著者は火山学者。多数の著作がある。
日本の火山災害について、総合的に紹介した一冊だ。近年の噴火、歴史上の噴火、噴火の起こる仕組みなどがていねいに解説され、日本でも将来的に確実に大噴火が起こることが予測されている。避けようのない災害であるということを、はっきりと認識すべきとの立場から語られており、ちょっと絶望的な気分になる。
現在の研究水準では、基本的には噴火は予知不可能であるというのが著者の持論なのだが、なぜ不可能なのかもよくわかる。
以前の著作にくらべて、文章に乱れを感じる。意味がよくとれなかったり、くりかえしが多かったり。
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火山入門 日本誕生から破局噴火まで (NHK出版新書) 新書 – 2015/5/8
島村 英紀
(著)
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日本人は古来、火山の恩恵を享受するとともに、度重なる災害に脅かされてきた。列島誕生、地形形成、気候変動とのかかわりから、東日本大震災をはるかに超える被害をもたらす超巨大噴火の可能性まで。110もの活火山が存在する“火山列島・日本”に暮らすうえで知っておきたい「足もと」の驚異を、碩学が丁寧かつわかりやすく解説する。
日本人は古来、火山の恩恵を享受するとともに、度重なる災害に脅かされてきた。列島誕生、地形形成、気候変動とのかかわりから、東日本大震災をはるかに超える被害をもたらす超巨大噴火の可能性まで。110もの活火山が存在する“火山列島・日本”に暮らすうえで知っておきたい「足もと」の驚異を、碩学が丁寧かつわかりやすく解説する。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2015/5/8
- ISBN-104140884614
- ISBN-13978-4140884614
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商品の説明
出版社からのコメント
東日本大震災以降、日本各地の火山が活発化している。最近でも蔵王、桜島、阿蘇など、多くの火山が活動を活発化させて話題となった。そもそも日本は、世界の0.25%しかないわずかな陸地の上に、陸上にある7分の1の火山が集中している「火山大国」だ。各世紀で複数回の「大噴火」が起き、これまで多くの日本人が苦しめられてきた。しかし、ここ100年ほどは大きな噴火がなく、地球物理学的には「異常な状態」が続いている。はたして、これは日本に壊滅的な打撃を与える「破局噴火」の前触れなのか。日本と世界の火山を概観しながら、火山形成から噴火までの仕組みと「火山大国」に住むうえで知っておきたい火山の驚異を明快に解説する一冊。
著者について
島村英紀(しまむら・ひでき)
1941年、東京都生まれ。武蔵野学院大学特任教授。東京大学理学部卒業。同大学院修了。理学博士。北海道大学教授、北海道大学地震火山研究観測センター長、国立極地研究所長などを歴任。専門は地球物理学。著書多数。
1941年、東京都生まれ。武蔵野学院大学特任教授。東京大学理学部卒業。同大学院修了。理学博士。北海道大学教授、北海道大学地震火山研究観測センター長、国立極地研究所長などを歴任。専門は地球物理学。著書多数。
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2015/5/8)
- 発売日 : 2015/5/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4140884614
- ISBN-13 : 978-4140884614
- Amazon 売れ筋ランキング: - 363,620位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界の火山の約一割を国土に持つこの日本において、火山の知識が無いのは無謀なことです。最近では国内にある多くの火山が活動を活発化させています。なかなか知りえない火山の概要を知ってみる必要があるのではないでしょうか。
2015年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あまり火山が噴火するということに対して、大きさというのは想像したことなかったが、日本人が死に絶えてしまうほどの影響がある場合もあるということを知り、火山というものの壮大さを知った。富士山の噴火は可能性があるというのは聞いてはいたものの、実感がなかったので、火山というものを身近に捉えるといういみで、良い読書となった。火山に少しでも興味がある方にはおすすめ。
【学びのポイント】
1)日本が軟水なのは川が短いから?
・川が短いことは日本の水の多くが軟水であることの理由にもなっている。
・軟水とは、カルシウムやマグネシウムなどの金属イオンの含有量が少ない水のことだ。
・これに対してヨーロッパの水は硬水であることが多い。
・ライン川などのヨーロッパの川では、緩い傾斜のところを何千キロメートルも水が流れるので、まわりの岩からカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンが溶け込みやすいのである。
2)「カルデラ噴火」とは何か?
