内容説明
生態環境に寄り添って暮らしてきたブータン牧畜民。しかし、「環境にやさしい」政策がそのエコな暮らしを脅かすという矛盾を生んでいる。環境とやさしさはどうしたら共存できるのか―。
目次
「環境にやさしい我々」という自画像をめぐって
第1部 森林政策における「環境主義」の起源(開発導入期の森林開発(1950年代~)
ディープエコロジーの思想潮流と仏教の接合(1987年~)
「伝統維持=環境保護」イデオロギーの形成(1990年~)
グローバルな価値のなかで生きる(1992年~)
環境保護を制度化する(1995年~))
第2部 自然環境保護とはなにか―国立公園における環境政策と牧畜民(ブータンの国立公園;「森林」定義の変遷;畜牛保有と家畜飼育形態;自然環境保護への「脅威」としての森林放牧;森林放牧と牛の屠殺をめぐる文化の政治)
著者等紹介
宮本万里[ミヤモトマリ]
1977年、札幌生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科一貫制博士課程修了。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員(PD)、京都大学東南アジア研究所研究員を経て、現在、北海道大学スラブ研究センター学術研究員。2008年度日本南アジア学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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