出版社内容情報
中尾隆聖[ナカオリュウセイ]
著・文・その他
内容説明
新劇の俳優が洋画の吹き替えを担当することからはじまったとされる声優ブーム。それから約半世紀、若者の人気「職業」にまでなった声優。業界のかたちが整い、より大きくなったものの、華やかさの陰には厳しい現実も待ち受けています。「うまくやろうとするな」「売れるのが唯一の価値観か」など、成功法則のない業界だからこそ必要なスキルと心構えを、「ばいきんまん」「フリーザ」でおなじみのレジェンドが語り尽くします!
目次
1章 声優の現場(声優という仕事;アニメ業界の収録日 ほか)
2章 役者として1(5歳でデビュー;仕事ばかりしていた小・中学生時代 ほか)
3章 声の演技(人に教えるなんてまっぴら;教えることで自分の芝居がわかる ほか)
4章 役者として2(食えるようになる;ラジオが面白かった ほか)
著者等紹介
中尾隆聖[ナカオリュウセイ]
東京都生まれ。3歳で児童劇団に入団。5歳で文化放送のラジオドラマ『フクちゃん』のキヨちゃん役でデビュー。第25回日本映画批評家大賞“アニメ部門最優秀声優賞”、第11回声優アワード“富山敬賞”を受賞。1992年より関俊彦とともに劇団「ドラマティック・カンパニー」を主宰する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
83
いやー面白かった。ばいきんまん、フリーザなど最早レジェンド声優のお1人であるだろう中尾隆聖さんの自伝兼、次代の声優たちへの熱いメッセージ(に感じた)。何でもないことのように書かれているけど、謙虚さと確かな実力で今の道を切り拓いて来られたんだろうな。お名前が挙がる声優さんが、今をときめく若手声優ではなく渋い方々ばかりでニンマリ。今は、中尾さんや千葉繁さん、若本さん、肝付さんのようにインパクトがあり絶対間違えない方ってあまりいないかも…?鬼滅とか見てもみんなイケボですね。笑 声優好きさんは一読の価値あり。2020/04/20
hnzwd
36
ばいきんまん、ぽろり、フリーザの声優であり、俳優である中尾隆聖さんの本。デビューから現在までを本人の考え方を混ぜつつ振り返る感じでしょうか。プロとして第一線で演じ続けている人だけに、自分の考えをしっかりと持ち、きちんと言語化できているから、わかりやすい。60を超えてなお、後進を育てる、っていうよりはまだまだ同士を増やしたいって考えなのは、やっぱりプロの方は違うな。。2019/09/11
nishiyan
16
役者論と銘打たれているが、中尾隆聖さんの自叙伝の側面が非常に強い。子役時代から仕事がなかった頃に弾き語りやお店を経営していた話など興味深い。また神谷明さんや野沢雅子さんとの思い出話は第1次、第2次声優ブームの熱気を充分に伝えており、読み応えがあった。一番の転機は本書でも語られているが、後に81プロデュースの社長となる南沢道義氏との出会いだろう。アニメに舞台にと活躍の場を広げるきっかけとなったのは南沢氏のサポートがあればのことだろう。中尾隆聖さんを通して日本の声優業界史を学べて、収穫の多い読書となったかな。2019/05/29
笑う門には福来る
15
好きこそ物の上手なれ。お芝居が好きで好きでたまらないことが、とってもよく伝わってきた。にこにこぷんのぽろりが大好きだったワタシ。そこから、ばいきんまん、フリーザと、家族ともどもずーーーっとお付き合いさせていただいてきた。尊敬しかない。引退されてのんびりしていただきたい気持ちもなくはないが、ばいきんまんとフリーザが違う声になることは絶対に考えられない。見る側のワガママなのは承知の上だけれども、なんとかお体ご自愛いただき、まだまだお付き合いのほどよろしく候。2021/07/24
さなえ
12
声優を目指す人に向けて書かれた本。役者論。自叙伝。もちろん私は声優を目指しているわけではないけれど、普通では知ることがない職業の話は興味深く読んだ。「ふつうにやれよ」「オーディションは落ちて当たり前」言われてみればその通り。ガヤに「入んないで」と言われてしまう中尾さん、声ですぐわかっちゃうから。私でもわかる声だものね。以前テレビ番組でベテラン声優さんたちがガヤを実演するのを見たが、なぜこんなことができるのか不思議だった。やはりプロの仕事はすごい。2019/07/26