全編わかりやすい言葉で書かれています。
はじめにセンター地学の問題があります。この問題が解けません。あとがきにあるように、高校地学の履修率が5%なので、世間一般の人がセンター地学の問題を解けないのは当然です。
センター地学の問題のつぎに、問題を解くために必要な知識の解説があります。この解説がわかりやすく秀逸です。読み進めていくと、問題の解答がなんとなくわかってきます。しかし、正解かどうか自信がないのでモヤモヤします。でも、最後の解答解説でスッキリします。
特筆すべきことがあります。言葉はまったく違いますが、新しい学習指導要領が示している「科学的に探究する学習」、「理科の見方・考え方」、「主体的・対話的で深い学び」、「理科の目標」と同じ内容が、あとがきに書かれています。当たり前のことですが小学校・中学校・高校の学習の延長線上に京都大学の鎌田教授の講義があるのです。
この本を読むと、高校地学の内容だけでなく、新しい学習指導要領が目指しているもの、すなわち日本の将来を背負って立つ子どもたちの未来も知ることができます。
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やりなおし高校地学 (ちくま新書) 新書 – 2019/9/6
鎌田 浩毅
(著)
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京大の人気No.1教授が贈る
――日本人に必須の地学の教養が
この一冊に!
日本列島は2011年にマグニチュード9の巨大地震に見舞われて以来、千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。4枚のプレートがひしめく日本で生き延びるには、地学の知識が不可欠だ。本書は、大学入試センター試験に出題された問題を解きながら、地球内部の構造、日本列島の成り立ち、地震と噴火のメカニズム、地球温暖化問題、宇宙の歴史まで、地学の「壮大」かつ「実用的な」エッセンスを、京大人気No.1教授の「科学の伝道師」が解説する。すべての日本人に捧げる、サバイバルのための地学入門!
【目次】
まえがき
絶滅の生存者が次代の覇者に/ 「大地変動の時代」に入った日本
第1章 地球とは何か
1 地球はどのようにできたのか br> 原始太陽ができたおかげで惑星ができた/マグマオーシャンが冷えることで地球の核と大気・海洋ができた
2 地球の形と大きさ
地球が丸いことに気づいたのは?/地球の大きさはどうしてわかる?/ニュートンが考えた回転楕円体/ジオイドで知る、地球のかたち/アイソスタシーとは何か/ある地点における「重力」は、どのように計算するか
3 地球は巨大な「磁石」である
地磁気とは何か/地磁気はなぜできたのか?/生命を守る地球の磁場
第2章 地球は生きている! ――その活動をさぐる
1 地球の内部はどうなっているのか br> 地球の内部構造を卵に置き換えて考える/地球内部の熱はどこから来たのか
2 大地は動く――地球の活動の謎を解く
大陸移動説とは何か――中央海嶺の発見/海底は動いている/地磁気の逆転が、日本の千葉で起こっていた!?/プレートとはどんなもの?/プレートの運動でさまざまな現象が解決する/沈み込んだプレートの行方――プルーム・テクトニクス/地震が起こるのもプレート・テクトニクスのため/火山はどうしてできるのか
第3章 地球の歴史を繙く
1 地球の「変化」 「成長」の手がかりとは
時代の情報と環境の情報/地層を「読む」ための基本ルール
2 地質学とは何か
地層を「つないで」推測する/世界中に分布した化石を利用する方法/各年代と生物にとっての大事件/地質学の誕生――スミスの功績/放射性元素を利用する
3岩石の「読み方」
岩石の「でき方」/火成岩は何からできているのか/火成岩の種類/岩石から時代の情報を読み解くには/岩石を生む「変成」とは何か
第4章 日本列島の成り立ち
1 日本列島は地学的にはどのようなキャラなのか br> 4つのプレートが押し合いへし合いする現場/日本列島は地震の巣である
2 日本列島はどのような岩石からできているか
日本列島は大陸から分離してできあがった/ホットプルームと日本列島/日本列島へ「岩石が付加される」とはどういうことか?/日本列島はこのように形作られた
3 日本列島の形ができるまで
日本列島の起源と形成のプロセス/フォッサマグナとは何か/活火山を背骨とする日本列島/プレート運動が各地の地形を作った
4 日本列島の特徴
