、英語論文を書くための手引書数冊のうちの一冊がこれです。このタイトルと値段、厚さですから、気の利いた表現集的な要素は盛り込まれていません。正直言って、最初の１／３はすでに知っている内容、後半もうすうす気付いていた内容でしたが、この本を読んでから、英語論文を書くことに対して、少し気が楽になりました。というのも、この本で指南されている論文作成のための効率的な情報収集の方法に対して、「やはりこのやり方でいいんだ」と確認できたのと、コラムにある著者自身の留学体験や当時の英語レベルに、ちょっと安心したからです（失礼！）。
この本を読む前に、苦労して投稿した最初の雑誌は、あっさりエディターの段階でリジェクトされ、次に投稿した雑誌からは、この本を読んだ後、山ほどコメントが付いて返ってきました。でも、気の利いた表現は他の本に任せるとして、とりあえずはこの本で指南された方法を使って、リバイズしていきたいと思います。
英語論文を書くのが初めての方は、まずは薄くて読みやすいこの本を読まれてはいかがでしょうか？
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