内容説明
動こうとすると現れる、かけがえのない邪魔もの。ダ・ヴィンチ、オイラー、寺田寅彦…。魅せられた人、数知れず。あると困る、なくても困る、謎めく力「摩擦」の探究。
目次
1 ものとものとがこすれると―あれもこれも、摩擦のしわざ(摩擦と火との長く深い関係;こすると熱くなるのは、なぜ?原子や分子の世界から;「熱素」のせい?;摩擦熱の驚くべき利用法;バイオリンとギーギーゼミ ほか)
2 邪魔ものに魅せられて―摩擦力の追究(最初の研究者、レオナルド・ダ・ヴィンチ;動きだすまでと動いてからアモントンとクーロン;「凹凸説」対「凝着説」論争クーロンとデザギュリエ;紅茶カップの科学レイリー卿の発見;雨の日のスリップ寺田寅彦の研究 ほか)
著者等紹介
田中幸[タナカミユキ]
岐阜県生まれ。晃華学園中学校高等学校理科教諭。物理教育学会会員
結城千代子[ユウキチヨコ]
東京都生まれ。大学講師。物理教育研究会会員、比較文明学会会員。小学校理科・生活科、中学校理科の教科書執筆者
西岡千晶[ニシオカチアキ]
三重県生まれ。漫画家。実兄との共同ペンネーム「西岡兄妹」の画を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリー
30
歴史上、摩擦の研究についての記録を初めて残した人物がレオナルド・ダ・ヴィンチとは驚き。その他、多数の科学者達が登場。あの人もこの人も摩擦の研究をしていたのかと驚きの連続でした。また、摩擦の原因を巡る「凹凸説」と「凝着説」論争があったことは科学の発展について考える上で、知っておくべき事だと思います。何故、教科書には載っていなかったのだろう?私が一番心に残ったのは、小柴昌俊先生が、高校で物理を教えたときのエピソード。先生は、「この世に摩擦がなければどうなるのか」という問題を出題。正解は「白紙答案」。なるほど!2018/12/29
るりたまご
0
摩擦の研究の歴史を知りたいと思い手に取ってみました。身の回りの摩擦やレオナルドから最近にいたるまでの摩擦史をざらっと学ぶことができる良書です。装丁もかわいらしいので本棚に飾っておいてもいいかな。2017/06/20
緑乃
0
先人がどのように摩擦を見つけ、考えてきたかという流れに沿っての説明で、結構おもしろかったです。2015/03/06