内容説明
上がった株と下がった株、どちらを売るべきか。つまらない映画は最後まで見るべきか…。世界的社会心理学者が、経済学から哲学まで、ありとあらゆるジャンルを横断し、発見した賢い問題解決のための100の方法。日常生活やビジネスの現場における意思決定をスマートにし、最高の結果を導くための新しい教科書、待望の邦訳。
目次
第1部 思考について考える
第2部 かつての陰鬱な科学
第3部 符号化、計数、相関、因果関係
第4部 実験
第5部 まっすぐ考える、曲がって考える
第6部 世界を知る
結論 アマチュア科学者の道具
著者等紹介
ニスベット,リチャード・E.[ニスベット,リチャードE.] [Nisbett,Richard E.]
ミシガン大学心理学教授。アメリカ心理学会科学功労賞、アメリカ心理学協会ウィリアム・ジェームズ賞、グッゲンハイム・フェローシップ受賞
小野木明恵[オノキアキエ]
翻訳家。大阪外国語大学英語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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marukuso
7
我々の考え方の基礎にあるのは推論であるが、間違いやすくエラーをおこしやすい。統計学や、行動経済学などの知見から得られた推論の「方法」についてまとめたのが本書だ。訳タイトルがあまりにも合ってなくて残念だが、内容は読んでおいて間違いないだろう。2018/01/14
はるる
6
めちゃくちゃ読みにくく難しかった!でもめちゃくちゃ面白かった!今まで出会った本は「読みにくく難解=面白くない」だったので新鮮な驚き。行動経済学に興味があり読んでみたが、統計学や論理学など想像以上に幅広く、圧倒される。繰り返しチャレンジして噛み締めたい本。2018/10/25
翰林菩薩
5
行動経済学と統計学をメインにした詳細な解説書で、本書の特徴はとにかくメタ思考的に批判的検討を繰り返していることだ。基礎知識を解説するだけでなく、その盲点をこれでもかと剔出している。故にレベルは他の一般解説書よりも上。よって書きぶりもシニカルなものになっているし、やや読みづらい。しかしこれは一般啓蒙書の落とし穴をたくさん紹介しているので、この手の分野の勉強をした人にとって最終的な「仕上げ」をするために活用できる。私は数年に渡って行動経済学等を学んだので、そのおさらい本として楽しんだ。精読の価値あり。 2017/12/31
やん
3
普段の生活の中でより良い判断をするため、具体例を挙げながら行動経済学、統計学、論理学を実生活に活かす技術を紹介している。「つまらない映画を最後まで見るべきか」といった問題で出てくる埋没費用、機会費用という概念がとても参考になった。中盤から少し難しくなるが、各章の最後にまとめがあるので理解の助けになる。昨今の新型コロナについてもそうだが、いろんな情報が飛び交う中でいかに正しく判断するか。情報を読み取る力を身につけあやしい統計に騙されないためにこの本は有益だと思う。翻訳の問題か2箇所ほどおかしな箇所があった。2020/04/13
sho
3
人間が日々誤りがちな推論の仕方について、心理学や行動科学、経済学、統計学など、推論のためのツールを網羅的に解説したものであり、かなりボリュームがあったがさくさく読みすすめることができた。自分が物事を理解するための有用な武器として、辞書的に手元に置いておきたいと感じた。書店で、発売直後に平積みされていた等ではなく、たまたま書棚で特集されていて出会った本だが、こんな有用な本に出会えたのは幸運だったと、とても満足している。2020/01/24