・「カルデラ噴火」というのは、東京ドーム約250杯分の火山噴出物が出る「大噴火」よりもさらに400倍以上も大きな噴火で、過去、日本を何度か襲ったことが知られている。
・「カルデラ」は、もともとはポルトガル語で「大きな鍋」のことであり、火山学ではカルデラは火山を中心にした大きな窪地のことで、地下から大量のマグマが出てきた結果、地下に空洞ができ、その空洞が陥没して地表が大きく窪んでできるものである。阿蘇山で見られるものが有名だ。
・なお、伊豆大島や三宅島の火山にあるカルデラは、ここでいうカルデラ噴火でできるカルデラよりもずっと小さいものだが、形としては同じである。
・大規模なカルデラ噴火は日本では過去10万年間に12回起きたことが知られている。つまり、数千年に1度ずつ繰り返されてきた。
・このうち、いちばん近年のものは7300年前に九州南方で起きた「鬼界カルデラ噴火」だった。
・このときの噴火で放出されたマグマは東京ドーム10万杯分にもなった。
3)カルデラ噴火は日本を滅ぼす可能性がある
・カルデラ噴火がこの次にいつ起きるかについて定説はないが、ある火山研究者が2014年に発表した計算によると、100年以内に起きる可能性は1%だという。低いと言えば低い。
・しかし、1%というのは阪神・淡路大震災(1995年)が起きた前日に政府の地震調査委員会が発表していた地震の確率と同じである。可能性が低いといって安心できるレベルではないのかもしれない。
・この研究者は、もし将来、この種の巨大なカルデラ噴火が起きると、噴火そのものとそこから出る火山灰の影響で、最悪の場合、1億2000万人の死者が出ると試算している。つまり、日本人のほとんどが死に絶えてしまうということだ。
・この種の「次のカルデラ噴火」がいつ、どこに起きるかはわからないが、もし九州に起きると、九州はもちろん壊滅的な被害を生じるが、偏西風のために火山灰が運ばれて影響は日本全体に及ぶ。
・この1億2000万人の死者という試算は九州でカルデラ噴火が起きたとしたとき、つまり日本にとって最悪の想定である。
4)モーメントマグニチュードとは?
・東北地方太平洋沖地震なみの巨大地震がいままで世界各地で起きたあとも、例外なく近くの火山が噴火したことがわかっている。
・東北地方太平洋沖地震のモーメントマグニチュード(Mw)は9だった。モーメントマグニチュードとは、いままで日本で使われていた気象庁マグニチュードとは違うマグニチュードの指標だ。
・気象庁マグニチュードと違って巨大地震でも数値が飽和しない。つまり、巨大な地震の大きさを正確に計ることができる
・気象庁マグニチュードが地震計で記録した地震の揺れの最大震幅から決めるのと違って、モーメントマグニチュードは、地震の震源でどれほどの大きさの地震断層がどれくらいの量だけ滑ったかということから決めるものだ。
・気象庁マグニチュードはやで飽和してしまうため、どんなに大きな地震が起こってもそれ以上の数値にはならない。
・東北地方太平洋沖地震なみの大地震だったと考えられている宝永地震も近年まではマグニチュード8.3~8.4とされてきた。これは気象庁マグニチュードの最大限の値である。
・モーメントマグニチュードは、近代的な地震計が普及してからでないと数値を求めることができなかった。
・そのため、いままで世界で起きた巨大地震の中では7つだけしかMw9クラスの地震は知られていない。
5)富士山はいつ噴火しても不思議ではない
・この1707年の宝永噴火があって以後、富士山は噴火しておらず、現在まで約300年間という、富士山の噴火歴の中でも異例の休止の長さである。
・世界的に見ても、長い休止期間のあとの噴火の規模は大きかったことが多かったため、次の噴火を不安視する見方は強い。
・地球物理学的に言えば、富士山がこれからも永久に噴火しないことはあり得ない。
・1707年の宝永噴火以来活動を休止しているが、小さな地震は毎月数十回も観測されているし、地下のマグマ溜まりも健在である。
・そういう意味では、富士山はいつ、どのように噴火しても不思議ではない状態の火山なのである。
【学びのポイント】
1)日本が軟水なのは川が短いから?
