内容説明
中山間地の多い信州農業はTPPの中でいかに存続を図るべきか!
目次
国民を欺くTPP過小評価と長野県への影響
果樹への影響と国・地域・生産者の対策
座談会 新たな“攻め”の積み重ねで果樹王国の再興を
子牛と輸入飼料が高騰する肉牛経営の課題
平等原則に縛られずに有効な担い手育成策を
小規模農家と直売所は地域循環の主役
制度と親の背中―TPPと家族農業
若手後継者だからこそできる試み
新規就農の増加に不可欠な地域一体の支援
持続可能性と「TPPではない未来」
若者・単身者の輸入農産物への依存とTPP
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
35
豚肉の関税構造が恐ろしいことになっている。現行とTPPでは、直角三角形の関税がごっそりなくなっているので(21頁図1)。鈴木教授が懸念されるのは、極端な過小評価となっている国の試算方法。国は合理性に欠ける計算方法の活用を県に指示すべきではない(30頁)という。果樹でリンゴよりもブドウの生産者の方が元気はいいという(47頁)。集落営農で補助金をもらえばムダが省けるという安直な考え方。個人的投資は不要になるが、自作時よりも手取り金額は減る現実をわかっているのか、と疑義を呈する(84頁)。2016/06/29