「イスラーム国」が驚異なのは、カリフによるウンマの統治と
いう、イスラム教の本質に迫る志向性を持ち、それを現実化し
始めていることにある、とこれまで感じて来たが、日本のマス
コミは、そこには触れて来ないようだった。
この本は、このカリフ制の問題から始まるので、信頼して読み
進めることが出来た。
著者は、イスラーム政治思想史と中東の比較政治学・国際関係論
の二冊の著作を、数年かけて、完成直前まで来ているという。
そんな折に、「イスラーム国」問題への日本での関心が高まった
ので、急遽、纏めてみた本だという。
しかし、この本は、そんな急遽などという言葉が信じられない
くらいに、緻密かつ濃厚である。
準備中の二冊のエキスが、浸透しているのであろう。
その内容は、アル=カイーダ以降のグローバル・ジハードの推移、
「イスラーム国」の組織変遷、周辺国を含めた政治情勢、思想を
含めたメディア戦略、中東史における位置付け、今後の行方等々、
まさに緻密かつ濃厚であり、知りたいことに、漏れなく答えて
くれる感じがある。
「イスラーム国」関連本を読むならば、まずはこの一冊である。
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イスラーム国の衝撃 (文春新書 1013) 新書 – 2015/1/20
池内 恵
(著)
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謎の「国家」の正体に迫る
イスラーム国はなぜ不気味なのか? どこが新しいのか? 組織原理、根本思想、資金源、メディア戦略から、その実態を明らかにする。
イスラーム国はなぜ不気味なのか? どこが新しいのか? 組織原理、根本思想、資金源、メディア戦略から、その実態を明らかにする。
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2015/1/20
- 寸法10.8 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104166610139
- ISBN-13978-4166610136
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
謎の「国家」の正体に迫る――イスラーム国はなぜ不気味なのか? どこが新しいのか? 組織原理、根本思想、資金源、メディア戦略から、その実態を明らかにする。
「イスラーム国」そのものは、イラクやシリアの現地で不満を抱く粗暴な若者たちに、目的意識と冒険を求めて流入する先進国育ちのムスリムが加わって、国際政治のパワーバランスの変化の過程で不必要に強力な武器と資金を手にした集団にすぎないという面もある。しかし、このような集団が誕生した背景には中東世界の構造変容がある。にもかかわらず日本のマスコミも知識人も、実態からかけ離れた日本的な理想を投影して「イスラーム」を論じてきたため、中東の現実も、「イスラーム国」の正体を正確に捉えられていない。本書は、以下のような視点から「イスラーム国」の誕生と勢力拡大がもつ意味を解きあかす。どこが画期的なのか? これほど大規模に武装・組織化したのはなぜか? どのような組織的特徴をもっているか? 資金源は? テロ行為だけでなく領域支配を実現できたのはなぜか? 周辺地域にいかなる影響を与えるか? 米国とイランの接近は何を意味するか? 「イスラーム国」とイスラーム教(コーラン)はどのように関係しているか? 「イスラーム国」にいかに対処すべきか?
「イスラーム国」そのものは、イラクやシリアの現地で不満を抱く粗暴な若者たちに、目的意識と冒険を求めて流入する先進国育ちのムスリムが加わって、国際政治のパワーバランスの変化の過程で不必要に強力な武器と資金を手にした集団にすぎないという面もある。しかし、このような集団が誕生した背景には中東世界の構造変容がある。にもかかわらず日本のマスコミも知識人も、実態からかけ離れた日本的な理想を投影して「イスラーム」を論じてきたため、中東の現実も、「イスラーム国」の正体を正確に捉えられていない。本書は、以下のような視点から「イスラーム国」の誕生と勢力拡大がもつ意味を解きあかす。どこが画期的なのか? これほど大規模に武装・組織化したのはなぜか? どのような組織的特徴をもっているか? 資金源は? テロ行為だけでなく領域支配を実現できたのはなぜか? 周辺地域にいかなる影響を与えるか? 米国とイランの接近は何を意味するか? 「イスラーム国」とイスラーム教(コーラン)はどのように関係しているか? 「イスラーム国」にいかに対処すべきか?