火山活動が地上に残す爪痕/火山と共存するための心構え/富士山が世界にも稀な火山であるワケ/西南日本が警戒すべき巨大断層・南海トラフとは/九州にも「地震の巣」がある/液状化現象という二次被害/津波の発生するメカニズム
第5章 動く大気・動く海洋の構造
1 地球を覆う大気の構造
大気が気象の「決め手」となる/大気はどのような構造をしているか
2 地球上の温度が一定に保たれる仕組み
太陽エネルギーが地球を暖める/ 「温室」 効果をもたらす気体/日本の「猛暑」は温暖化のせい?/ヒートアイランドはなぜ起こる?/地球規模で見ると……
3 大気が大循環するメカニズム
緯度によって変わる気流/赤道近くで大気はどう動くか/中緯度・高緯度地域ではどう動くか/地球の自転が気流にどうかかわるか
4 海洋も大循環している
水が動けば気象も変わる/大循環する海水の不思議/海水の動きには月と太陽も影響する/風と海流によって起こるエルニーニョ現象/地球は「ミニ氷河期」に向かっている br>
第6章 宇宙とは何か
1 宇宙の誕生と構造
宇宙の始まりはビッグバン!/宇宙に元素ができるまで/宇宙に銀河ができるまで/ダークマターと宇宙の構造
2 恒星の誕生と進化
恒星ができるまで/主系列星の大きさと寿命/恒星の終焉と赤色巨星/赤色巨星以降の恒星の進化と終末/恒星の進化がわかるHR図
3 私たちの銀河系
銀河系の構造/銀河系の公転と中心部
4 さまざまな銀河と膨張する宇宙
銀河の形による分類/活動する銀河/膨張する宇宙
あとがき
地学の勉強法/人類の存立基盤について知る/高校地学をめぐる現状/ 「大地変動の時代」の地学/ 「長尺の目」で地球を考える
参考文献
索引
――日本人に必須の地学の教養が
この一冊に!
日本列島は2011年にマグニチュード9の巨大地震に見舞われて以来、千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。4枚のプレートがひしめく日本で生き延びるには、地学の知識が不可欠だ。本書は、大学入試センター試験に出題された問題を解きながら、地球内部の構造、日本列島の成り立ち、地震と噴火のメカニズム、地球温暖化問題、宇宙の歴史まで、地学の「壮大」かつ「実用的な」エッセンスを、京大人気No.1教授の「科学の伝道師」が解説する。すべての日本人に捧げる、サバイバルのための地学入門!
【目次】
まえがき
絶滅の生存者が次代の覇者に/ 「大地変動の時代」に入った日本
第1章 地球とは何か
1 地球はどのようにできたのか br> 原始太陽ができたおかげで惑星ができた/マグマオーシャンが冷えることで地球の核と大気・海洋ができた
2 地球の形と大きさ
地球が丸いことに気づいたのは?/地球の大きさはどうしてわかる?/ニュートンが考えた回転楕円体/ジオイドで知る、地球のかたち/アイソスタシーとは何か/ある地点における「重力」は、どのように計算するか
3 地球は巨大な「磁石」である
地磁気とは何か/地磁気はなぜできたのか?/生命を守る地球の磁場
第2章 地球は生きている! ――その活動をさぐる
1 地球の内部はどうなっているのか br> 地球の内部構造を卵に置き換えて考える/地球内部の熱はどこから来たのか
2 大地は動く――地球の活動の謎を解く
大陸移動説とは何か――中央海嶺の発見/海底は動いている/地磁気の逆転が、日本の千葉で起こっていた!?/プレートとはどんなもの?/プレートの運動でさまざまな現象が解決する/沈み込んだプレートの行方――プルーム・テクトニクス/地震が起こるのもプレート・テクトニクスのため/火山はどうしてできるのか
第3章 地球の歴史を繙く
1 地球の「変化」 「成長」の手がかりとは
時代の情報と環境の情報/地層を「読む」ための基本ルール
2 地質学とは何か
地層を「つないで」推測する/世界中に分布した化石を利用する方法/各年代と生物にとっての大事件/地質学の誕生――スミスの功績/放射性元素を利用する
3岩石の「読み方」
岩石の「でき方」/火成岩は何からできているのか/火成岩の種類/岩石から時代の情報を読み解くには/岩石を生む「変成」とは何か
第4章 日本列島の成り立ち
1 日本列島は地学的にはどのようなキャラなのか br> 4つのプレートが押し合いへし合いする現場/日本列島は地震の巣である
2 日本列島はどのような岩石からできているか
日本列島は大陸から分離してできあがった/ホットプルームと日本列島/日本列島へ「岩石が付加される」とはどういうことか?/日本列島はこのように形作られた
