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チンギス・カン: “蒼き狼”の実像 (中公新書 1828) 新書 – 2006/1/1
白石 典之
(著)
一二〇六年、モンゴル高原の諸部族はチンギス・カンのもとに統一された。強力な騎馬団と豊富な鉄製武器を誇る「大モンゴル国」は、西夏や金、ホラズムなどの強国を攻略し、ユーラシアの東西にまたがる巨大国家へと成長した。だが、偉大な足跡を残したチンギス・カンも、その生涯には謎が多い。近年の発掘調査で得られた成果から何が見えてきたのか。モンゴルの大地を駆けめぐる考古学者が、世界帝国建設者の実像に迫る。
- 本の長さ236ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2006/1/1
- ISBN-104121018281
- ISBN-13978-4121018281
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2006/1/1)
- 発売日 : 2006/1/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 236ページ
- ISBN-10 : 4121018281
- ISBN-13 : 978-4121018281
- Amazon 売れ筋ランキング: - 491,139位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 219位その他のアジア史の本
- - 2,039位中公新書
- - 84,169位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
白井先生の学者ならではの地道な研究~歴史・地理トレースが、いにしえへのロマンを掻き立てます。
2023年8月27日に日本でレビュー済み
本書は、考古学的アプローチでチンギス・カンを研究する考古学者による、チンギス・カンの実像を描く本である。
チンギスの一生と当時の生活などがまとめられているが、チンギス誕生以前の状況とチンギス死後にそこそこの紙面(後者は本書の3分の1ほど)を使っている。
しかしやはり考古学の発掘の様子やその成果が非常に詳しく出ているのが、本書の大きな特徴だろう。
考古学の成果から、製鉄工場を自身の拠点アウラガの宮廷内に設け、鉄を重視していたこと、自身の宮殿は非常に小さく質素な生活をしていたこと、などが明らかにされている。
また、宮殿の改造などの考古学資料から、史料には残っていないものの、二代目ウゲデイによる尺制改革の存在も指摘している。
チンギス以来の拠点アウラガの森林が一旦15~6世紀の消滅し、また復活していることから、著者は製鉄工場のための森林伐採が進み、森林がなくなったためにこの地を放棄せざるを得なかった(人がいなくなった結果、森は復活した)のではないか、と論じている。
チンギスの亡霊が第二次大戦の頃にまで出てくるのは面白い。
第二次大戦時、独立を果たせなかった内モンゴルに日本軍は着目し、蒙古連盟自治政府として独立させようとした(チンギスの末裔を担ぎ出した)。これに対し、中国共産党はチンギスを祀る施設を建てて対抗し、日本軍もチンギス霊廟を作ったという。
伝説はともあれ、わりと質素で才覚はあるが普通の遊牧民だったチンギスの姿や、その前後のモンゴルの実像が考古学から明らかになっていくのは面白い。
これまでのモンゴル本とはやや光の当て方が違う好著だと思う。
チンギスの一生と当時の生活などがまとめられているが、チンギス誕生以前の状況とチンギス死後にそこそこの紙面(後者は本書の3分の1ほど)を使っている。
しかしやはり考古学の発掘の様子やその成果が非常に詳しく出ているのが、本書の大きな特徴だろう。
考古学の成果から、製鉄工場を自身の拠点アウラガの宮廷内に設け、鉄を重視していたこと、自身の宮殿は非常に小さく質素な生活をしていたこと、などが明らかにされている。
また、宮殿の改造などの考古学資料から、史料には残っていないものの、二代目ウゲデイによる尺制改革の存在も指摘している。
チンギス以来の拠点アウラガの森林が一旦15~6世紀の消滅し、また復活していることから、著者は製鉄工場のための森林伐採が進み、森林がなくなったためにこの地を放棄せざるを得なかった(人がいなくなった結果、森は復活した)のではないか、と論じている。
チンギスの亡霊が第二次大戦の頃にまで出てくるのは面白い。
第二次大戦時、独立を果たせなかった内モンゴルに日本軍は着目し、蒙古連盟自治政府として独立させようとした(チンギスの末裔を担ぎ出した)。これに対し、中国共産党はチンギスを祀る施設を建てて対抗し、日本軍もチンギス霊廟を作ったという。
伝説はともあれ、わりと質素で才覚はあるが普通の遊牧民だったチンギスの姿や、その前後のモンゴルの実像が考古学から明らかになっていくのは面白い。
