地学の初心者でもわかりやすく、海底の成り立ちや大陸移動説の変遷を読み進むことができ、とてもよい本です。
専門用語もありますが、都度説明を設けてくださり、親切な教科書として大切に読んでいます。
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新しい地球観 (岩波新書 青版 779) 新書 – 1971/3/20
上田 誠也
(著)
- 本の長さ197ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1971/3/20
- ISBN-104004160162
- ISBN-13978-4004160168
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1971/3/20)
- 発売日 : 1971/3/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 197ページ
- ISBN-10 : 4004160162
- ISBN-13 : 978-4004160168
- Amazon 売れ筋ランキング: - 196,872位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年1月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
名著です。理系、文系を問わず日本人なら一生の間に必ず読むべき本です。
2016年10月30日に日本でレビュー済み
本書は、プレートテクトニクス、大陸移動説をきちんと紹介した、岩波新書を代表する1冊。
発刊はずいぶん前のことになるが、今読んでも、画期的な説が形になっていく様が、
スリリングに適確に語られているので、読書は楽しい時間となる。
著者が扱うのは、地球科学。そのなかでも、個体地球科学で、
「ここ数年来、どの科学分野でも、きわめてまれにしか起こらない
革命的変化が起きている」と冒頭に書く。
他の科学では、実験が検証と立証の母体で、そこでは繰り返し同じ結果が得られるということが重要になる。
しかし個体地球科学が扱う地球の現象には、繰り返しがない。常に一回限りの現象が日々刻々と連続している。
ということは、問題は不断に持ち越され、更新されていく。では研究は後追いで、不毛なのかというと、そうではない。
「こちらが100歩進んで、解決が150歩遠のくように見えても、その時には問題自体が深化されているのであって、
それも進歩と言えるだろう」と著者はいう。
そして「滅多に起こらない革命的な学説の変化」とは、地殻の「永久不変説」から「移動説」への変換。
最初の発見は、地層に残された化石の分析からで、同じ種類の生物の化石が遠く離れた地域の地層から出る。
これをかつては「各大陸間を橋が結んでいて、生物はそれで行き来をしていたという陸橋説が定説」で、
説明がなされていたが、問題の巨大な大陸間橋は、見つかっていなかった。
これに対して、ドイツ人の気候学者ウェゲナーが、
「かつて大陸はまとまっていて、それが時と共に離れていった」とする大陸水平移動説を提唱。
これによると、それまで謎とされていた「南極大陸氷河の分布」が明解に説明できた。
氷河は、南極大陸の他に、アフリカ大陸南部、インド南端にも確認され、それらの地域は現在赤道近くにある。
では、どうやって巨大な大陸がそれほどの距離を、地球の表面上で動いたのか。
その動力の元は何だったのかが、明かされなくてはならない。
それと陸の問題は、海の問題でもあるので、
海底の科学も進んでいかなくては、大陸移動の統一理論は形成されない。
海は広大であり、深さもあり、水の抵抗もあって、研究開発の困難さが進歩を妨げてきた。
それも克服され、いくつもの新事実が発表されるようになった。
そのひとつに、「海底の最も深い部分の謎」があった。
通常考えられるように、海洋の最も深い部分は、大洋の中央部分にはなく、大陸と隣接した部分にある。
陸の高さ(海抜)や海の深さは、重力との関連がある。
陸の高さを支えるためには、相応の浮力となる軽い物質がその下にあり、
海溝の深い部分には沈み込みを実現する重い物質がなければならない(アイソスタシー理論)。
しかし海溝の重力を計測したところ、予測を遙かに下回り、異常に小さかった。
だとすると、他の何らかの下向きの働きを考えなくてはならない。
それがなかったならば、海溝は時と共に浮上し、その深度を維持できない。
さらに海底の地磁気を測定したところ、それらは縞模様を形成し、ズレが生まれていた。
そのズレを合わせるためには、海底を数百キロ、あるいは千キロメートルも移動させる必要がある。
