内容説明
解雇特区の創設、有期労働契約の規制緩和、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入、ジョブ型正社員の制度化、派遣労働の恒久化…「世界で企業が一番活躍しやすい国にする」ことをめざす安倍政権が強行する規制緩和は、働く人びとに何をもたらすのか?「規制改革関連資料」収録。
目次
第1部 雇用・労働における規制緩和政策と政策形成会議の全体像(全面的な規制緩和攻勢と労働法の危機;第二次安倍内閣がめざす労働の規制緩和)
第2部 規制緩和政策の諸相(質の悪い雇用を生み出すアベノミクスの雇用改革;産業競争力会議ペーパー批判;限定正社員の法的位置づけ―格差是正法理と解雇制限法理のなかで ほか)
第3部 規制改革政策の決定過程と関係資料(安倍労働規制改革―政策決定過程の記録;規制改革関連資料)
著者等紹介
西谷敏[ニシタニサトシ]
大阪市立大学名誉教授
五十嵐仁[イガラシジン]
法政大学大原社会問題研究所教授
和田肇[ワダハジメ]
名古屋大学教授
田端博邦[タバタヒロクニ]
東京大学名誉教授
野田進[ノダススム]
九州大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
13
安倍政権の目指す労働規制緩和に関して、批判的に検討された本です。労働者保護のためにある労働法が、規制緩和によって大きく変質するだけではなく、その進め方の強引さも指摘されています。全体的には、労働法学者の共著ですが、五十嵐仁先生が政治学の視点から分析され、様ざまな政府の会議を分析しているのが勉強になりました。また、全体を通して「ジョブ型正社員」=限定正社員について、その欺瞞性をついており、結局は大企業の雇いやすさを追求しているだけだということがわかりました。2014/06/03
田中峰和
1
「世界で企業が一番活躍しやすい国にする」ことをめざす安倍政権が強行する規制緩和は、働く人びとに何をもたらすのか?解雇特区の創設、有期労働契約の規制緩和、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入、ジョブ型正社員の制度化、派遣労働の恒久化等々。次々と打ち出されている規制緩和要求はいずれも「競争力強化」や「経済成長」に最大の価値を置き、新自由主義的な「哲学」にもとづいて打ち出されているため、その要求には際限がなく、労働法がどこまで掘り崩されていくのか見通せない。なぜこんな政権を選ぶのか我々国民の将来が不安。2014/05/14