・川が短いことは日本の水の多くが軟水であることの理由にもなっている。
・軟水とは、カルシウムやマグネシウムなどの金属イオンの含有量が少ない水のことだ。
・これに対してヨーロッパの水は硬水であることが多い。
・ライン川などのヨーロッパの川では、緩い傾斜のところを何千キロメートルも水が流れるので、まわりの岩からカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンが溶け込みやすいのである。
2)「カルデラ噴火」とは何か?
・「カルデラ噴火」というのは、東京ドーム約250杯分の火山噴出物が出る「大噴火」よりもさらに400倍以上も大きな噴火で、過去、日本を何度か襲ったことが知られている。
・「カルデラ」は、もともとはポルトガル語で「大きな鍋」のことであり、火山学ではカルデラは火山を中心にした大きな窪地のことで、地下から大量のマグマが出てきた結果、地下に空洞ができ、その空洞が陥没して地表が大きく窪んでできるものである。阿蘇山で見られるものが有名だ。
・なお、伊豆大島や三宅島の火山にあるカルデラは、ここでいうカルデラ噴火でできるカルデラよりもずっと小さいものだが、形としては同じである。
・大規模なカルデラ噴火は日本では過去10万年間に12回起きたことが知られている。つまり、数千年に1度ずつ繰り返されてきた。
・このうち、いちばん近年のものは7300年前に九州南方で起きた「鬼界カルデラ噴火」だった。
・このときの噴火で放出されたマグマは東京ドーム10万杯分にもなった。
3)カルデラ噴火は日本を滅ぼす可能性がある
・カルデラ噴火がこの次にいつ起きるかについて定説はないが、ある火山研究者が2014年に発表した計算によると、100年以内に起きる可能性は1%だという。低いと言えば低い。
・しかし、1%というのは阪神・淡路大震災(1995年)が起きた前日に政府の地震調査委員会が発表していた地震の確率と同じである。可能性が低いといって安心できるレベルではないのかもしれない。
・この研究者は、もし将来、この種の巨大なカルデラ噴火が起きると、噴火そのものとそこから出る火山灰の影響で、最悪の場合、1億2000万人の死者が出ると試算している。つまり、日本人のほとんどが死に絶えてしまうということだ。
・この種の「次のカルデラ噴火」がいつ、どこに起きるかはわからないが、もし九州に起きると、九州はもちろん壊滅的な被害を生じるが、偏西風のために火山灰が運ばれて影響は日本全体に及ぶ。
・この1億2000万人の死者という試算は九州でカルデラ噴火が起きたとしたとき、つまり日本にとって最悪の想定である。
4)モーメントマグニチュードとは?
・東北地方太平洋沖地震なみの巨大地震がいままで世界各地で起きたあとも、例外なく近くの火山が噴火したことがわかっている。
・東北地方太平洋沖地震のモーメントマグニチュード(Mw)は9だった。モーメントマグニチュードとは、いままで日本で使われていた気象庁マグニチュードとは違うマグニチュードの指標だ。
・気象庁マグニチュードと違って巨大地震でも数値が飽和しない。つまり、巨大な地震の大きさを正確に計ることができる
・気象庁マグニチュードが地震計で記録した地震の揺れの最大震幅から決めるのと違って、モーメントマグニチュードは、地震の震源でどれほどの大きさの地震断層がどれくらいの量だけ滑ったかということから決めるものだ。
・気象庁マグニチュードはやで飽和してしまうため、どんなに大きな地震が起こってもそれ以上の数値にはならない。
・東北地方太平洋沖地震なみの大地震だったと考えられている宝永地震も近年まではマグニチュード8.3~8.4とされてきた。これは気象庁マグニチュードの最大限の値である。
・モーメントマグニチュードは、近代的な地震計が普及してからでないと数値を求めることができなかった。
・そのため、いままで世界で起きた巨大地震の中では7つだけしかMw9クラスの地震は知られていない。
5)富士山はいつ噴火しても不思議ではない