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2015/1/20)
- 発売日 : 2015/1/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 238ページ
- ISBN-10 : 4166610139
- ISBN-13 : 978-4166610136
- 寸法 : 10.8 x 1.3 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 422,974位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 941位文春新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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池内恵(いけうちさとし)
1973年、東京生まれ。1996年、東京大学文学部イスラム学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程を経て、2001年4月よりアジア経済研究所研究員。イスラーム政治思想史、中東地域研究が専門。共著に『民族主義とイスラーム』――アジア経済研究所、『非・西欧の視座』――大明堂――など。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コーランやハディースの言葉の中に今日の「イスラーム国」を生み出す原因があることを指摘したのは、貴重な指摘だと思う。「イスラーム世界にも、宗教テキストの人間主義的な立場からの批判的検討を許し、諸宗教間の平等や宗教規範の相対化といった観念を採り入れた宗教改革が求められる時期なのではないだろうか」との指摘も、今日のイスラム諸国の現状を考えるとその通りだと思う。しかし、オバマ政権の中東への関与の低下は、中東の一層の混乱をもたらしただけであり、中東の混乱を収拾するには、米国の指導力の発揮が必要であるかのようにこの本を終えているのは、何を意味するのか。
アメリカのアフガニスタン、イラク戦争が「イスラーム国」のようなテロ集団誕生の最大の原因の一つであるという観点からの分析があまりにもなさすぎる。アメリカとイスラエルのアラブ、イスラム諸国への空爆によって多くの子ども、女性、一般市民の生命が無残にも奪われたことをどのように評価するのか。ファルージャでのアメリカ地上軍の戦いをどのように評価するのか。アメリカがどのような指導力を発揮すれば、中東に平和と自由がもたらされるのか。今のような空爆とさらには、アフガニスタンやイラクでの戦争のように地上軍を導入することでは、さらなる混乱と悲劇が中東にもたらされるという可能性はないのか。池内氏はどのように考えるのか。
・追伸
「イスラム国」に関する書籍、雑誌、新聞をその後読み進めるうちにますます池内氏への批判が強まったので、追加します。
アメリカは、2004年にイラクを攻撃しました。理由は、第1に、イラクが大量破壊兵器を開発、所有しているという疑惑があるということでした。第2に9.11同時多発テロを起こしたアルカイダを、イラクのフセイン政権が支援している疑惑があるということです。この戦争によって、イラク市民に15万人の犠牲者が出ました。空爆やファルージャなどでの地上戦で多くの非戦闘員である子ども、女性、一般市民が無差別に殺されました。
アメリカ政府のイラク調査グループは2004年10月、「開戦時イラクは大量破壊兵器を持たず、開発計画さえなかった」する報告を発表しました。また、2006年9月に上院情報特別委員会は「フセイン政権はアルカイダと無関係だった」とする報告を公表した。安倍晋三総理は、これに対して「無実を証明しなかったイラクが悪い」と発言しています。無実を自分で証明できなければ空爆されてもスナイパーに市民が撃ち殺されても仕方がないということです。
