出版社内容情報
鬼澤 忍[オニサワ シノブ]
ティモシー ヴァースタイネン[ティモシー ヴァースタイネン]
ブラッドリー ヴォイテック[ブラッドリー ヴォイテック]
内容説明
ゾンビの脳は、どうなっているのか?米国の神経科学者ふたりが、大真面目に考えた。ゾンビ研究の最先端、禁断の翻訳!!
目次
第1章 グレイの(ゾンビ)解剖学
第2章 ゾンビは不死身羊の夢を見るか?
第3章 のそのそ歩きの神経相関
第4章 空腹も、怒りも、愚かさも、生きていなければ存在しない
第5章 ゾンビ・アポカリプスに涙はない!
第6章 舌―かんだりもつれたり
第7章 死者たちの「注意の解放障害」
第8章 ところで、この生ける屍の顔は誰のもの?
第9章 どうして私が私じゃないの?
第10章 生ける屍の心に輝く永遠の陽光
第11章 ゾンビ・アポカリプスと闘う…科学を武器に!
著者等紹介
ヴァースタイネン,ティモシー[ヴァースタイネン,ティモシー] [Verstynen,Timothy]
カーネギー・メロン大学心理学科および認知神経基盤センター助教授
ヴォイテック,ブラッドリー[ヴォイテック,ブラッドリー] [Voytek,Bradley]
カリフォルニア大学サンディエゴ校計算論的認知科学および神経科学担当助教授
鬼澤忍[オニザワシノブ]
翻訳者。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
26
米国の神経科学者が意識欠陥活動低下障害を研究し、「思考」を探求した参考書。いかに慣れ親しんだゾンビとはいえ、全く縁遠い神経科学は私には難しすぎた。両方の基礎知識が無いと理解は厳しいと思うが、大人が本気で全力でくだらないことに取り組んでいるのを見ているだけで充分に楽しい。病や怪我で脳に障害を負った人の症例から純粋にゾンビを分析しており、発想も展開のさせ方も面白かった。ゾンビは常にぐっすり眠ることもすっきり目覚めることもできない状態らしい。可哀想すぎる。ゾンビを知ることで人間の脳の凄さに改めて感嘆させられた。2018/07/14
Ayah Book
20
果たしてゾンビになってしまった人間の脳は、どうなっているのか?ゾンビの特徴と照らし合わせて、現実の脳の障害や症例を例に出し、つまりは脳とはどういう働きをするものなのかというのを、神経科学に基づき教えてくれる本である。小難しい本ではなく、首をはねられていも生き続けた鶏の話(頭がなくなっても脳幹、中脳などが残っていた可能性があり、ミルクと水でしばらく生きていて、見世物として活躍したらしい)などを交え、分かりやすく解説してくれる。ゾンビネタもふんだんに出てくるので、ゾンビファンも満足できる内容だと思う。2023/10/10
aiaimo`olelo
14
ゾンビの脳はどうなっているのか?を考えることで、逆説的に我々の脳や認知について知ることができる本。ゾンビがノロノロ歩くのはなぜか?俊敏性が残る理由は何か?ゾンビから逃げる方法の考察(ゾンビのふりをするのも1つの方法らしい(゚д゚)!)など、可笑しくも大真面目に書かれている。ゾンビは我々とは別物とばかり思っていたが、意外と紙一重な存在で不思議と愛おしさが…。 余談だが、ゾンビ役の俳優はボーンブレイクダンスのダンサーが多いらしい。ゾンビになりたくない人は今からブレイクダンスを習っておくのも良いかもしれないね。2020/07/29
白義
14
人間性の座と今では考えられている脳、人間らしい特徴をほとんど欠いたように見えるゾンビ。ということは、ゾンビたちの脳について考えれば人間とは何かということが深くわかるのではないだろうか。かくして脳神経科学の大冒険が始まる。ゾンビ関係の比喩を徹底的に駆使することで、情報を極限まで詰め込み、例えば人間が物を見て、聴いて、反応することのわかっている全てが脳科学の言語で描かれる。啓蒙書としてはとことん用語を詰め込み、代わりにゾンビワールドを全面展開する濃密さで、歴史上多くの欠損、奇病などにも詳しく、実に興味深い一冊2018/06/17
まりお
10
ゾンビの生態、行動を神経科学から考察したもの。歩きが遅いのは何故?人間に襲いかかるのは何故?どうして親しい人が判らなくなる?などなど。数々のゾンビ映画での行動を元に考察しているためか、著者が面白く紹介してくれるためなのか、一度見たくなる。2016/11/26