内容説明
ロシア経済は、ソ連解体後の混乱を乗り越え、2000年以降の世界的な資源価格の高騰を背景に、天然資源の供給基地、1億4000万人のマーケットとして注目を集めるようになり、BRICsの一角として21世紀の世界経済を支えていくことが期待されている。本書は経済概要だけでなく、市場移行で起きた諸問題、社会問題、中央アジアや中東欧諸国との関係を分析することで、ロシアの今後の成長可能性を多面的に考察している。
目次
ロシア経済論とは
第1部 市場経済移行の推移(ロシアにおける市場経済移行;ロシア経済の歴史と政治システム;マクロ経済・産業構造;財政・金融;民営化と企業システム)
第2部 国民の暮らしと地域(労働市場と社会政策;経済格差と階層化;開発と環境;ロシア極東地域)
第3部 貿易と対外経済関係(国際経済関係;中央アジア・コーカサスの市場経済化;中・東欧の市場経済移行)
ロシア経済の行方
著者等紹介
吉井昌彦[ヨシイマサヒコ]
1958年兵庫県に生まれる。1985年神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程退学。現在、神戸大学大学院経済学研究科教授、博士(経済学)
溝端佐登史[ミゾバタサトシ]
1955年大阪府に生まれる。1987年京都大学大学院経済学研究科博士課程後期課程退学。現在、京都大学経済研究所教授、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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陽香
2
201105102016/08/23
ろーじゃ
0
極東や東欧の市場経済化や関係にも目を向けていて、体系的に経済事情に触れられるのがナイス。ロシアは政治が経済をリードしているが、日本は経済が政治をリードしているという表現が、日露の体制の違いをよく表していますね。2012/07/18
kozawa
0
このシリーズは面白くていいなぁ。戦後どのように変化したかも書かれている。欧州側におけるロシアのプレゼンス、中央アジアの抱える経済問題、極東における特に中国との間を中心にした現状と今後は、日本の経済外交でも無視できないところでは。2011/12/01