3 日本列島の形ができるまで
日本列島の起源と形成のプロセス/フォッサマグナとは何か/活火山を背骨とする日本列島/プレート運動が各地の地形を作った
4 日本列島の特徴
火山活動が地上に残す爪痕/火山と共存するための心構え/富士山が世界にも稀な火山であるワケ/西南日本が警戒すべき巨大断層・南海トラフとは/九州にも「地震の巣」がある/液状化現象という二次被害/津波の発生するメカニズム
第5章 動く大気・動く海洋の構造
1 地球を覆う大気の構造
大気が気象の「決め手」となる/大気はどのような構造をしているか
2 地球上の温度が一定に保たれる仕組み
太陽エネルギーが地球を暖める/ 「温室」 効果をもたらす気体/日本の「猛暑」は温暖化のせい?/ヒートアイランドはなぜ起こる?/地球規模で見ると……
3 大気が大循環するメカニズム
緯度によって変わる気流/赤道近くで大気はどう動くか/中緯度・高緯度地域ではどう動くか/地球の自転が気流にどうかかわるか
4 海洋も大循環している
水が動けば気象も変わる/大循環する海水の不思議/海水の動きには月と太陽も影響する/風と海流によって起こるエルニーニョ現象/地球は「ミニ氷河期」に向かっている br>
第6章 宇宙とは何か
1 宇宙の誕生と構造
宇宙の始まりはビッグバン!/宇宙に元素ができるまで/宇宙に銀河ができるまで/ダークマターと宇宙の構造
2 恒星の誕生と進化
恒星ができるまで/主系列星の大きさと寿命/恒星の終焉と赤色巨星/赤色巨星以降の恒星の進化と終末/恒星の進化がわかるHR図
3 私たちの銀河系
銀河系の構造/銀河系の公転と中心部
4 さまざまな銀河と膨張する宇宙
銀河の形による分類/活動する銀河/膨張する宇宙
あとがき
地学の勉強法/人類の存立基盤について知る/高校地学をめぐる現状/ 「大地変動の時代」の地学/ 「長尺の目」で地球を考える
参考文献
索引
- 本の長さ305ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2019/9/6
- 寸法11 x 1.5 x 17.5 cm
- ISBN-104480072519
- ISBN-13978-4480072511
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2019/9/6)
- 発売日 : 2019/9/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 305ページ
- ISBN-10 : 4480072519
- ISBN-13 : 978-4480072511
- 寸法 : 11 x 1.5 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 132,102位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 16位高校地学教科書・参考書
- - 53位金属・鉱学 (本)
- - 224位地球科学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1955年東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省(現・経済産業省)を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学コミュニケーション。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。火山研究のほか、科学をわかりやすく伝える「科学の伝道師」。96年に日本地質学会論文賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『京大人気講義 生き抜くための地震学 (ISBN-10: 4480067019)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年9月16日に日本でレビュー済み
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2020年4月18日に日本でレビュー済み
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地学を習っていなくて、基礎知識がない方が基礎を学ぶに丁度いい。説明も平易です。
