ファイナンスとは何の縁もない若い人たちにどう「ファイナンス」という科目を教えるかという疑問をある大学の客員教授の知人から最近受けました。それ以前に、私はだいたい20代前後の何も知らない学生にファイナンスという科目を、哲学ではなく技術論の角度から教えることに、どれだけの意味があるのかという根本的な疑問がありますが。はてと思いあたり、この作品を取ってみました。
一言で言って非常にわかりやすく書かれています。金利、貸出、債券、そして株式という順にこのファイナンスという対象が語られ、相当程度の基本が習得できます。でも語りの筆致はドライで、あくまでも部分知の整理以上のものはここにはありません。フアィナンスという魔力がその善悪両面から生き生きと描かれることはありません。
ただ一点、「お金持ちは、たくさんお金があるので、リスク分散をして、ハイリスク・ハイリターンという戦略を自分の生存を危うくすることなく、取ることができ、価格の不可避的なvolatility stressを吸収して、結果としては、ハイリターンを享受できる」というのは残酷な真実です。これはpiketyの
Capital in the Twenty-First Century
のメッセージとも共鳴し合う部分です。これが20代の人たちへの本書の隠れたメッセージだとしたら、著者もなかなかの役者だな。
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20代からのファイナンス入門: お金がお金を生む仕組み (ちくま新書 931) 新書 – 2011/11/7
永野 良佑
(著)
一見複雑に思える金融のメカニズム。しかし、基礎の考え方さえ押さえておけば、実はすべてが腑に落ちる仕方で理解できる。知識ゼロから読めるファイナンス入門。
- 本の長さ202ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2011/11/7
- ISBN-104480066373
- ISBN-13978-4480066374
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2011/11/7)
- 発売日 : 2011/11/7
- 言語 : 日本語
- 新書 : 202ページ
- ISBN-10 : 4480066373
- ISBN-13 : 978-4480066374
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,097,027位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,276位金融・ファイナンス (本)
- - 2,537位ちくま新書
- - 61,402位投資・金融・会社経営 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年1月15日に日本でレビュー済み
本のタイトルは洗練されていますが、中身は本当に簡単な内容をくりかえしているだけのもの。いったい何回「金利はお金のレンタル料です」という説明をするのでしょうか。金利だけではなく他の内容もくりかえしばかりであるため、後半はウンザリしてきます。ボリューム的には三分の一の厚さですむ内容です。残念でした。『池上彰のお金の学校』を読んだほうがよっぽどためになります。
2012年2月5日に日本でレビュー済み
高金利通貨に安易に飛びついてはいけないことや、会社に勤めながらその仕組みをよくわかっていない人が多い株式について、初心者向けにわかりやすくまとめている。
そして、お金持ちほどお金を増やしやすいという身もふたもない話から、お金を儲けた人は実はリスクをとっていたということまで、単に真面目にがんばれば報われるということでもないという、学校ではなかなか教えてくれないことも伝えている。社会に旅立つ子供に向けた親の言葉なのかもしれない。
そして、お金持ちほどお金を増やしやすいという身もふたもない話から、お金を儲けた人は実はリスクをとっていたということまで、単に真面目にがんばれば報われるということでもないという、学校ではなかなか教えてくれないことも伝えている。社会に旅立つ子供に向けた親の言葉なのかもしれない。