目次
1章 物理学で世界の見方が変わる
2章 物理学者の正体
3章 空の上の物理学
4章 私たちは何を見ているのか―光の話
5章 すべては粒子でできている―素粒子、原子、分子の世界
6章 時間はいつでも一定か―相対性理論を考える
7章 意識が現実を変える?―量子論の世界
著者等紹介
松原隆彦[マツバラタカヒコ]
高エネルギー加速器研究機構、素粒子原子核研究所・教授。博士(理学)。京都大学理学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。東京大学、ジョンズホプキンス大学、名古屋大学などを経て現職。主な研究分野は宇宙論。日本天文学会第17回林忠四郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
100
高校生の時、ファインマンの物理学の教科書を授業で使っていたことを思い出す。それから全く物理学とは縁遠くなってしまった。著者は高エネルギー加速器研究機構の教授でバリバリの理学博士。やはり素粒子からクォーク、相対性理論から量子論に至る物理学の本道を、噛み砕いて分かりやすく伝えています。しかし章のまとめに「観測した瞬間に世界が分裂し、ひとつの選択肢に決まった世界しか認識できなくなる。この多世界解釈が正しければ、無数のパラレルワールドが存在し、それぞれの世界で無数の自分が別の人生を歩んでいる」ってなんのこっちや。2023/10/19
ハッシー
87
★★★★☆ 著者の本は、3冊目だが、その中では一番分かりやすかった。難しい数式はまったく出てこないし、平易な文章で書かれているので、理解がしやすい。空がなぜ青く、夕焼けはなぜ赤いのかといった素朴な疑問から、量子力学などの物理学のフロンティアまで誰でも分かるように丁寧に解説しているのが良い。知らなかったことも多かった。地球の地軸が傾いているのは、傾かない理由がないからとか、GPSの時刻補正に相対性理論が使われていたり、ワープもタイムマシンも相対性理論に基づけば理論上可能だったり。読んでいて楽しい本だった。2019/07/13
Kentaro
52
量子論以前の物理学では、あらゆる物の動きはニュートン力学で完全に予想できると考えられていた。どんな力を受ければどんな動きをするのかを表したのが、ニュートン力学だ。そのため、この世の中にあるすべての物の状態を正確に知っているものがいれば、未来はすべて完全に予測できるだろうという考え方まであった。ミクロの世界では、A地点で見つかった小さな粒子は、可能な行動すべてを行っていると考えられるため、その後、B地点で見つかることもあれば、C地点で見つかることも、D地点で見つかることもある。ゆえに、未来はひとつではない。2020/01/12
ちくわ
51
暇潰しにと考えて読み始めた本書。タイトルの通り物理学絡みの身近な『あるあるネタ』ではあるが、最新の物理学に関する情報が手軽に楽しめるのが良かった。(昔は物質の最小単位は『原子』だったのに、今は『クォーク(素粒子)』なのか?みたいな)個人的には、タイトルの通り『文系』の方は是非食わず嫌いせずに読んで欲しい。世に出て実際に強い(必要とされる)人間は、必ず『文系』と『理系』のどちらの素養もあると思っているので。2023/10/22
読書ニスタ
47
数式を伴わないので楽に読める。理系でも、数式での証明が伴うと、やたら苦痛だったので、楽しく読めた。量子の世界はもはや、キテレツ以外何者でもないが、スパコンが1万年かかる計算を3分で仕上げるというんだから、すごい。暗号が全て解読されるので、仮想通貨が下落したし。しかし、何をそんなに計算するというのだ、まさに拷問。実験結果よりも理論が先行したアインシュタインは、世紀の天才というのがわかった。彼ですら、量子力学は意味不明だったらしいので、安心した。この世の中、そうできてるんだから、仕方ないじゃんを彼と共有。2019/10/24