内藤正典氏の「イスラム戦争」には次のような記述があります。「2002年アフガニスタンで結婚式に集まった人々を空爆して48人の死者と100人以上の死者を出しています。」また、2014年内藤氏がトルコに滞在していた時に、イスラエルのガザに対する攻撃がおこなわれ、多くのニュース番組が子供の遺体を抱えて泣き叫ぶ父親の姿を延々と流していたということを述べています。「白い布に包まれ、血がにじむ遺体、凄惨の一語につきるものでした。中でも、国連パレスチナ難民救済事業機関の学校が攻撃された時には、人々の怒りは頂点に達した。」とあります。アメリカのアフガニスタンとイラクの戦争によって、またイスラエルのパレスチナ攻撃によって、いったいどれだけのテロリストと無関係の人々の命が奪われたのか。
内藤氏はイスラム思想は、「『テロリスト』や『過激派』を掃討すると称して、爆撃機やドローンによる度重なる誤爆で子や母を殺すような残虐なことをした場合には、命を賭けて戦う戦士を生み出します。」と指摘する。すなわちこれまでアメリカがイラクやアフガニスタンで行ってきた侵略が「イスラム国」生み出した原因の1つであることをして指摘しているのです。
また池内氏は、「イラクの政権は、米国が軍事的な支援に躊躇すればいっそうイランとの同盟関係を強めていくだろう。オバマ政権の理論的には精緻に練られた対処策は、単に米国の影響力の低下を招き、イランの中東地域での覇権の確立を許すだけかもしれない。」また、アメリカの中東における指導力の低下は、「中東地域秩序の流動化」をもたらすと述べているが、そもそも宗派紛争をイラクに惹起させたのはアメリカだという見方もあります。栗原禎子氏は、つぎのように指摘します。
「現在の事態は、すべて2003年の米国の侵略とそれに続く占領から始まっています。米国占領体制のもとで『宗派別』政治が導入され、それまで共存したスンナ派・シーア派・クルド派を意図的に分断し、対立を煽る政策がとられました。その結果、宗派間抗争が激化し、暴力がエスカレートして社会がメチャクチャになり、その過程で『イルラム国』が生まれてきたのです。」
こうした指摘に対して池内氏はどのように答えるのか。
アメリカのアフガニスタン、イラク戦争が「イスラーム国」のようなテロ集団誕生の最大の原因の一つであるという観点からの分析があまりにもなさすぎる。アメリカとイスラエルのアラブ、イスラム諸国への空爆によって多くの子ども、女性、一般市民の生命が無残にも奪われたことをどのように評価するのか。ファルージャでのアメリカ地上軍の戦いをどのように評価するのか。アメリカがどのような指導力を発揮すれば、中東に平和と自由がもたらされるのか。今のような空爆とさらには、アフガニスタンやイラクでの戦争のように地上軍を導入することでは、さらなる混乱と悲劇が中東にもたらされるという可能性はないのか。池内氏はどのように考えるのか。
・追伸
「イスラム国」に関する書籍、雑誌、新聞をその後読み進めるうちにますます池内氏への批判が強まったので、追加します。
アメリカは、2004年にイラクを攻撃しました。理由は、第1に、イラクが大量破壊兵器を開発、所有しているという疑惑があるということでした。第2に9.11同時多発テロを起こしたアルカイダを、イラクのフセイン政権が支援している疑惑があるということです。この戦争によって、イラク市民に15万人の犠牲者が出ました。空爆やファルージャなどでの地上戦で多くの非戦闘員である子ども、女性、一般市民が無差別に殺されました。
アメリカ政府のイラク調査グループは2004年10月、「開戦時イラクは大量破壊兵器を持たず、開発計画さえなかった」する報告を発表しました。また、2006年9月に上院情報特別委員会は「フセイン政権はアルカイダと無関係だった」とする報告を公表した。安倍晋三総理は、これに対して「無実を証明しなかったイラクが悪い」と発言しています。無実を自分で証明できなければ空爆されてもスナイパーに市民が撃ち殺されても仕方がないということです。
内藤正典氏の「イスラム戦争」には次のような記述があります。「2002年アフガニスタンで結婚式に集まった人々を空爆して48人の死者と100人以上の死者を出しています。」また、2014年内藤氏がトルコに滞在していた時に、イスラエルのガザに対する攻撃がおこなわれ、多くのニュース番組が子供の遺体を抱えて泣き叫ぶ父親の姿を延々と流していたということを述べています。「白い布に包まれ、血がにじむ遺体、凄惨の一語につきるものでした。中でも、国連パレスチナ難民救済事業機関の学校が攻撃された時には、人々の怒りは頂点に達した。」とあります。アメリカのアフガニスタンとイラクの戦争によって、またイスラエルのパレスチナ攻撃によって、いったいどれだけのテロリストと無関係の人々の命が奪われたのか。
