内容説明
民主主義は必ずしも持続可能な発展を保証しないし、民主主義が持続可能な発展の不可欠の前提条件というわけでもない。それどころか、ときとして相互に敵対しさえする。民主主義の制度の下で、民主主義の正規の手続きに則って、持続可能な発展を阻害する近視眼的な公共政策が次から次へと決定され実施されることがあるという、民主主義の「病理」をどうすれば克服することができるのか。本書は、この難問に挑戦しようとしたものである。
目次
持続可能な発展に資する民主主義の理念と制度―民主主義の近視眼とその克服
第1部 環境ガバナンスを支える民主主義の理念(環境政策における政治的決定の意義―民主主義の活用による政策的選択肢の拡大;環境ガバナンスと民主的アカウンタビリティ―グローバリゼーションの視点から;グローバルな環境ガバナンス―シティズンシップ論を超えて;環境ガバナンスの政治的条件について―民主的な環境ガバナンスにおける専門家の役割を求めて;公共性からみた環境ガバナンス―国家目的の再検討)
第2部 環境ガバナンスを支える民主主義の制度と役割(環境ガバナンスと政策づくり―環境目標と環境指標をめぐって;環境ガバナンスにおける市民の役割―いま、市民に何が期待されているのか;民主主義を支える市民教育のあり方―よき市民になるための条件とは;ガバナンス改革と政策評価―新しいガバナンスの基盤として;地球化時代の市民の環境への権利と義務―エコロジカル・シティズンシップの意義と可能性)
著者等紹介
足立幸男[アダチユキオ]
1947年生まれ。京都大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。現在、関西大学政策創造学部教授。京都府立大学公共政策学部客員教授。京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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