目次
第1部 植民地時代以前(神話にみる太平洋と日本の接点―基層文化を探る;日本への人類移住と南方起源説―その魅力と可能性 ほか)
第2部 植民地時代を中心に(日本の南洋群島統治―移住と開発、同化政策、軍事拠点化;“砂糖の島”はどのようにしてつくられたのか―松江春次と南洋興発株式会社による製糖業の実態 ほか)
第3部 太平洋戦争(真珠湾攻撃―アメリカの戦意に火をつけた「奇襲」;ニューギニア戦線―その様々な影響 ほか)
第4部 戦争の傷跡を乗り越えて(慰霊巡拝―ミクロネシア・メラネシアの旧戦場を旅する;ミクロネシアにおける遺骨収集―遺骨収集をめぐる人々の様々な思い ほか)
第5部 新たな関係性の構築(戦後外交の幕開け―太平洋・島サミット;太平洋における日本の公的援助の変遷と今後―「日本らしさ」を求めて ほか)
著者等紹介
石森大知[イシモリダイチ]
神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。博士(学術)。専門分野:文化人類学、オセアニア地域研究
丹羽典生[ニワノリオ]
国立民族学博物館准教授。博士(社会人類学)。専門分野:社会人類学、オセアニア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akihiro Nishio
20
オセアニア本3冊目。本作は特に日本との関わりに焦点を当てたもの。他の2冊に比べて、日本統治時代の交流や戦時下の情報が多く、さらに戦後、各国の発展における難しさ、その中で日本が果たすべき役割が語られる。とはいえ、資源、立地、人口に恵まれない諸国が自立する道筋は見えてこない。面白く読めたのはトンガにおけるカボチャのエピソード。人口規模の小さい国なので、良い1つアイデアが国に大きなインパクトを与える可能性があることを示している。2021/01/15
かんがく
13
大日本帝国の勢力圏として、朝鮮や満洲に比べると影の薄い「南洋諸島」について、日本との関わりを中心に記述したもの。宮本常一、中島敦、水木しげるなど有名人と南洋との関わりのエピソードも多く、身近に感じることができた。このシリーズは一章ごとが短くコロコロと話題が変わるのであまり集中して読めないが、幅広く知識をつけるには良い。2023/11/09
サンセット
2
ポリネシア神話を発生、進化、創造で分類した人がいるそうだけど(丸山眞男に影響?)、ハワイにもある国産み神話や、死や短命に関わるバナナ型神話など、日本とポリネシアは似た神話が多いらしい。近代には小笠原も含めて西洋人が漂着して住み始め、やがて維新以来から南進論を掲げる日本が進出。キリバスでは日本兵と現地人が割と友好的に交流してたけど、キリバス国会には処刑された現地人の記録もあるらしい。戦後は自立を目指すも、グアム住民には大統領や連邦議会議員の選挙権が無いらしい。日本は太平洋・島サミットで定期的に交流している。2021/07/24
土偶
1
日本との関わりを中心にすると太平洋戦争や戦後の戦跡保護の記述が核になるわけだが、防災や文化保護という新しい関係性もページを割いており勉強になる。2024/04/10
takao
1
ふむ2021/08/24