内藤氏はイスラム思想は、「『テロリスト』や『過激派』を掃討すると称して、爆撃機やドローンによる度重なる誤爆で子や母を殺すような残虐なことをした場合には、命を賭けて戦う戦士を生み出します。」と指摘する。すなわちこれまでアメリカがイラクやアフガニスタンで行ってきた侵略が「イスラム国」生み出した原因の1つであることをして指摘しているのです。
また池内氏は、「イラクの政権は、米国が軍事的な支援に躊躇すればいっそうイランとの同盟関係を強めていくだろう。オバマ政権の理論的には精緻に練られた対処策は、単に米国の影響力の低下を招き、イランの中東地域での覇権の確立を許すだけかもしれない。」また、アメリカの中東における指導力の低下は、「中東地域秩序の流動化」をもたらすと述べているが、そもそも宗派紛争をイラクに惹起させたのはアメリカだという見方もあります。栗原禎子氏は、つぎのように指摘します。
「現在の事態は、すべて2003年の米国の侵略とそれに続く占領から始まっています。米国占領体制のもとで『宗派別』政治が導入され、それまで共存したスンナ派・シーア派・クルド派を意図的に分断し、対立を煽る政策がとられました。その結果、宗派間抗争が激化し、暴力がエスカレートして社会がメチャクチャになり、その過程で『イルラム国』が生まれてきたのです。」
こうした指摘に対して池内氏はどのように答えるのか。
2015年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
おそらくオーサーの池内さんという人はネットでよく読まれている`イスラームの専門家`のひとりでしょう。
電子書籍、通販の販売ページなので、ここにお集まりの方々はきっとお名前を他所で聞いてこられていると思います。
その上で、期待に応える内容かどうか、ということでレビューしますと、一冊の本として必要十分であり、
卓越した分析(おそらく文書を読まれての分析)の結果だと思います。評価が浅いのはお日柄的な事情でしょう。
日々、金にもならないメディアで「自分の言葉を必要とする人々のために」記事を書かれている努力の延長線上にある
読者フレンドリーな一冊であったと評価すべきです。電子書籍版と書籍版両方一応買っときました。Kindle良くなったし。
大学教授もウハウハではないこのご時世、トレンドな本くらいはよく売れていってほしいものです。教授が貧しければ、
その成果物も劣化の危険性がおよび、知性・学術的権威そのものが揺らぐ可能性がありますし。
ここのところのFacebook更新はご心労を伺える内容になっているので、懇切丁寧にきれいにまとまった内容をご参考になさりたければ、
有料な質の高い情報をソースになさるべきです。どんな評価をするにしても800円の価値はありますよ、きっと。
電子書籍、通販の販売ページなので、ここにお集まりの方々はきっとお名前を他所で聞いてこられていると思います。
その上で、期待に応える内容かどうか、ということでレビューしますと、一冊の本として必要十分であり、
卓越した分析(おそらく文書を読まれての分析)の結果だと思います。評価が浅いのはお日柄的な事情でしょう。
日々、金にもならないメディアで「自分の言葉を必要とする人々のために」記事を書かれている努力の延長線上にある
読者フレンドリーな一冊であったと評価すべきです。電子書籍版と書籍版両方一応買っときました。Kindle良くなったし。
大学教授もウハウハではないこのご時世、トレンドな本くらいはよく売れていってほしいものです。教授が貧しければ、
その成果物も劣化の危険性がおよび、知性・学術的権威そのものが揺らぐ可能性がありますし。
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有料な質の高い情報をソースになさるべきです。どんな評価をするにしても800円の価値はありますよ、きっと。
2016年3月15日に日本でレビュー済み
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先に内藤正典さんの「イスラム戦争、中東崩壊と欧米の崩壊」を読んでいました。その本のレビューには、内藤さんの本は主観ばかりでそれを読むなら池内さんの本書の方がいい、という記述があり、そんなものかと公平を期す意味でも読んでみようと思いました。
