各経済回廊についての記述は、なかなか興味深い。
東南アジアの経済回廊は、今これから、物流網として整備が進んでおり、周辺地域の開発や売り込みが行われている。
一方で、この経済回廊の状況をテーマに語った出版物は、意外に無い。
専門書ではなく、読み物的な書籍ではあるが、経済回廊を旅するように、この物流網を垣間見るには、充分価値がある。
ただ、2011年出版にしては、南北回廊のバンコク(タイ)~ビエンチャン(ラオス)~ハノイ(ベトナム)のルートについては、記述がないのが残念。
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東南アジアを学ぼう 「メコン圏」入門 (ちくまプリマー新書) 新書 – 2011/2/9
柿崎 一郎
(著)
- 本の長さ191ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2011/2/9
- ISBN-104480688544
- ISBN-13978-4480688545
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2011/2/9)
- 発売日 : 2011/2/9
- 言語 : 日本語
- 新書 : 191ページ
- ISBN-10 : 4480688544
- ISBN-13 : 978-4480688545
- Amazon 売れ筋ランキング: - 931,389位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年10月19日に日本でレビュー済み
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2020年8月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
メコン河流域のタイ・ラオス・カンボジアの3か国がどのような圏域で、どのような経緯にあるかが簡単に俯瞰できる本(タイは非侵略国、ラオスとカンボジアと隣国のベトナムはフランス領の南シナ)。
2020年3月23日に日本でレビュー済み
著者の現地を旅した経験を生かした記載が多いです。
これほどの経験をした方は多くないと思います。
その意味では、著者ならではの、貴重な著作だと思います。
しかし、所詮、通り過ぎた方の描写に過ぎないと思います。
背景や歴史の説明もありますが、その部分は、浅い、と思いました。
少なくとも、私には、有益ではない著作でした。
これほどの経験をした方は多くないと思います。
その意味では、著者ならではの、貴重な著作だと思います。
しかし、所詮、通り過ぎた方の描写に過ぎないと思います。
背景や歴史の説明もありますが、その部分は、浅い、と思いました。
少なくとも、私には、有益ではない著作でした。
2013年3月9日に日本でレビュー済み
タイの交通史の著作がある柿崎一郎氏による、主としてバス移動の指南書のような雰囲気が漂う「メコン圏」の交通・経済・社会の入門書でした。
「東南アジアを学ぼう」というタイトルですが、筆者のバスの旅路を元にした考察が主ですので、経済や社会に言及した旅行記のような香りも漂います。そのあたりで好みや関心の差が生まれそうです。
序章「メコン圏とは?」では、流域である5つの国ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、そして中国の雲南省広西壮族自治区の2つの省であると記してありました。経済レベルの差は大きく、17ページにその経済格差と様々な経済回廊に触れています。「歴史・地理・政治・経済・社会・文化など幅広い話題に触れていく」姿勢が、本テーマの掘り下げの足かせになっているように感じました。興味深いエリアを扱っていますので、交通路に従っての網羅的な解説よりも各国の特徴をとらえた話題の方が印象に残ったように感じました。
第1章「南北回廊(ハイフォン〜昆明〜バンコク)」では、紅河沿いの鉄道(ハイフォン〜昆明)や山峡を貫く高速道路(昆明〜景洪)、メコンの川下りと新たな陸路(景洪〜チエンセーン・チエンコーン)など、バックパッカーでないと通らないような道路周辺の記述が表層的ではありますが、このエリアの状況を写しだしていました。産業や社会の一端に触れることになります。写真や図版も掲載してあるのですが、比較的文章が多いため、その地域を良く知らない読者はイメージをとらえるのに苦労することでしょう。
第2章「東西回廊(モーラミャイン〜ダナン)」では、タイを横切る道(モーラミャイン〜コーンケン)、分断の川メコン(コーンケン〜サワンナケート)、アンナン山脈越えのルート(サワンナケート〜ドンハ)など、国境越えの国道を移動する情報が主になり、車窓から見た風景のような趣が感じられました。
116ページに「ベトナムの古都フエ」について概略が紹介してありますが、1点の写真と説明だけですので、旅行の参考にするのも難しいかもしれません。
第3章「南回廊(ヴンタウ〜バンコク)」では、メコン・デルタをさかのぼって(ヴンタウ〜プノンペン)、疲弊した鉄路(プノンペン〜バッドムボーン)、かつての国際鉄道(バッドムボーン〜バンコク)などが書かれていました。
142ページに筆者が乗ったパッドムボーン行きの列車の過酷さが描写してあり、「ここまで荒廃した鉄道は、世界でも珍しいものだったでしょう。」との通りでした。紀行文に徹して、この鉄道ルポを詳しく記してあれば、また違った魅力が本書から感じ取れると思いましたが。
終章「メコン圏から見えること」でも書かれていますが、これらの地域を実際に訪れることで体感し、理解できることは多いと思われます。個人的にはもう少し文化的な面での考察を深めていただければ良かったのにとは思いました。筆者の関心と当方の関心の違いではありますが。
ガイドブック的な点の旅から本書が推奨するような線の旅へ、そして面の広がりが今後東南アジアを知る上で必要なスタンスなのでしょう。
