4つの研究所からなる「情報・システム研究機構」で実際に行われている学際研究の内容を紹介する書籍。
書いたのはフリーライターで、研究者へのインタビューという形式をとっているので肩がこらない文章になっている。基本的に、この機構の研究者たちが納税者に「価値あることにお金使ってますよ!」とアピールするための本と思われるので、とにかく機構のとりくみや研究者の人柄を褒めちぎる文章ばかりが並ぶが、まあ、仕方ない。
異なる分野の研究者が共同でとりくむ『融合研究』を推進しているらしい。お互いに違う文化なので、まずは飲み会から入ってお互いに腹をわって話をするのが第一歩、という話が登場したが、時代が変わっても人付き合いはやはりアナログという感じがして、面白かった。
紹介されてる研究はいわゆるビッグデータがらみのものが多い。生物ならバイオインフォマティクスなど。この機構の統計数理研究所と情報学研究所が、いろんな分野の研究者と斬新なコラボをしてますよーという話。門外漢にも面白く読める。日本のイネの遺伝的起源やら南極のコケの研究やらは、いったい何の役に立つのかわからないが、まあ研究者の好奇心というのがどういうものかよくわかった。
ただ、いくつかの新しいプロジェクトについては、研究者の「これからこういう法則を発見したい」「こういうインパクトを社会に与えたい」といった単なる希望的観測が多く、大丈夫かなという気もした。
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知の境界線を突破せよ! 単行本(ソフトカバー) – 2013/4/5
奥松 英幸
(著)
国立極地研究所、国立遺伝学研究所、統計数理研究所、国立情報学研究所が連携協力を進める新領域融合研究センター。ここが進めている地球環境システム、生命システム、人間・社会システム、統計数理基盤、情報基盤、システムズ・レジリエンスの6つの融合研究について、その内容を明らかにする。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2013/4/5
- ISBN-104478024502
- ISBN-13978-4478024508
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2013/4/5)
- 発売日 : 2013/4/5
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 272ページ
- ISBN-10 : 4478024502
- ISBN-13 : 978-4478024508
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,687,339位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,852位地球科学・エコロジー (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年4月14日に日本でレビュー済み
統計学が、分野の垣根を越えた融合を創る、という新しい動きを統数研などの識者のインタビューでまとめたもの。北川教授が恩師の赤池教授にいわれた「本で勉強するのは有害無益だ。まず実際の問題をやってみて、必要になったことを勉強しなさい。」という言葉が印象に残った。丸山教授の主導する「システムズ・レジリエンス」、樋口統数研所長の「データ同化」など、今後のビッグデータの活用にもつながる話もある。読後このような学の動きと私のいるような企業の研究開発がより融合して、日本の強化につながらないか、と強く思った。