ビッグデータが活用される時代を迎え,AI(人工知能),ChatGPTが広く用いられるようになってきました。その根本には統計学の知見がちりばめられていると言われています。
この本は,統計手法の紹介をしたり,ソフトの利用方法を説明しているのではありません。「統計学とは何か」を真正面から取り上げています。確かな根拠に基づいて的確な判断ができるための思考法や発想法の根本が紹介されています。
現実の世の中での事象は,すべて多かれ少なかれ,偶然に支配されています。そこで,「偶然を無視する」「偶然を殺す」のではなく「偶然を生かす」と発想することは斬新です。
著者は,「特定のものから一般化を行うという規則によって作り出された知識は,不確実なものである。しかし,ひとたびその中に含まれる不確実性を数量化すれば,それは確かな知識となる. 」と主張し,以下の公式を提唱しています(81頁)。
「不確実な知識」+「不確実性の度合についての知識」=「利用できる知識」
今考察している事柄が生じる確実性の度合を加味することにより,有益な知識となるという意味でしょう。天気予報に降水確率が加味されることにより,傘を持っていくかどうかの判断が的確にできるようになります。
訳文はこなれていて大変わかりやすいです。また,詳細な「訳者注」が45箇所に付けられていて,参考文献の紹介や導出過程の説明が役立ちます。
なお,この3名の訳者と原著者による共著
『やさしい統計入門―視聴率調査から多変量解析まで』(ブルーバックス)
は,日本の実情に即した例が豊富に盛り込まれていて,とても参考になります。
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統計学とは何か ―偶然を生かす (ちくま学芸文庫 ラ 7-1 Math&Science) 文庫 – 2010/2/9
- 本の長さ321ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2010/2/9
- ISBN-104480092714
- ISBN-13978-4480092717
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2010/2/9)
- 発売日 : 2010/2/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 321ページ
- ISBN-10 : 4480092714
- ISBN-13 : 978-4480092717
- Amazon 売れ筋ランキング: - 142,251位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 493位ちくま学芸文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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2023年10月18日に日本でレビュー済み
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2014年2月22日に日本でレビュー済み
統計学のその背後にある考え方や思想について述べられている。統計学,そして学問に対する愛と真摯な姿勢が素晴らしい。そしてところどころのユーモアが愉しい。
『論理学者スマリヤンは、占星術をなぜ信じないのかと尋ねられたとき、「自分は双子座であり、双子座は決して占星術を信じないからだ」と応えている、』に思わずにやりとしてしまう。
数学や統計学に興味がなかったとしても、本書の楽しみと魅力はそれだけではないのだ。
『論理学者スマリヤンは、占星術をなぜ信じないのかと尋ねられたとき、「自分は双子座であり、双子座は決して占星術を信じないからだ」と応えている、』に思わずにやりとしてしまう。
数学や統計学に興味がなかったとしても、本書の楽しみと魅力はそれだけではないのだ。
2001年4月30日に日本でレビュー済み
統計学の世界的権威の講演の内容をまとめたもの。
統計学に関する啓蒙書のうち日本語で書かれているものとしては最も面白いものではないだろうか。
統計学を全く知らない人には向かないが、学生レベルである程度統計学の世界に触れたことのある人にとっては、読み応え充分。その豊かな世界に圧倒されます。
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統計学を全く知らない人には向かないが、学生レベルである程度統計学の世界に触れたことのある人にとっては、読み応え充分。その豊かな世界に圧倒されます。