前半のデーターだけで十分の内容でした。
世襲の是非やその対策は真新しいものはなく、きわめて凡庸でした。
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世襲格差社会 - 機会は不平等なのか (中公新書) 新書 – 2016/5/18
二極化する世襲は何をもたらすか? 機会は平等に存在しているのか? 日本の世襲と格差の関わりを論じ、その仕組みを明らかにする。
- 本の長さ211ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2016/5/18
- ISBN-104121023773
- ISBN-13978-4121023773
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2016/5/18)
- 発売日 : 2016/5/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 211ページ
- ISBN-10 : 4121023773
- ISBN-13 : 978-4121023773
- Amazon 売れ筋ランキング: - 749,559位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,677位中公新書
- - 70,022位ビジネス・経済 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月16日に日本でレビュー済み
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2016年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の『あとがき』によると、筆者の一人橘木氏は、日本が格差社会に入ったと主張する先陣を切った者として、いろいろな種類の格差を論じてきたが、その多くは結果の格差が話題の中心であったとし、もう一つの重要な格差である機会の格差について、親ないし親族から格別の遺産、資産、職業を受け継ぐ人と、何も受け継がない人の間には機会の平等、不平等の問題が発生するのではないかということを関心の出発点として、今回は世襲に特化して考えてみたとしている。
実際、医者、政治家、歌舞伎を典型とした芸能人等、親がそうした職業に就いているがゆえに、色々な意味合いで子が世襲しやすい環境が整っており、子の才能や適性の有り無しにかかわらず世襲できてしまう職業があること、そういった意味合いでの機会の不平等が世の中に現に存在することは、改めて言われなくても、誰もが日頃から感じていることだと思う。
本書で筆者は、そんな世襲にまつわる様々な論点、具体的には、日本が親から職業を世襲した人々の収入のほうが高くなってきている要因は何か、世襲の経済的メリットがどこからきているのか、世襲されにくい職業・世襲されやすい職業とその理由及びそこから派生する問題点、所得が高いから世襲するのか世襲するから所得が高くなるのか、世襲の功罪、機会の平等化政策の在り方などについて、データ分析を多用して、極めて学術的・客観的に分析・考察してくれている。
『あとがき』によると、世襲に関する研究は始まったばかりで、人の一生を決めるのは、遺伝か、環境か、教育か、努力かという大きな論点はまだ解決しておらず、今後の課題なのだそうだが、本書を読んでみると、私たち一般人が感覚的に捉えていた世襲格差について、世襲格差を学問として突き詰めて研究して、初めて見えてくるものが多々あることがよく分かった。
実際、医者、政治家、歌舞伎を典型とした芸能人等、親がそうした職業に就いているがゆえに、色々な意味合いで子が世襲しやすい環境が整っており、子の才能や適性の有り無しにかかわらず世襲できてしまう職業があること、そういった意味合いでの機会の不平等が世の中に現に存在することは、改めて言われなくても、誰もが日頃から感じていることだと思う。
本書で筆者は、そんな世襲にまつわる様々な論点、具体的には、日本が親から職業を世襲した人々の収入のほうが高くなってきている要因は何か、世襲の経済的メリットがどこからきているのか、世襲されにくい職業・世襲されやすい職業とその理由及びそこから派生する問題点、所得が高いから世襲するのか世襲するから所得が高くなるのか、世襲の功罪、機会の平等化政策の在り方などについて、データ分析を多用して、極めて学術的・客観的に分析・考察してくれている。
『あとがき』によると、世襲に関する研究は始まったばかりで、人の一生を決めるのは、遺伝か、環境か、教育か、努力かという大きな論点はまだ解決しておらず、今後の課題なのだそうだが、本書を読んでみると、私たち一般人が感覚的に捉えていた世襲格差について、世襲格差を学問として突き詰めて研究して、初めて見えてくるものが多々あることがよく分かった。
2016年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
みなが薄々知っていることを、データをもって裏付けていく。
読んだ後、むなしさだけが残りました
読んだ後、むなしさだけが残りました