・この1707年の宝永噴火があって以後、富士山は噴火しておらず、現在まで約300年間という、富士山の噴火歴の中でも異例の休止の長さである。
・世界的に見ても、長い休止期間のあとの噴火の規模は大きかったことが多かったため、次の噴火を不安視する見方は強い。
・地球物理学的に言えば、富士山がこれからも永久に噴火しないことはあり得ない。
・1707年の宝永噴火以来活動を休止しているが、小さな地震は毎月数十回も観測されているし、地下のマグマ溜まりも健在である。
・そういう意味では、富士山はいつ、どのように噴火しても不思議ではない状態の火山なのである。
2019年8月17日に日本でレビュー済み
この本を読んでも、火山噴火の予測は難しい、長い目で見れば○○山もいずれ噴火するといった記述が多いので、不安になるようなことが増えるだけかもしれません。
しかし、火山による被害の大きさ、地震と並んで火山噴火の予測も難しいという現状を知ることは決して無駄ではないと思います。
また、日本国内に限っていえば、ここ100年の被害は、大きな噴火が無かったとはいえ、それ以前の千人、万人単位で被害者が出たことに比べて、減っているようです。
現状を悲観するばかりではなく、それを正視した上でより精度の高い予測、対策を目指していく研究者たちの地道な活動が今の社会を支えていること知るうえでこの本は、私のような門外漢にとってちょうど良い入門書でした。
しかし、火山による被害の大きさ、地震と並んで火山噴火の予測も難しいという現状を知ることは決して無駄ではないと思います。
また、日本国内に限っていえば、ここ100年の被害は、大きな噴火が無かったとはいえ、それ以前の千人、万人単位で被害者が出たことに比べて、減っているようです。
現状を悲観するばかりではなく、それを正視した上でより精度の高い予測、対策を目指していく研究者たちの地道な活動が今の社会を支えていること知るうえでこの本は、私のような門外漢にとってちょうど良い入門書でした。
2015年7月12日に日本でレビュー済み
火山についての基礎知識満載、非常に面白かった。 日本列島は4プレートがせめぎ合う場所。 M6超の大地震の22%が集中する世界有数の火山国+地震国。 噴火の火山灰による潜在的・将来年間損失は、112億ドルの堂々1位 (2位はインドネシアの59億ドル、 3位がフィリピンの5億ドル)。 活火山が110、 その内24時間監視火山が50、 噴火警戒レベル(1~5)が決められている30火山。 斯様な国に住む日本人として、火山への知識は必携だ。 本書はその火山に関する学問的知識から雑学的知識まで、丁寧に親切に分かり易く書かれる。 しかも著者・島村教授の各方面への批判、皮肉、私見が興味深い。
火山噴火の傾向としては、19世紀までは各100年に4~6回の大噴火が日本で起きていた。 例えば19世紀なら1822年&1853年の有珠山、 1856年の駒ケ岳、 1888年の磐梯山(19世紀最大の噴火、五色沼等が出来た)。 20世紀には1914年、「大正噴火」と呼ばれる桜島のVEI 5クラス大噴火。 島が陸続きになった。 それより桁違いに巨大な、「カルデラ噴火」が怖い。 日本で過去10万年間に12回起きている。 通常の大噴火の更に400倍以上の超弩級大噴火で、 9万年前の「阿蘇山カルデラ噴火」、火砕流は海上を流れ中国地方に達し、火山灰は北海道に届いた。 2万9千年~2万6千年前の「姶良カルデラ噴火」、 鹿児島湾を作る。 7千3百年前の「鬼界カルデラ噴火」、火山灰は関西が20cm、関東が10cmも積もった。 次のカルデラ噴火が、いつか、何処か、誰も全く分からない。 起きれば経済損失、社会崩壊どころではなく、日本人がいなくなる。