2020年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
高校では地学を履修しなかったのですが、興味がある分野なので読んでみました。地震大国日本に住んでいるので、プレート、地震の部分は興味深かったです。南海トラフ地震は2040年までに確実に発生し、確率的に連動性になりそうと知り怖くなりました。
2020年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
良書です。受験生向けではありませんが私のような地学初学者には、どのような事を扱い、意義があるのかを分かりやすく伝えていただいてよかったです。またタイトルのとおり、振り返り、やり直しです。センター試験の過去問も話のきっかけとして出てきます。興味のあるかたはどうぞ。
2020年6月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
通学していた高校は地学部(クラブ)のレベルが高かった(様々な賞を得ていた、今も得ていると思います)ですが、結局選択せず卒業しました。一方、大学・社会人に進むにつれて、地球・天文さらに物質への興味がわき、今も関連書籍を読んでいます。ただ、独学でしたので回り道も多く、購入したけれど読破しなかったものを多数ありました。本書を読み終えて、当時本書があればそのような回り道もせず自学自習できたのかと感じています。内容は平易で、少し物足りない部分もありますが、さらに深堀するにはいい道しるべだと思います。
2022年2月18日に日本でレビュー済み
地球内部の構造、プレート、地震、火山、地質から、大気、海流、そして宇宙までを300ページ弱で網羅しています。図画は必要最低限ですが、文章できっちりと説明されているので、よくある図解本よりも原理原則がしっかりと理解できて納得感があります。
面白いのは、各説明単位ごとに、実際のセンター試験の地学の設問があって、まずは自分がどれだけ分かっているか(分かってないか)を試されるのがユニークで良いです。相当難しくて、全部正解する人は高校生というより学者と言っても一般人には十分通用するんじゃないかと思うレベルです。
実際、センター試験で地学を受験する人は稀だそうで、自分も受けなかったし、だから高校でも真面目に地学を勉強してこなかったことを痛感しました。
プレートが沈んでマグマが地表に噴き出すとか、同じプレートでも大陸と海洋は動きが違うとか、今まで知ってたところから、さらにもう一歩深く理解することが出来て大変有意義な読書でした。また、オゾン層が出来たから生物が陸上に上がれたという話は、いかにオゾン層が大切かということを思い知らされました。
面白いのは、各説明単位ごとに、実際のセンター試験の地学の設問があって、まずは自分がどれだけ分かっているか(分かってないか)を試されるのがユニークで良いです。相当難しくて、全部正解する人は高校生というより学者と言っても一般人には十分通用するんじゃないかと思うレベルです。
実際、センター試験で地学を受験する人は稀だそうで、自分も受けなかったし、だから高校でも真面目に地学を勉強してこなかったことを痛感しました。
プレートが沈んでマグマが地表に噴き出すとか、同じプレートでも大陸と海洋は動きが違うとか、今まで知ってたところから、さらにもう一歩深く理解することが出来て大変有意義な読書でした。また、オゾン層が出来たから生物が陸上に上がれたという話は、いかにオゾン層が大切かということを思い知らされました。
2019年11月15日に日本でレビュー済み
著者は、京都大学大学院人間・環境学研究科教授で、火山学・地球科学が専門の鎌田浩毅さん。京大の講義は毎年数百人を集める人気という。『やりなおし高校地学』とあるとおり、多少の地学の素養がある人なら楽しめる内容となっている。センター試験の問題と解答解説を挟みながら、地質・気象・天文の順に、高校地学のおさらいをする。
阪神淡路大震災や東日本大震災で活動期に入った地殻変動について学びたい、地球温暖化について学びたい、という方にもおすすめする。
阪神淡路大震災や東日本大震災で活動期に入った地殻変動について学びたい、地球温暖化について学びたい、という方にもおすすめする。
2023年10月28日に日本でレビュー済み
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入試問題や回答は要らないと思う。高校の地学のテキストは持っていないので。