目次
黒船襲来―開港の意義
維新の税制改革―中央集権国家の形成
明治一四年政変―民権と国権
足尾鉱毒事件―産業化の光と陰(1)
別子暴動事件―産業化の光と陰(2)
大正政変―大正のデモクラシー
米騒動―現代社会への転換
昭和恐慌―古典的資本主義経済の終焉
二・二六事件―戦争への岐路
敗戦―民主化と非軍事化
ドッジ・ライン―安定と成長の枠組み
保守合同と五五年体制―高成長の開始
新日本製鐵の成立―大企業体制の確立
ドル・ショックと石油危機―安定成長への転換と日本的経営の優位
財政再建と民営化―大きな政府批判
プラザ合意とバブル経済―狂った歯車
不良債権と金融危機―不安な時代
著者等紹介
武田晴人[タケダハルヒト]
東京大学大学院経済学研究科教授。1949年生まれ。1979年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東京大学社会科学研究所助手、東京大学経済学部助教授を経て91年同教授。88年経済学博士(東京大学)。専攻は日本経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
25
黒船来航から2000年前後の不良債権問題までの17の出来事を経済史的な面から解説した一冊。丁寧かつ分かりやすい解説のため読みやすく、曖昧だったところも納得できるように説明しているので読んでいて楽しかった。特に戦前の経済、財政政策の解説は自分の認識を整理できたのでとても有益だった。産業について見ても別子暴動事件を取り上げることでどのように労使関係が見直されていったのかを読めて今後企業や業界史研究を読む助けになった。「もはや戦後ではない」は戦後復興による経済成長期ではないという意味だったのは知らなかった。2022/12/07
Hitoshi Sasaki
0
長いこと哲学に触れてきた私には、「哲学には議論が付き物」っていう認識があります(古代ギリシャ哲学において議論や対話はディアロクティケーと呼ばれ、それはそれで重要なのですが…)。 大学院で日本経済史を専攻したものの「日本経済史って論点が少なくてへいわだなー」と思っていた私の認識を改めさせられました。 論点ごとに対立点を明確にしたエキサイティングな一冊だと考えます。2019/10/20