いのちを味わう~これからの食をみすえて~
馬路 泰藏, 馬路 明子 著
内容
目次
はじめに Ⅰ 豚―肉を食べるだけの家畜 1 冬に向かう前のお祭り 伝統的な豚の食べ方を知るためにブルガリアへ 豚の解体作業に携わった方々 豚を屠る 豚の毛を除く 解体作業がはじまる 腸を処理する 解体作業が続く カルバビッツァ(ソーセージ)を作る 皮下脂肪のついた皮を処理する 部位別の利用法 ルカンカ(ソーセージ)を作る 豚を食べ物にすることは生活暦に組み込まれたお祭り 【コラム】家畜の命の絶ち方 2 東バルカン豚を味わう 東バルカン豚を放牧する森 東バルカン豚の扱い方を見る 東バルカン豚を解体する ブルガリアでの東バルカン豚の扱い 東バルカン豚のおいしさに驚く 【コラム】肉を食べることを考える 3 世界の豚肉・ヨーロッパの豚肉 世界の豚肉の生産と供給 ヨーロッパの豚肉 【コラム】FAO統計(FAOSTAT) 4 豚へのまなざし 1 肉用家畜がいなかった日本 狩猟、漁労、採集の縄文時代 水田稲作が始まった弥生時代 古墳時代に持ち込まれたブタは定着しなかった コメだけでなく肉もあった豊穣を祈る祭りの供物 肉食禁止令で肉を食べなくなったか? 江戸期の生活技術を持つ白川郷のあねさまと出会う 正月前にみそ玉を握る白川郷の生活暦 火薬の原料焔硝を売り、コメを買う いつからみそ玉味噌は作られていたのだろう 食べる目的で家畜を殺すことはなかった 2 「豚」:欧米人には口にするのもはばかられる言葉 「pigという言葉を使ってはいけません」 「『豚飼い?』そんな言葉を使いましたか?」 ヨーロッパでブタが人の排泄物を処理する 「あれ? 豚ではなく、いのししなの?」『聖書』(新共同訳)の記述 『聖書』(新共同訳)では「豚」が「いのしし」になったのはなぜ? 5 聖書にみる豚 豚肉食タブーのルーツ「レビ記11章」 食べてよい動物と食べてはいけない動物 古代イスラエルの歴史 レビ記はバビロン捕囚後、前6~前5世紀に書かれた 焼き尽くすいけにえと種を入れない小麦のパン(1章、2章) 煙は神へ、肉は奉納者が食べる(3~7章) 規定に反する祭儀は神の怒りを招く(10章) 聖なる者になるには汚れた物を食べてはいけない(11章) なぜ豚は汚れているのだろうか ブルガリア料理 いけにえ羊のスープ 神への献げ物は血生臭い アルバナシ村の教会では女性は祭壇には近づけない 「肉を食べる」とはいのちを感謝していただくこと 国を滅ぼされた民がそのアイデンティティーを守る姿 Ⅱ 先進工業国フランスの食 6 車窓から見た農業大国フランス フランスの畑作の風景 フランスの農産物生産量 車窓から見た牛の放牧 100%を超えるフランスの食料自給率 【コラム】フランスの牛肉 7 フランスでみた現代農業の方向性 1 ワインの国フランス 生産量からみたフランスワイン ワインからみたヨーロッパ ブルゴーニュのワイナリーをみて 【コラム】激減したフランスのワイン供給量 2 チーズの国フランス フランスのチーズ売り場 フランスのチーズの食べ方 羊乳のチーズ農家を訪れる 羊の飼育方法 搾乳からチーズまで チーズを味わう チーズ作りで目指すもの 羊乳のこれからは? 3 フランスで感じた農業の姿 【コラム】世界のミルクとチーズ Ⅲ 日本の食のこれから 8 肉を食べるようになった日本人 肉種別供給量の推移 摂取量からみた日本の肉 国内資源だけで生産できる日本の肉はわずか 環境負荷の大きい日本の肉 肉の必要性が高い高齢社会・日本 【コラム】世界の肉 9 日本の食を支えるコメ 日本の穀物生産 供給量からみた日本のコメ・フランスのコメ 水田の稲作と畑の麦作 日本人の栄養を支えてきたコメ ブランド化が進む日本のコメ 生き物をつなぐ水田 おわりに 参考書等
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