これまでのモンゴル本とはやや光の当て方が違う好著だと思う。
2006年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書を読んでいるうち、夏は涼しい所、冬は暖かい所へ移動する遊牧民の生活が、どこか一ヶ所に定住する生活よりも合理的に思えてきたのである。そして、その遊牧民の中から出てきたチンギス・カンは、定住指向を持つ日本人がイメージする国家統一者とかなり違った価値観を有しているのではないかとも思えてきたのである。ただし、まだまだ謎の部分が多いので、彼に対するイメージが明確なったわけではない。
本書のあとがきの日付は2006年早春となっている。チンギス・カン研究におけるほぼ最新の情報を得ることが出来るので、入門書としても最適と思う。
本書のあとがきの日付は2006年早春となっている。チンギス・カン研究におけるほぼ最新の情報を得ることが出来るので、入門書としても最適と思う。
2006年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年は帝国創立800周年とともにモンゴルは内外にチンギス・カンを大きくアピール。ウランバートル国際空港にチンギスの名を冠し、チンギス像を正面に安置した中央政府庁舎の改装はその象徴と言えます。1990年の民主化とともに現地調査を許され、文献史学に加えて、考古学の側面からチンギス研究を推進して“世界”の第一人者たる新潟大学・白石博士。今日までの研究成果のハイライトといえるチンギスの霊廟・アウラガ遺跡(ヘンティ県)の解析を軸に、純粋なハングリー精神と「質実剛健」な人物像、後宮組織及び弟と子供への領域の分封、遊牧民としての季節毎の宿営地移動を描き、また鉄資源獲得と「製鉄コンビナート」による武器供給体制、食糧生産と併せて築いたチンカイ兵站基地から、ビジョンと実務に長けた側面を投影します。シャーマンによる神のお告げで王となった経緯、58歳の時、将来を憂い1万4000キロの旅を要した全真教(道教の一派)の長春真人を呼び寄せて「不老長寿の秘薬」を求めたエピソードも。また霊廟は16世紀初頭に現在の中国・内モンゴル・オルドス地区に移転(今日、そのエジン・ホローにある1956年建立の「チンギスカン陵」に相続)。以降、霊廟をその象徴とするモンゴル人のチンギス崇拝は時の政治に翻弄され、モンゴル人を自陣に繋ぎとめる目的で清朝皇帝から始まり、現代中国では抗日意識も相まって毛沢東ならびに蒋介石に厚く保護される過程に。翻って共産主義下のモンゴル国内ではチンギスは批判のターゲットとなり、チンギス研究者は粛清の運命に。このような紆余曲折を経た800周年であることを実感します。著者が最後に言及する、アウラガとその周辺を文化遺産として保護、「チンギス・カン研究センター」をつくる意見には大賛成です。
2006年2月4日に日本でレビュー済み
本書は、チンギス・カンの事跡や13世紀頃のモンゴル政権の発展の様子などをコンパクトに手際良く説き明かすものです。「今さらチンギス」などと思うことなかれ。著者の専門は考古学というだけあって、最近の発掘調査の成果がふんだんに取り入れられています。文献と物証という双方向からのアプローチにより、実証性と立体性の確保が図られています。
内容面では、
(1) モンゴル軍の強さを鉄資源との関係で分析していること、
(2) 各王子の分封を交通路との関係で整理し、西方遠征等への布石として説明していること、
(3) チンギス霊廟の政治的ポテンシャルについて言及していること
などを新鮮に感じました。
世界史上最大の謎の一つとされるチンギス墓所の所在についても筆者は大胆な見解を提示しており、モンゴル・ファンにとっては大いに興味を惹かれるところと思います。
内容面では、
(1) モンゴル軍の強さを鉄資源との関係で分析していること、
(2) 各王子の分封を交通路との関係で整理し、西方遠征等への布石として説明していること、
(3) チンギス霊廟の政治的ポテンシャルについて言及していること
などを新鮮に感じました。
世界史上最大の謎の一つとされるチンギス墓所の所在についても筆者は大胆な見解を提示しており、モンゴル・ファンにとっては大いに興味を惹かれるところと思います。
2006年9月6日に日本でレビュー済み
この本が、モンゴル関係の新書・文庫と比べて大きく違うのは、考古学成果からの考察に重心を置き、「史料」は必ずしも信頼しないというスタンスが貫かれていることである。
特に、モンゴルの資源確保・武器製造がどのようになされていたのかを、遺跡の調査結果をもとに考察した部分は面白い。
イメージが先行しがちなモンゴル帝国の姿が地に足のついたものになる、モンゴル好きの人には必読の書である。
特に、モンゴルの資源確保・武器製造がどのようになされていたのかを、遺跡の調査結果をもとに考察した部分は面白い。
イメージが先行しがちなモンゴル帝国の姿が地に足のついたものになる、モンゴル好きの人には必読の書である。