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依存症の科学―いちばん身近なこころの病

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  • サイズ B6判/ページ数 208p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784759818154
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0047

出版社内容情報

アルコール,ギャンブルからドラッグやIT機器・スマホ依存まで,日本人の依存症者人口は2000万人ともいわれます.心療内科医の著者が,社会・心理的要因から薬物ごとの特質,脳科学に基づく知見,認知療法等の最新の治療法まで,わかりやすく解説.アルコール・薬物・ギャンブル依存症の診断基準付.

第1章 精神医学と依存症
 1 依存症の定義 
 2 軽いレベルも依存症とされる診断基準
   アルコール使用障害の診断基準  
 3 依存症の怖さ――進行性で多くの精神障害が合併する
 4 意志が壊される病気
 5 行為の依存への対応はまだまだ
第2章 依存症社会の日本
 1 依存症が蔓延しやすい国
 2 パチンコ以上に依存性の高いスマホの恐怖
 3 依存症に「依存」する経済
 4 マスコミが依存症産業に逆らえず、依存症患者が拡大していく日本の実情
第3章 依存症の人が生きづらい日本
 1 依存症を病気と見なさない国
 2 依存症を「自己責任」として報じたがるマスメディア
 3 せっかく「やめた」人を依存症に引き戻す
 4 依存症が意志の問題で病気と思われていないから治療につながらない
第4章 依存症のケースリポート
 1 ケース1――ドラッグとギャンブル(パチンコ)の依存症に苦しむ女性
   幼少期から思春期までの父親との確執/高校卒業後、家を出て結婚・出産そして離婚/ドラッグへの誘いと依存症へ/ドラッグをやめて両親と和解/ドラッグ依存からパチンコ依存へ/いまでも思い出すドラッグの高揚感、続く治療
 2 行為の依存――ギャンブル依存症の解説
 3 依存症の人が年をとるとどうなるの?
   ケース2――アルコール依存の男性Aさん(70代)/ケース3――パチンコ依存の男性Bさん(60代)
 4 やはりAAは有効
   ケース4――アルコール依存症の青年Cさん
 5 入院治療で断薬に成功
   ケース5――睡眠薬依存の女性Dさん
第5章 依存性薬物
 1 大麻(マリファナ)
 2 危険ドラッグ
 3 医療用マリファナ(大麻)の問題
 4 覚せい剤
 5 ADHDの話題 ――スマートドラッグ
 6 コカイン
 7 精神刺激薬(覚せい剤とコカイン)の治療
 8 オピオイド
 9 ニコチンが、麻薬への道をつけるという仮説
第6章 脳科学からみる依存症
 1 依存症の評価区分
 2 薬物依存の形成――学習と条件づけについて
 3 共存する精神疾患
 4 薬物依存の診断
   治療は困難
 5 依存症のトリガー――誘因特性と認知願望
   フィネアス・ゲージの研究に見る、前頭前皮質腹内側部と誘因特性の優先/自己コントロール力を治療に生かす
 6 依存症をもたらす脳機能の異常
   オプトジェネティクスの研究進展/オプトジェネティクスの先にあるもの
第7章 依存症の治療法
 1 依存症の薬物療法
   抗酒薬/飲酒欲求抑制剤/禁煙補助薬/神経伝達物質を増やす薬や抑える薬
 2 依存症の認知行動療法
 3 マインドフルネス認知療法
 4 メンタル・コントラスティングについて
 5 そのほかの心理社会的介入
   動機づけ面接法/コーピングスキルトレーニング
 6 喫煙をやめるには――金銭的インセンティブは統計的に有意
 7 入院での集団治療プログラム
 8 AAと自助グループの有効性
 9 自助グループはなぜ有効なのか
依存に陥らないために――レジリエンスマインドの鍛錬
参考文献
索引

内容説明

アルコール、ギャンブルからドラッグやIT機器・スマホ依存まで、日本人の依存症者人口は2000万人ともいわれます。社会心理学的要因から、薬物ごとの特質、脳科学に基づく知見、認知療法などの最新の治療法まで、医師がわかりやすく解説。アルコール・薬物・ギャンブル依存症の診断基準付。

目次

第1章 精神医学と依存症
第2章 依存症社会の日本
第3章 依存症の人が生きづらい日本
第4章 依存症のケースリポート
第5章 依存性薬物
第6章 脳科学からみる依存症
第7章 依存症の治療法

著者等紹介

岡本卓[オカモトタカシ]
1960年京都府生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院第四内科助手を経て、1992年ハーバード大学医学部博士研究員。1995年ハーバード大学医学部インストラクター、1997年クリーブランドクリニック財団ラーナー研究所助教授、1999年理化学研究所脳科学研究センターチームリーダー、2001年医療法人ケイ・アイオホーツク海病院内科勤務の後、2009年愛し野内科クリニック開院、院長。医師。医学博士

和田秀樹[ワダヒデキ]
1960年大阪府生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、東北大学医学部、一橋大学経済学部、上智大学文学部での非常勤講師を経て、2004年より国際医療福祉大学教授、2006年国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学)。医師(精神科)。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヒデミン@もも

30
依存症に依存する社会。2016/03/12

むっちょむ

14
田代まさしのニュースが記憶に新しい。依存症は病気で意思の力でなんとかなるものではない、でも世間はそれを知らず意志の弱い人が悪い、自己責任と。。依存症斗はどういうメカニズムで起きていて、どういう治療法があってと、こと細かく書いてあって、そうかそうかと唸りながら読んだ。私自身も依存症になりやすい人間だとわかってるからパチンコなんてやったらハマるのかわかりきってるから近づかないようにしてる。たまたま身近に薬物が手に入らなかっただけ。手に入ったらどうなってたわからない。その環境に感謝したい。2016/02/10

みんと

13
酒・タバコ・ドラッグ・パチンコなど、止めたくてもやめられない人を依存症と呼ぶ。周りから見れば何て意志が弱い人間だろうと思いがちだが、依存症とは意志を破壊してしまう病気なのだ。自然治癒は不可能と言っても過言ではない。 病院や施設に入るしか方法はないようだ。スマホも現代人が依存するひとつであり、しかもどこでも扱えてしまうというのが問題である。自分も一日のうち何時間スマホに触っているだろうと改めて考えてみると最近、気が付くと手にしているような気がする。依存症という病気になってしまう前に気をつけようと思う。2016/02/28

ヤマセミ

6
酒、タバコ、薬物、パチンコ、ギャンブル、買い物、万引き、摂食障害、性犯罪、etc。依存症は意志が破壊される病気で、自分の努力とか自然治癒はないという明快な説明。なのに、日本では依存症は意志が弱いのが原因とされ、巷には欲望をあおるものがいっぱいで、依存症に依存する社会でさえあるという、依存症の人にはとても生きにくい社会。再犯を繰り返すのは依存症なのだから、罰するのではなくて治療しなければならないのに、社会には依存症は病気という認識がない。これは大変なことだ。2016/08/08

mawaji

5
ここで手を出したらダメでしょうってわかっているのに手を出してしまうのが依存症という病気の病気たる所以であって当事者を責めてもしょうがないことなのだということがよく分かります。スポンサーに気を遣って言うべきことが言えないマスメディアも確かに問題あり。帚木蓬生氏がギャンブル依存症の第一人者だとは知りませんでしたが、いつも駐車場が満杯のパチンコ屋さんを通るたびに日本は大丈夫かなと心配になります。スマホやラインなどネット中毒の今後も気になりますが、さして興味もないことをだらだら検索してしまう自分がいるのでした…。2016/02/08

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