出版社内容情報
食品安全、原子力、軍民両用技術、宇宙開発…科学技術と政治の交錯を描く、初の概説書。科学技術と政治との交錯とはいかなるものか。今日、政治・行政関係者のみならず、科学者や技術者にとっても、科学技術に対する政治の影響、そして政治に対する科学技術の影響を知ることが求められている。本書では、科学技術のダイナミズムを踏まえたうえで、国内におけるリスク評価・管理や事故調査、そして知識生産や技術導入に関するイノベーション、さらには国際レベルの規制・安全保障・協力のメカニズムについて解明する。
はじめに
序 章 科学技術とそのダイナミズム
1 科学技術とは何か
2 科学と技術の相互作用・ダイナミズム
3 日本における科学技術の発展とその認識
4 科学技術政策の多義性
5 本書の構成
第?部 科学技術の知識とリスク管理
第1章 科学技術の政治的次元
1 科学技術をめぐる多様な主体
2 政治的ダイナミズム
第2章 リスク評価とリスク管理
1 リスク評価
2 リスク管理
3 価値問題に関する判断
第3章 リスク規制の制度設計とダイナミズム
1 リスク規制の制度設計
2 食品安全規制における政府内制度設計と運用
3 原子力安全規制における政府内制度設計と運用
4 専門家の調達・能力の確保
5 政府組織と民間組織の関係設計
6 保険制度との役割分担・連携
7 捕囚とその回避戦略
第4章 幅広いリスクの評価と対応
1 複合リスクの課題
2 多様なリスクと増幅メカニズム
3 横断的対応
4 安全保障貿易管理??新たなリスクに関する官民連携によるリスク管理
第5章 事故調査・情報収集の制度設計と運用
1 責任追及と学習のディレンマ
2 アメリカにおける事故調査と責任追及
3 日本における事故調査と責任追及
4 事故およびインシデントに関する情報共有のメカニズムの試み
5 日米比較
6 最近の日本における制度改正
7 残された課題
コラム 「科学技術と政治」への誘い (1)??分野横断的共同研究
第?部 イノベーションとマネジメント
第6章 知識生産の促進??多様なメカニズムの存在
1 研究の自由と統制
2 ファンディングの方式??コア・ファンディングとプロジェクト・ファンディング
3 知識生産のインセンティブ??知的財産権と学問的コモンズ
4 市場構造のダイナミズムへの関与
5 技術強制の可能性と自主的対応
6 究開発評価とその限界
第7章 分野別技術ガバナンスの構造
1 分野別技術ガバナンス構造の分析枠組み
2 原子力技術ガバナンス
3 宇宙技術ガバナンス
第8章 移行マネジメント??技術の社会導入のダイナミズム
1 移行の分析枠組み
2 移行マネジメントにおける仕掛け
3 都市レベルでの共進化の事例分析
第9章 テクノロジーアセスメントの制度化
1 テクノロジーアセスメントとは何か
2 テクノロジーアセスメントおよびテクノロジーアセスメント的活動の歴史
3 制度化の選択肢
4 体制と人材養成
5 最近の様々な試み
第10章 分野を超えた調整メカニズム
1 分野を超えた調整メカニズムの構造
2 科学技術イノベーション政策に関する調整メカニズム
3 宇宙政策に関する調整メカニズム
4 エネルギー政策に関する調整メカニズム
5 調整メカニズムの比較検討
コラム 「科学技術と政治」への誘い (2)??「合意形成」と問題構造化手法の試み
第?部 国際協力のメカニズム
第11章 国際的リスク規制
1 国際的リスク規制の特質
2 リスク規制の国際的展開??情報共有と基準設定
3 事後対応??レジリエンス能力の確保
4 リスク規制における役割分担
5 リスク規制の調和化と差異化
6 今後の制度設計の課題
第12章 科学技術と国際安全保障
1 両用技術管理の課題
2 軍備管理・軍縮枠組み
3 転用管理
4 輸出管理=移転管理
第13章 科学技術利用に関する国際協力
1 国際協力の様々な方式
2 空間利用管理と責任の制度
3 国際共同事業
4 国際共同研究
5 知的財産権とアクセスの確保
6 国際協力のダイナミズム
参考文献
おわりに
科学技術政策史年表
事項索引
人名索引
城山 英明[シロヤマ ヒデアキ]
著・文・その他
内容説明
科学技術と政治とはいかに関わるのか。今日、政治・行政関係者のみならず、科学者や技術者にとっても、科学技術に対する政治の影響、そして政治に対する科学技術の影響を知ることが求められている。本書では、科学技術のダイナミズムを踏まえたうえで、国内におけるリスク評価・管理や事故調査、そして知識生産や技術導入に関するイノベーション、さらには国際レベルの規制・安全保障・協力のメカニズムについて解明する。
目次
科学技術とそのダイナミズム
第1部 科学技術の知識とリスク管理(科学技術の政治的次元;リスク評価とリスク管理;リスク規制の制度設計とダイナミズム ほか)
第2部 イノベーションとマネジメント(知識生産の促進―多様なメカニズムの存在;分野別技術ガバナンスの構造;移行マネジメント―技術の社会導入のダイナミズム ほか)
第3部 国際協力のメカニズム(国際的リスク規制;科学技術と国際安全保障;科学技術利用に関する国際協力)
著者等紹介
城山英明[シロヤマヒデアキ]
1965年東京都生まれ。1989年東京大学法学部卒業。1994年東京大学大学院法学政治学研究科助教授。2006年東京大学大学院法学政治学研究科教授。東京大学公共政策大学院教授(2010年~)、東京大学政策ビジョン研究センター長(2010~14年)、東京大学公共政策大学院長(2014~16年)等を兼任。マサチューセッツ工科大学国際研究センター(1997~99年)、パリ政治学院(2001年、2008~09年)、LSEリスク規制分析センター(2009年)などで研究・教育に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。