本書は、フリーのライターや翻訳家としてご活躍され、『英語は多読が一番！』
という多読をテーマにしたご著書もお持ちの著者が、「英語をすでに何年か学ん
できた人、英語の読解力がある程度身についている学習者を対象」（p. 11）とし
て、英語の本を読む意義や読み方、おススメの本などを指南した本である。
本書は４章構成になっていて、第１章では英語のパンクチュエーションや読むべ
き本の選び方を中心にまとめている。続く第２章では、宗教や航海から来た表現
など、日本人には分かりにくい英語表現がまとめられている。第３章では、冒険
もの、スリラー、SF等、ジャンル別に頻繁に使われている英語表現などがまとめ
られている。最後の第４章では、著者お薦めの洋書100冊が紹介されている。
本書は、英語上級者、あるいは自律的に自分が好きなジャンルや本が選べる方に
は、それぞれのジャンルの特徴やお薦めの本100選もあり、好適な多読啓蒙書に
なりうるだろう。ただ、大人用の洋書が読めるまで至っていない方には、全体と
して書かれている内容について「ピントが合わない」ような印象を受けるかもし
れない本でもある。というのも、英語の読み方や書き方を概略的にまとめた第１
章は別として、それ以降の章は英語上級者を対象にした記述が中心になっている
からであり、紹介されている英語表現等もある程度の難易度の英文を大量に読ん
できた方なら「そういう意味か」という発見が得られるであろうが、紹介される
表現に初めて接するような初学者には、すべて「ふ～ん」程度で終わってしまう
ことが予想されるからである。
英語多読をある程度してきた方、大人用のペーパーバックをお読みになりたい方
に好適な本だと思います。
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