内容説明
裁かれるのは検察官!?法律家には書けない裁判員の本質とは?裁判の流れから死刑判決の心構えまで。
目次
第1章 刑事裁判は、どういうルールのゲームなのか
第2章 「推定無罪」、とはどういうことか
第3章 裁判員はちゃんと役目を果たせるのか
第4章 裁判員制度はこれでよかったのか
第5章 裁判員制度で日本の裁判はよくなるか
付録 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)
著者等紹介
橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年神奈川県生まれ。1972年東京大学文学部社会学科卒業。1977年同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授。社会学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やもち
2
刑事裁判や裁判員について勉強になった。一番の衝撃は「刑事裁判で裁かれるのは、検察官である。被告人ではありません。」ってとこ。へぇ、全然知らなかった~。で、刑法は裁判官に対する命令なんだって。あと、「推定無罪」もよくわかった。多くの人がきっと思っていると思うが、私も裁判員には選ばれたくはない。大変そうだし。けど、選ばれたその時には、職務をまっとうしたい。この本は裁判員制度導入前に書かれた本(2009年6月)なので、導入のその後の本も読んでみたい。2015/01/05
otakichi
2
裁判員制度の開始に合わせて書かれた本のようだが、「刑事裁判においては裁かれるのは検察官」「推定無罪とは」などなど、実は裁判の大原則にもかかわらず日本人が案外よく知らないことが分かりやすく解説されている良書。2009/12/20
らりるれろ
1
刑事裁判は、検察官の作った起訴という仮説が、疑いなく成立するか否かを議論する場。それがよく分かった。2015/01/20
takizawa
1
法学は、私の専門。橋爪先生は社会学の大御所。この本を書くにあたり、団藤先生や川島先生の本を読んだと書いてあったので、私は安心して読むことができた。アメリカの陪審制度の背景として、地縁等コネのない社会であること、キリスト教の偽証罪の教えがあることなんかが指摘されていた。法律ばかりやっているとなかなか得難い視点なので面白い。ところで、占領統治下の沖縄では陪審制やってたんじゃないのかな(ノンフィクション逆転事件ってまさにそれで問題になったんだよね?)。なぜそのときの運用を参考にしないのだろうか。2009/06/28
papamitra
0
近代裁判制度の原則と、それに基づいた裁判員の果たすべき役割や心構えの紹介、裁判員制度の問題点などを非常にわかりやすく解説している。ただ、筆者の意見があらわれるところがどうもよくない。原理原則をやたら強調したかと思えば、現実的な話になったり、いまいち関係の薄い話をしたり、教科書と銘打つわりには自身の主張を前面に出し過ぎていると感じた。あと、「さっきの議論は(中略)死刑は苦役ではない、と前提していることになります。」(p221)は無茶だとおもった。2009/06/27