2016年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題から推定される内容通りではありましたが、それ以上ではありませんでした。期待していただけに少しがっかりしています。
2016年7月3日に日本でレビュー済み
日本における格差社会の進展に最も早くから警鐘を鳴らした経済学者である橘木氏とその京都大学時代の弟子である参鍋氏とによる、格差各論である。橘木氏は、日本における経済格差の進展が、所得や資産だけでははなく、教育格差、学歴格差、地域格差、女女格差、夫婦格差、老老格差など社会の多くの局面で進んでいることを明らかにしてきた。これらの格差の多くは「結果の格差」である。一方、本書が取り扱っているのは、人が人生のスタート時に負っている機会の不平等、つまり「機会の格差」である。本書は、格差論で比較的蓄積が少ない「機会の格差」が一部の職業において「世襲化」として拡大していることを各種データを駆使して解明したものである。
「世襲」が一般的(むしろ義務)だったのは江戸時代である。明治以降、資本主義の進展で農業から商業や製造業などに労働者が移動するとともに、「世襲化」が綻び始めた。本書が取り扱っているのは戦後であるが、引き続き農業人口が激減するとともに、都市部への人口移動が続いた。その後、高度成長の終焉にともない、職業間の人々の流動が停滞し始め、世襲化を伴う格差社会が始まった。この状況を端的に映し出しているのが、世代間の所得格差の伝わり易さを示す「グレート・ギャッピー・カーブ」(p.5)である。この図によれば、日本の現世代の所得格差は先進諸国中の平均よりは高く、次世代への伝わり易さも同程度である。つまり日本は「世襲化社会」つまり「身分社会」の入口に、再度立っていると言える。この場合、世襲化といっても「高収入職業の積極的世襲化」(医師・経営者など)と「低収入の伝統的職業の非積極的世襲化」(農業・商業など)に二極化されていることが示される。
具体的な世襲化の各論として、農業・商業における後継者難の問題、医師における高度の世襲化が分析される。医師に代表されるような職業威信と収入が共に高い職業は、「儲かるので継ぐ」職業の代表であることがデータで証明される。また政治家と伝統芸能という対照的な職業を例にして、世襲の功罪が分析される。
著者は、「機会の平等」の前提は「公平な参入機会」と「非差別の原則」にあるとする(終章)。日本では明らかにこの前提が破られつつあることを証明しているのは、子供の貧困化率の増大である。本書を読み、貧困家庭への養育費の支援や給付型奨学金の充実など、「機会の平等」を確保するための抜本的な施策を打つべき時期であると痛感した。
「世襲」が一般的(むしろ義務)だったのは江戸時代である。明治以降、資本主義の進展で農業から商業や製造業などに労働者が移動するとともに、「世襲化」が綻び始めた。本書が取り扱っているのは戦後であるが、引き続き農業人口が激減するとともに、都市部への人口移動が続いた。その後、高度成長の終焉にともない、職業間の人々の流動が停滞し始め、世襲化を伴う格差社会が始まった。この状況を端的に映し出しているのが、世代間の所得格差の伝わり易さを示す「グレート・ギャッピー・カーブ」(p.5)である。この図によれば、日本の現世代の所得格差は先進諸国中の平均よりは高く、次世代への伝わり易さも同程度である。つまり日本は「世襲化社会」つまり「身分社会」の入口に、再度立っていると言える。この場合、世襲化といっても「高収入職業の積極的世襲化」(医師・経営者など)と「低収入の伝統的職業の非積極的世襲化」(農業・商業など)に二極化されていることが示される。
具体的な世襲化の各論として、農業・商業における後継者難の問題、医師における高度の世襲化が分析される。医師に代表されるような職業威信と収入が共に高い職業は、「儲かるので継ぐ」職業の代表であることがデータで証明される。また政治家と伝統芸能という対照的な職業を例にして、世襲の功罪が分析される。
著者は、「機会の平等」の前提は「公平な参入機会」と「非差別の原則」にあるとする(終章)。日本では明らかにこの前提が破られつつあることを証明しているのは、子供の貧困化率の増大である。本書を読み、貧困家庭への養育費の支援や給付型奨学金の充実など、「機会の平等」を確保するための抜本的な施策を打つべき時期であると痛感した。
2016年9月27日に日本でレビュー済み
北欧は世代格差が次の世代につたわりにくい社会であり、欧米や日本は格差が世代間で受け継がれやすい社会だ。
本書で分析してもらいたかったのは欧米・日本のなかでの米国やドイツの特異性だ。
米国の元気のいい新興企業で世襲を指向する創業者はほとんどいない。
日本の創業者は徳川時代の思考パターン(俺様の企業は当然、息子が継ぐべきだ)の人が圧倒的に多い。
いずれにせよ、世襲格差問題をデータで分析した本はあまりないと思うので、関心のある人にとって本書は貴重だ。
本書で分析してもらいたかったのは欧米・日本のなかでの米国やドイツの特異性だ。
米国の元気のいい新興企業で世襲を指向する創業者はほとんどいない。
日本の創業者は徳川時代の思考パターン(俺様の企業は当然、息子が継ぐべきだ)の人が圧倒的に多い。
いずれにせよ、世襲格差問題をデータで分析した本はあまりないと思うので、関心のある人にとって本書は貴重だ。