結果、この池内さんの本は半分を読んだ所でギブアップです。確かに内藤さんの本より詳細を極め、各国の州の宗派党派の違いなどまで書かれていて本当に第一人者な感じです。が、一般に馴染みのある平易な文かと言えば、私にはノーだと感じます。学術的と言えばいいか、その専門分野の用語、表現に慣れた人には分かるでしょうが、言い回しや文体、表現が一般的ではないと感じます。だから半分で私には無理が来ました。
では内藤さんの本が主観に溢れていて危険かと言えば、結局事実を述べている部分に差がある様には感じないです。かえってその事実がどんな事かを解説する意味では、内藤さんの本の方が遥かに分かりやすいと思います。また内藤さんとて、中東の国の日本大使館で講演を依頼されてする人ですから、主観に溢れているというレビューの人の意見もどうかといったところです。これは良くないと言っても当然な気持ちは私には分かるし、巧妙に誘導しているかは分かりません。その半信半疑で池内さんの本書を手に取りましたが、私には難し過ぎました。
私なら、内藤さんの本を入門編として読み、さらに専門的に知りたい方はこちらを読んではどうかと勧めたいです。こちらは入門編が済んだ人の本だと感じます。
結果、この池内さんの本は半分を読んだ所でギブアップです。確かに内藤さんの本より詳細を極め、各国の州の宗派党派の違いなどまで書かれていて本当に第一人者な感じです。が、一般に馴染みのある平易な文かと言えば、私にはノーだと感じます。学術的と言えばいいか、その専門分野の用語、表現に慣れた人には分かるでしょうが、言い回しや文体、表現が一般的ではないと感じます。だから半分で私には無理が来ました。
では内藤さんの本が主観に溢れていて危険かと言えば、結局事実を述べている部分に差がある様には感じないです。かえってその事実がどんな事かを解説する意味では、内藤さんの本の方が遥かに分かりやすいと思います。また内藤さんとて、中東の国の日本大使館で講演を依頼されてする人ですから、主観に溢れているというレビューの人の意見もどうかといったところです。これは良くないと言っても当然な気持ちは私には分かるし、巧妙に誘導しているかは分かりません。その半信半疑で池内さんの本書を手に取りましたが、私には難し過ぎました。
私なら、内藤さんの本を入門編として読み、さらに専門的に知りたい方はこちらを読んではどうかと勧めたいです。こちらは入門編が済んだ人の本だと感じます。
2015年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても良い販売店です。
はっきり言って「新品同様」でした。本体はもちろん、腰巻(失礼)にも汚れやキズ、折れ・よれはまったく無く、
また、梱包も丁寧で、気持ちよく受け取ることができました。
著者には申し訳ありませんが、ボンビーな私には、このような良心的な書店の応援が不可欠ですので、
引き続き、ご縁がありましたら購入したいと考えております。
書店の評価とは関係ないかもわかりませんが、本の内容は、不慣れなアラビア名が数多く登場するので、
難儀しながら読んでおり、まだ半分程度までしか進んでないです。(汗)
でも、内容が濃くて、客観的にまとめているので、個人的には良書だと思います。
はっきり言って「新品同様」でした。本体はもちろん、腰巻(失礼)にも汚れやキズ、折れ・よれはまったく無く、
また、梱包も丁寧で、気持ちよく受け取ることができました。
著者には申し訳ありませんが、ボンビーな私には、このような良心的な書店の応援が不可欠ですので、
引き続き、ご縁がありましたら購入したいと考えております。
書店の評価とは関係ないかもわかりませんが、本の内容は、不慣れなアラビア名が数多く登場するので、
難儀しながら読んでおり、まだ半分程度までしか進んでないです。(汗)
でも、内容が濃くて、客観的にまとめているので、個人的には良書だと思います。
2015年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これほど目配りの効いた本をこのタイミングで出したのは著者も編集者もお見事。
それまでの既発モノを集めたとはいえ、章立てがとてもよく
順番含めできており、リライトもされたせいか、寄せ集めのにおいはみじんもありません。
一気通貫してなるほど、なるほど、の連発。その後。。。
たとえ現「イスラム国」を潰しても、バグダーディを殺しても、さらに拡散、個人化するだけで、