私がこの世で最も恐れているのは、世界的危機になるH5N1型強毒性新型インフルエンザのパンデミックと、 富士山大噴火、そして更に巨大化したカルデラ噴火だ。 新型フルの人への感染に遺伝子変化は、中国で起きて中国発で全世界に拡大することは自明だ。 一方で、現在の学問では火山噴火の余地は殆ど不可能だ。 有珠山のように一定な兆候を除き、火山毎に、その時々の状況も、全て違う。 噴火予知で肝心な、地下で何が起きるか分かっていない。 マグマの動き、噴火の状況が学問的に解明出来ていない。 経験的な予知に頼らざるを得ないから万事休すだ。 ハザードマップも、過去の噴火をベースに作ったなら意味がない。 一体全体何処の部分から噴火するか分からないからだ。 しかもハザードマップも地元の住人は見るが、観光客・登山客は知らない。
著者・島村教授の呟きが知識として面白い。 噴火予知や地震予知は気象庁が担当だが、天気予報のような方程式が解っていない。 予知は科学的に不可能だが、それでも地震予知連絡会、火山噴火予知連絡会が設置されている。 それらで全国の火山の状況は情報交換しても、いつどこでの「予知」は出せないだろう。 一旦始まった噴火がどう推移していくか予測は難しい。 いつ終息するか学問的に予測することも難しい。 とにかく将来の予測は全く不可能。 観測もしているが、結果がどうなれば噴火するという 「閾(しきい)値」 が解っていない。 山体膨張の測定に、火山の山腹に傾斜計を設置する。 感度は素晴らしいが、山腹は軟らかく火山噴出物で覆われ、膨張を見られるか疑問が残る由。 大噴火の歴史、火山の知識、富士山の大噴火の行方、地震学・火山学の現段階の予知能力のレベル、全てを教えてもらった。 私の結論としてこの世で恐ろしい事象は、H5N1型強毒性新型インフルエンザと、富士山の大噴火と、強烈な巨大カルデラ噴火だ。 明日かもしれない。
火山噴火の傾向としては、19世紀までは各100年に4~6回の大噴火が日本で起きていた。 例えば19世紀なら1822年&1853年の有珠山、 1856年の駒ケ岳、 1888年の磐梯山(19世紀最大の噴火、五色沼等が出来た)。 20世紀には1914年、「大正噴火」と呼ばれる桜島のVEI 5クラス大噴火。 島が陸続きになった。 それより桁違いに巨大な、「カルデラ噴火」が怖い。 日本で過去10万年間に12回起きている。 通常の大噴火の更に400倍以上の超弩級大噴火で、 9万年前の「阿蘇山カルデラ噴火」、火砕流は海上を流れ中国地方に達し、火山灰は北海道に届いた。 2万9千年~2万6千年前の「姶良カルデラ噴火」、 鹿児島湾を作る。 7千3百年前の「鬼界カルデラ噴火」、火山灰は関西が20cm、関東が10cmも積もった。 次のカルデラ噴火が、いつか、何処か、誰も全く分からない。 起きれば経済損失、社会崩壊どころではなく、日本人がいなくなる。
私がこの世で最も恐れているのは、世界的危機になるH5N1型強毒性新型インフルエンザのパンデミックと、 富士山大噴火、そして更に巨大化したカルデラ噴火だ。 新型フルの人への感染に遺伝子変化は、中国で起きて中国発で全世界に拡大することは自明だ。 一方で、現在の学問では火山噴火の余地は殆ど不可能だ。 有珠山のように一定な兆候を除き、火山毎に、その時々の状況も、全て違う。 噴火予知で肝心な、地下で何が起きるか分かっていない。 マグマの動き、噴火の状況が学問的に解明出来ていない。 経験的な予知に頼らざるを得ないから万事休すだ。 ハザードマップも、過去の噴火をベースに作ったなら意味がない。 一体全体何処の部分から噴火するか分からないからだ。 しかもハザードマップも地元の住人は見るが、観光客・登山客は知らない。
著者・島村教授の呟きが知識として面白い。 噴火予知や地震予知は気象庁が担当だが、天気予報のような方程式が解っていない。 予知は科学的に不可能だが、それでも地震予知連絡会、火山噴火予知連絡会が設置されている。 それらで全国の火山の状況は情報交換しても、いつどこでの「予知」は出せないだろう。 一旦始まった噴火がどう推移していくか予測は難しい。 いつ終息するか学問的に予測することも難しい。 とにかく将来の予測は全く不可能。 観測もしているが、結果がどうなれば噴火するという 「閾(しきい)値」 が解っていない。 山体膨張の測定に、火山の山腹に傾斜計を設置する。 感度は素晴らしいが、山腹は軟らかく火山噴出物で覆われ、膨張を見られるか疑問が残る由。 大噴火の歴史、火山の知識、富士山の大噴火の行方、地震学・火山学の現段階の予知能力のレベル、全てを教えてもらった。 私の結論としてこの世で恐ろしい事象は、H5N1型強毒性新型インフルエンザと、富士山の大噴火と、強烈な巨大カルデラ噴火だ。 明日かもしれない。