大陸だけではなく、海底でも、長大な距離の移動という現実が見えてきた。
では、どうやって? なぜ、長く絶対不動とされていた重く固く巨大な地球の地殻が
それほどの長い距離を移動してきたのか。
ここまでが第2章で、第3章は「海洋底拡大説、ひとつの統合」、
第4章「弧状列島」、第5章「新しい地球観」となる。
発刊はずいぶん前のことになるが、今読んでも、画期的な説が形になっていく様が、
スリリングに適確に語られているので、読書は楽しい時間となる。
著者が扱うのは、地球科学。そのなかでも、個体地球科学で、
「ここ数年来、どの科学分野でも、きわめてまれにしか起こらない
革命的変化が起きている」と冒頭に書く。
他の科学では、実験が検証と立証の母体で、そこでは繰り返し同じ結果が得られるということが重要になる。
しかし個体地球科学が扱う地球の現象には、繰り返しがない。常に一回限りの現象が日々刻々と連続している。
ということは、問題は不断に持ち越され、更新されていく。では研究は後追いで、不毛なのかというと、そうではない。
「こちらが100歩進んで、解決が150歩遠のくように見えても、その時には問題自体が深化されているのであって、
それも進歩と言えるだろう」と著者はいう。
そして「滅多に起こらない革命的な学説の変化」とは、地殻の「永久不変説」から「移動説」への変換。
最初の発見は、地層に残された化石の分析からで、同じ種類の生物の化石が遠く離れた地域の地層から出る。
これをかつては「各大陸間を橋が結んでいて、生物はそれで行き来をしていたという陸橋説が定説」で、
説明がなされていたが、問題の巨大な大陸間橋は、見つかっていなかった。
これに対して、ドイツ人の気候学者ウェゲナーが、
「かつて大陸はまとまっていて、それが時と共に離れていった」とする大陸水平移動説を提唱。
これによると、それまで謎とされていた「南極大陸氷河の分布」が明解に説明できた。
氷河は、南極大陸の他に、アフリカ大陸南部、インド南端にも確認され、それらの地域は現在赤道近くにある。
では、どうやって巨大な大陸がそれほどの距離を、地球の表面上で動いたのか。
その動力の元は何だったのかが、明かされなくてはならない。
それと陸の問題は、海の問題でもあるので、
海底の科学も進んでいかなくては、大陸移動の統一理論は形成されない。
海は広大であり、深さもあり、水の抵抗もあって、研究開発の困難さが進歩を妨げてきた。
それも克服され、いくつもの新事実が発表されるようになった。
そのひとつに、「海底の最も深い部分の謎」があった。
通常考えられるように、海洋の最も深い部分は、大洋の中央部分にはなく、大陸と隣接した部分にある。
陸の高さ(海抜)や海の深さは、重力との関連がある。
陸の高さを支えるためには、相応の浮力となる軽い物質がその下にあり、
海溝の深い部分には沈み込みを実現する重い物質がなければならない(アイソスタシー理論)。
しかし海溝の重力を計測したところ、予測を遙かに下回り、異常に小さかった。
だとすると、他の何らかの下向きの働きを考えなくてはならない。
それがなかったならば、海溝は時と共に浮上し、その深度を維持できない。
さらに海底の地磁気を測定したところ、それらは縞模様を形成し、ズレが生まれていた。
そのズレを合わせるためには、海底を数百キロ、あるいは千キロメートルも移動させる必要がある。
大陸だけではなく、海底でも、長大な距離の移動という現実が見えてきた。
では、どうやって? なぜ、長く絶対不動とされていた重く固く巨大な地球の地殻が
それほどの長い距離を移動してきたのか。
ここまでが第2章で、第3章は「海洋底拡大説、ひとつの統合」、
第4章「弧状列島」、第5章「新しい地球観」となる。
2011年1月3日に日本でレビュー済み
昔々、1970年に大学に入学した時のなんか理科系の授業のテストの代わりにこの本を読んだ感想文だったように記憶している。文科系の人間なんでまあそこそこの知識を授けておこうという簡単なものだろうと思って気軽に読んだら、気軽に読めたけれど書かれている内容は実に面白かった。それまでの常識が覆ったと書きたいところだが、全然それまで地学に関する知識なんかなかったので、初めて地球の動きを知って実に興味深かったのを覚えている。それと上手に分かり易く書かれてあったのだろう。最後まであっという間に読んだから。そうこうしている内に、小松左京が「日本沈没」を書いて、さすがにプロだなあと思った。新しい理論で未来を予測するって楽しい?(小説自体はそれほどハッピーではなかったですが)だろうなあと思った思い出があります。この理論は今でも生きているのですかね?この後「新・新しい地球観」というのが出ていないでしょうか??