この対「グローバル・ジハード戦争」は100年では終わらない、
500年でも終結しまいという絶望の未来が待っていました。
いま最前線で戦っているクルド部隊も、今後ここぞと独立国を目指すでしょうし。
第一次大戦後の国境線引きは、今後のイラン、トルコの野望もあり崩壊は確実でしょう。
なんというか、「独裁国家」「警察国家」のほうがいまのあまりの無秩序よりはまだましなのではないか、
という最悪の二択を考えてしまいました。
ふたつ疑問が残りました。
シーア派とスンニ派はなぜここまで仲が悪いのか。
ムハンマドの跡目解釈の違い以外に何が原因なのか。
現世の最高イスラム権力者、カリフを「イスラム国」が勝手に
擁立して、なぜ、世界のイスラム教徒は激怒しないのか。
それまでの既発モノを集めたとはいえ、章立てがとてもよく
順番含めできており、リライトもされたせいか、寄せ集めのにおいはみじんもありません。
一気通貫してなるほど、なるほど、の連発。その後。。。
たとえ現「イスラム国」を潰しても、バグダーディを殺しても、さらに拡散、個人化するだけで、
この対「グローバル・ジハード戦争」は100年では終わらない、
500年でも終結しまいという絶望の未来が待っていました。
いま最前線で戦っているクルド部隊も、今後ここぞと独立国を目指すでしょうし。
第一次大戦後の国境線引きは、今後のイラン、トルコの野望もあり崩壊は確実でしょう。
なんというか、「独裁国家」「警察国家」のほうがいまのあまりの無秩序よりはまだましなのではないか、
という最悪の二択を考えてしまいました。
ふたつ疑問が残りました。
シーア派とスンニ派はなぜここまで仲が悪いのか。
ムハンマドの跡目解釈の違い以外に何が原因なのか。
現世の最高イスラム権力者、カリフを「イスラム国」が勝手に
擁立して、なぜ、世界のイスラム教徒は激怒しないのか。
2015年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
予備知識なしでも読みすすめられます。
様々な基本的な用語の説明などとてもわかりやすいです。
ただ、世界史をもっと学んでおけば、
より理解できたなと感じました。
これは著書のせいではないです。
様々な基本的な用語の説明などとてもわかりやすいです。
ただ、世界史をもっと学んでおけば、
より理解できたなと感じました。
これは著書のせいではないです。
2015年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
高校で世界史B(偏差値70程度)の前提知識があり、大学でもイスラーム世界についてある程度勉強している者です。
概ねこれ1冊でメディアなどが語る断片的な情報よりは遥かに良質な情報が得られると思います。
ただ、テロリズム問題は極めて難解であり薄い本1冊では補完しきれないのが事実。
初読で前提知識がない読者様には図示がないと一読しただけでは頭に入らない、或いはネットなどで検索し少しずつ読み進めないと位置関係の把握がとても難しいのではないかと思いました。
せっかく興味を持って頂いたのに「やっぱり難しい」とまとまってしまっては残念です。
また、近代の歴史についてもう少し幅広く丁寧に扱って欲しかったという願望があります。
以上を踏まえまして☆を1つ減らしましたが、全体的に見て概ねよく出来た本だと思います。
入門〜上級でいうと、やや中級程度の内容かと思います。
ある程度の前提知識と、中東、北アフリカの位置関係がわからない場合は事前に調べておくと良いかもしれません。
概ねこれ1冊でメディアなどが語る断片的な情報よりは遥かに良質な情報が得られると思います。
ただ、テロリズム問題は極めて難解であり薄い本1冊では補完しきれないのが事実。
初読で前提知識がない読者様には図示がないと一読しただけでは頭に入らない、或いはネットなどで検索し少しずつ読み進めないと位置関係の把握がとても難しいのではないかと思いました。
せっかく興味を持って頂いたのに「やっぱり難しい」とまとまってしまっては残念です。
また、近代の歴史についてもう少し幅広く丁寧に扱って欲しかったという願望があります。
以上を踏まえまして☆を1つ減らしましたが、全体的に見て概ねよく出来た本だと思います。
入門〜上級でいうと、やや中級程度の内容かと思います。
ある程度の前提知識と、中東、北アフリカの位置関係がわからない場合は事前に調べておくと良いかもしれません。