2015年8月2日に日本でレビュー済み
東日本大震災(というより関西大震災?)以降、日本列島は活動期に入ったようだ。列島の彼方此方が揺れ、いたるところで噴火している。
何時近くの山が噴火してもおかしくない時代、大震災がやってきても不思議ではない時代、私達はいったいどう準備したらよいのだろうか。次の大震災はいつ来るのか。何処が揺れるのか。富士山噴火は何時なのか。それらは予知できるのか。巨大噴火が起きたら日本人は助かるのか。
それらの答えは全て「ノー」
大噴火が起きたときの想定死者は1億二千万人。つまり、日本全滅ということ。昔、小松左京の「日本沈没」という小説があったが、極めて現実的な予測があるのだ。それでも、あの小説では有る程度の人たちが国外へ脱出する時間的ゆとりがあったが、現実はそうでもないらしい。
自身も噴火も今の科学水準では予知できない。しかし、てをこまねいてまっているわけには行かない。
わたしたちにできることは、観測・余地に繋がる分野に、リソースを割き、一刻も早く余地への道筋を付けるべく努力することなのだから。
何時近くの山が噴火してもおかしくない時代、大震災がやってきても不思議ではない時代、私達はいったいどう準備したらよいのだろうか。次の大震災はいつ来るのか。何処が揺れるのか。富士山噴火は何時なのか。それらは予知できるのか。巨大噴火が起きたら日本人は助かるのか。
それらの答えは全て「ノー」
大噴火が起きたときの想定死者は1億二千万人。つまり、日本全滅ということ。昔、小松左京の「日本沈没」という小説があったが、極めて現実的な予測があるのだ。それでも、あの小説では有る程度の人たちが国外へ脱出する時間的ゆとりがあったが、現実はそうでもないらしい。
自身も噴火も今の科学水準では予知できない。しかし、てをこまねいてまっているわけには行かない。
わたしたちにできることは、観測・余地に繋がる分野に、リソースを割き、一刻も早く余地への道筋を付けるべく努力することなのだから。
2015年6月26日に日本でレビュー済み
前半は早めに結論を記している。
世間一般に知られている内容をもとにしており、いささかつまらなく感じたが、後半は火山について偏執狂のようにくどく述べている。
地球規模の災害を千年万年単位で見れば、原発もどうすべきか答えが見えているが、現実はどうしようもないのが正直なところ。
著者が記しているように、過去の歴史を振り返れば現在は奇跡的に平和な世の中だったのが理解できる。
だから今後は火山が噴火する可能性が高いと言いたいが、冷静に考えれば今後も噴火しないかも知れないし、要は誰にもわからないのである。
もしも文明が終わるような災害が起きた場合、我々は何ができるのか、どうすべきなのか、果たして何もできなくて呆然とするのみなのか、色々考えさせられる書である。
世間一般に知られている内容をもとにしており、いささかつまらなく感じたが、後半は火山について偏執狂のようにくどく述べている。
地球規模の災害を千年万年単位で見れば、原発もどうすべきか答えが見えているが、現実はどうしようもないのが正直なところ。
著者が記しているように、過去の歴史を振り返れば現在は奇跡的に平和な世の中だったのが理解できる。
だから今後は火山が噴火する可能性が高いと言いたいが、冷静に考えれば今後も噴火しないかも知れないし、要は誰にもわからないのである。
もしも文明が終わるような災害が起きた場合、我々は何ができるのか、どうすべきなのか、果たして何もできなくて呆然とするのみなのか、色々考えさせられる書である。