「東南アジアを学ぼう」というタイトルですが、筆者のバスの旅路を元にした考察が主ですので、経済や社会に言及した旅行記のような香りも漂います。そのあたりで好みや関心の差が生まれそうです。
序章「メコン圏とは?」では、流域である5つの国ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、そして中国の雲南省広西壮族自治区の2つの省であると記してありました。経済レベルの差は大きく、17ページにその経済格差と様々な経済回廊に触れています。「歴史・地理・政治・経済・社会・文化など幅広い話題に触れていく」姿勢が、本テーマの掘り下げの足かせになっているように感じました。興味深いエリアを扱っていますので、交通路に従っての網羅的な解説よりも各国の特徴をとらえた話題の方が印象に残ったように感じました。
第1章「南北回廊(ハイフォン〜昆明〜バンコク)」では、紅河沿いの鉄道(ハイフォン〜昆明)や山峡を貫く高速道路(昆明〜景洪)、メコンの川下りと新たな陸路(景洪〜チエンセーン・チエンコーン)など、バックパッカーでないと通らないような道路周辺の記述が表層的ではありますが、このエリアの状況を写しだしていました。産業や社会の一端に触れることになります。写真や図版も掲載してあるのですが、比較的文章が多いため、その地域を良く知らない読者はイメージをとらえるのに苦労することでしょう。
第2章「東西回廊(モーラミャイン〜ダナン)」では、タイを横切る道(モーラミャイン〜コーンケン)、分断の川メコン(コーンケン〜サワンナケート)、アンナン山脈越えのルート(サワンナケート〜ドンハ)など、国境越えの国道を移動する情報が主になり、車窓から見た風景のような趣が感じられました。
116ページに「ベトナムの古都フエ」について概略が紹介してありますが、1点の写真と説明だけですので、旅行の参考にするのも難しいかもしれません。
第3章「南回廊(ヴンタウ〜バンコク)」では、メコン・デルタをさかのぼって(ヴンタウ〜プノンペン)、疲弊した鉄路(プノンペン〜バッドムボーン)、かつての国際鉄道(バッドムボーン〜バンコク)などが書かれていました。
142ページに筆者が乗ったパッドムボーン行きの列車の過酷さが描写してあり、「ここまで荒廃した鉄道は、世界でも珍しいものだったでしょう。」との通りでした。紀行文に徹して、この鉄道ルポを詳しく記してあれば、また違った魅力が本書から感じ取れると思いましたが。
終章「メコン圏から見えること」でも書かれていますが、これらの地域を実際に訪れることで体感し、理解できることは多いと思われます。個人的にはもう少し文化的な面での考察を深めていただければ良かったのにとは思いました。筆者の関心と当方の関心の違いではありますが。
ガイドブック的な点の旅から本書が推奨するような線の旅へ、そして面の広がりが今後東南アジアを知る上で必要なスタンスなのでしょう。
2017年7月9日に日本でレビュー済み
交通の専門家のお話のため交通網の話が続く。著者が実際にいったルートの話もあるが、文字でここをこういくとこの通りに出てなどと説明されても分かりにくい。メコン圏入門というより、メコン圏の交通網の本。国の背景などの説明は簡略で高校の世界史レベル。交通網の記載を減らして、文化・社会・経済からの考察を増やした方がよかった。正直、なんも記憶に残らなかった。
2011年3月19日に日本でレビュー済み
年末にアンコールワットを見るために初めてカンボジアに行ったが、シェムリアップの凄まじい開発ぶりに仰天した。20年前まで内戦で荒廃していたと思えないほど、ホテルは林立し車やバイクがひっきりなし。タイの地方都市に勝る賑やかさを感じた。東南アジアはASEAN自由貿易地域協定で経済は一体化しつつある。しかし、経済の要になる物流網はカンボジア、ベトナム、ラオスの内戦、中越戦争などの影響で分断されたり破壊されて立ち後れているため、交通基盤の整備が急ピッチで進んでいる。本書は昆明からバンコク、ハノイへ至る南北街道、ミャンマーのモールメンからベトナムのダナンへ至る東西街道を、と東南アジアを十字を描くように鉄道やバスで往き、整備状況を伝えるとともに沿道や沿線の風景や、そこから見える東南アジアの近現代史を紹介する。
数年前まで土道だったのが、いきなり高速道路になったりしているが、メンテナンスに手間がかかる鉄道網はまだまだ貧弱。植民地時代にかなり整備されたが、タイ、カンボジアは分断され、ベトナムのようにつながっていてもかなり機能が劣化している。交通網がオーバースペック化しつつある日本と逆で、毎年何十%ずつ上がっていく交通量にロートルな交通網が応え切れていないのを感じた。また、国境や物流の結節点に人が集まり、街が出来ていく様子も書かれている。
ひたすらバス、鉄道、船で移動していくだけの本なので、退屈さもややある。写真がもう少し多くても良かったとも思う。でも、地を這ってでしか見えない東南アジアの今を感じる風景を読み取ることができた。バンコクからアユタヤまで鉄道に揺られて行ったことがあるが、3時間遅延で気を揉みつつもしゃーない感が漂っていた。そんなゆるい車内のムードが、淡々とした本書の記述からでも伝わってくるようだった。
数年前まで土道だったのが、いきなり高速道路になったりしているが、メンテナンスに手間がかかる鉄道網はまだまだ貧弱。植民地時代にかなり整備されたが、タイ、カンボジアは分断され、ベトナムのようにつながっていてもかなり機能が劣化している。交通網がオーバースペック化しつつある日本と逆で、毎年何十%ずつ上がっていく交通量にロートルな交通網が応え切れていないのを感じた。また、国境や物流の結節点に人が集まり、街が出来ていく様子も書かれている。
ひたすらバス、鉄道、船で移動していくだけの本なので、退屈さもややある。写真がもう少し多くても良かったとも思う。でも、地を這ってでしか見えない東南アジアの今を感じる風景を読み取ることができた。バンコクからアユタヤまで鉄道に揺られて行ったことがあるが、3時間遅延で気を揉みつつもしゃーない感が漂っていた。そんなゆるい車内のムードが、淡々とした本書の記述からでも伝わってくるようだった。