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時空と生命―物理学思考で読み解く主体と世界

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784774140421
  • NDC分類 420.4
  • Cコード C3042

内容説明

私とは、時間とは、空間とは、そして生きるとは何か。これらの謎は古来より哲学者が何千年ものあいだ挑んできた、根源的な謎である。しかし、近代科学の登場とそれに続く科学革命(進化論、相対論、量子論、分子生物学、場の量子論など)により、時間、空間、生命についてのわれわれの常識は覆された。科学的思考で、いまいちどこの根源的な謎に挑む。

目次

第1章 ミンコフスキー時空を読む(虚数iの発見;ミンコフスキー時空;ピタゴラスの定理と時空長;時空長の計算;縮退した時空;ヒッグス場と時空;進行波と後退波;非局所性の問題;夢と時空;費因果領域に隠れていく未来)
第2章 主体的意思としての生命―動物について(主観の科学的記述の困難さ;ツバメの歓喜;進化の階層;言語は主体的医師の担い手たりうるか;自己意識の進化と大脳のモジュール群;自己意識は主体的意思の担い手たりうるか;すべての動物は主体的意思をもつ;快・不快を基準に行為する主体的意思)
第3章 主体的意思としての生命―バクテリアについて(生命の歴史的階層性;五つの王国;生命の代表としてのバクテリア;自然選択と自由経済;プログラムされた死;植物の主体的意思について;主体的意思と快・不快)
第4章 非平衡熱力学系と主体的意思(熱力学;平衡系とエントロピー増大の法則;オンサーガーの相反定理;非平衡熱力学系;生命は主体的意思を持つ非平衡熱力学系である;生命誕生の困難さと必然性;散逸構造・複雑系・オートポイエーシス;複雑系システムから主体的意思へ)
第5章 主体的生命原理と創造的宇宙(有時―道元の悟り;グラディエント・ベクトルとしての主体的意思;ミンコフスキー時空の時間軸に沿った「動き」;三すくみのジレンマ;最少作用の原理と経路積分;最大傾斜の原理;主体的な生命原理と自由意思宇宙の創造)

著者等紹介

橋元淳一郎[ハシモトジュンイチロウ]
1947年大阪生まれ。京都大学理学部物理学科卒業後、同大学院理学研究科修士課程修了。SF作家・相愛大学人文学部教授。日本SF作家クラブ・日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

galoisbaobab

1
求めている本ではなかったな。これならヘタなSF読んだほうがいい。2016/02/21

たっくん

1
主旨は ①時空はミンコフスキー空間 ②その空間にはエントロピーが増大/減少する両方向ある ③生命はその空間の中でエントロピーが増大する方向にしか生きていけない ④時間は生命の主観の中にだけ存在する。その方向は、エントロピー増大の方向に現れる ⑤したがって生命から見れば、世の中はエントロピーが増大することになる ⑥ミンコフスキー空間の中では、光子は過去方向へも未来方向へも動いているが、生物が③で示す方向に動くため、未来から来る光を感じることが出来ない というもの。 説得力があると思う。2013/05/06

kaki

0
宇宙の時間の流れはエントロピーが増大する方向を向いているが、それは生命や意思がエントロピーに対抗する中でのみ生じるからだ、という仮説。単純な人間原理やマルチバースが腑に落ちなかった自分も、これなら少し納得感があります。 SF作家でもある教授が「壮大な空想譚」と呼ぶだけあって、無理やり感はありますが、ここまでの世界観を作り上げたのは立派です。2012/08/18

ages

0
ある、と認識するからある、という独我論をどう克服できそうか、あたりがア・プリオリと言われてしまっているのが自分的には残念。もちろん、人に考えてもらってばかりじゃだめだから、自分で考えていkないとね。2010/03/26

あっちゃんのパパ

0
評価=2:イマイチ2010/02/24

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