昆虫の哲学

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  • サイズ B6判/ページ数 212,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622079880
  • NDC分類 486.1
  • Cコード C0040

出版社内容情報

人間は昆虫をどう考えてきたか? 尺度と形態、ハチやアリの王/女王問題、昆虫の政治、生態と環境など刺激的主題で語る科学エッセイ人間は昆虫をどう考えてきたのか、という問いに科学哲学から答えようとするアリストテレスはクモやサソリまで昆虫に入れていたし、18世紀フランスの博物学者レオミュールはワニまで昆虫に分類することを提案していた。また、人間に比してはるかに小型なその存在は、スケール効果にかんする議論のきっかけとなった。ハチやアリの巣に君臨しているのは王か女王かも、さんざん論じられた謎だった。昆虫学者の文体はプルーストのような作家にも影響をあたえ、社会生活をする昆虫は、共和制、王制、奴隷制度、労働といった人間社会の制度をめぐる議論とかさねられた。
本書は「法の哲学」「芸術の哲学」「科学の哲学」「自然の哲学」などと同じ意味で「昆虫の哲学」だ、と序文にある。古代から現代まで、昆虫をめぐって人間が考えてきたことを、ダーウィン、ファーブルはもちろん、多角的にふりかえり、生物多様性、ユクスキュルの環境世界論、デリダの動物論にまで言い及ぶ、刺激的な科学エッセー。

序文

第一章 微小の巨人
大きさ――平凡な概念の複雑さ
尺度(スケール)の変化
絶対的大きさという概念

第二章 コガネムシへの限りない愛
分類の基本
奇怪なワニ
境界線の問題
自然分類法
ダーウィンと変異する子孫
方法論の革命
まだ存在しなかったとき、昆虫は何であったのか?

第三章 昆虫学者の視線
作家と昆虫学者
活劇物語
風俗劇
ラ・フォンテーヌの寓話
昆虫の仕事
昆虫学者の文体
昆虫学者に向けられる視線

第四章 昆虫の政治
王それとも女王?
アマゾネスと顕微鏡
競合するパラダイム
共和制か君主制か
昆虫のあいだの不平等について
戦争と奴隷制
進化と社会
動物の社会?

第五章 個体の本能と集団的知能
クモとクモの巣
ミツバチと巣房
神の意図か、自然選択か
個体と超個体

第六章 戦いと同盟
蜂蜜、蜜蝋、絹
害虫と病原体の媒介動物
敵の敵
受粉――自然の秘密

第七章 標本昆虫
擬態
カムフラージュ
ショウジョウバエと遺伝学
社会生物学

第八章 世界と環境
ボディープラン
散歩者、イヌ、マダニ
現象学と動物学
動物行動学と動物の倫理

謝辞

訳者あとがき

参照文献
人名索引

ジャン=マルク・ドルーアン[ジャンマルクドルーアン]
1948年生まれ。フランスの科学史家。高校で哲学を教えた後、国立自然史博物館准教授に任命され、アレクサンドル・コイレ・センター副所長、国立自然史博物館の人間・自然・社会部門のメンバーとなる。2004年から、科学史・科学哲学の教授として後進の指導、常設展示と特別展の企画に加わった。2008年退官後は、研究、執筆、講演の日々を送っている。著書に『エコロジーとその歴史』(ミシェル・セール序文、1993)『哲学者の植物標本』(2008)など。2014年、『昆虫の哲学』(2014〔辻由美訳、みすず書房、2016〕)によりアカデミー・フランセーズの「モロン・グランプリ」を受賞。

辻由美[ツジユミ]
翻訳家・作家。著書『翻訳史のプロムナード』(1993、みすず書房)『世界の翻訳家たち』(1995、新評論、日本エッセイストクラブ賞)『カルト教団太陽寺院事件』(1998、みすず書房)『図書館で遊ぼう』(1999、講談社現代新書)『若き祖父と老いた孫の物語 東京・ストラスブール・マルセイユ』(2002、新評論)『火の女シャトレ侯爵夫人 18世紀フランス、希代の科学者の生涯』(2004、新評論)『街のサンドイッチマン 作詞家宮川哲夫の夢』(2005、筑摩書房)『読書教育』(2008、みすず書房)ほか。訳書 ジャコブ『内なる肖像 一生物学者のオデュッセイア』(1989、みすず書房)ジェルマン『マグヌス』(2006、みすず書房)ポンタリス『彼女たち』(2008、みすず書房)アラミシェル『フランスの公共図書館 60のアニマシオン』(2010、教育史料出版会)チェン『ティエンイの物語』(2011、みすず書房)同『さまよう魂がめぐりあうとき』(2013、みすず書房)ドゥヴィル『ペスト&コレラ』(2014、みすず書房)ドルーアン『昆虫の哲学』(2016、みすず書房)ほか。

内容説明

アリストテレス以来、人間は昆虫をどう考えてきたのか?ファーブルとダーウィンを軸に、社会構造、生物多様性、環境世界まで論じる刺激的な科学エッセー。

目次

第1章 微小の巨人
第2章 コガネムシへの限りない愛
第3章 昆虫学者の視線
第4章 昆虫の政治
第5章 個体の本能と集団的知能
第6章 戦いと同盟
第7章 標本昆虫
第8章 世界と環境

著者等紹介

ドルーアン,ジャン=マルク[ドルーアン,ジャンマルク] [Drouin,Jean‐Marc]
1948年生まれ。フランスの科学史家。高校で哲学を教えた後、1994年、国立自然史博物館准教授に任命され、アレクサンドル・コイレ・センター副所長、国立自然史博物館の人間・自然・社会部門のメンバーとなる。2004年から、科学史・科学哲学の教授として後進の指導、常設展示と特別展の企画に加わった。2008年退官後は、研究、執筆、講演の日々を送っている。『昆虫の哲学』によりアカデミー・フランセーズの「モロン・グランプリ」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

9
奇妙な題名に惹かれて手に取りました。8章からなり、アフォリズム集としても読み応えがあります。①習慣は本能にかかわる。種の個々の成員の本能がその社会の統一性をになっている(137)、②昆虫とともに生きようと模索することは、最適な共存の条件を模索すること(165)、③コレクションの有用性は分類学に寄与するだけでなく、生物多様性のメカニズムの理解の助けになる(168)、④われわれは人間以外の被造物に対しては、恩恵と慈悲という義務を負っている(モンテーニュ)。昆虫は技術と認識の問題が問われる最小の生き物(205)2017/02/22

R As Well

5
進化論を受け入れている我々からすると想像しがたいが、ファーブルの時代、昆虫について緻密な観察を行おうとする姿勢は、神が考案し、デザインした世界の仕組みを細部まで理解しようとする敬虔な態度によって裏付けられていた。何かひとつテーマを置いてそれに関わる人間の歴史を順を追って紐解き、整理するだけでたいてい面白くなるもので、本書はそのテーマに「昆虫」を採用している。人間の生活と密着した存在だけに、蜂の巣の構造の持つ数学的精密さが「神の意思」が存在する証拠として扱われていた話など、面白いエピソードが多かった。2020/02/07

りょんりょん

1
人類が昆虫をどう捉えてきたのか、利用してきたのかを昆虫学者はもちろん様々な分野の学者たちの文献や発言を用いて論じている。哲学的な言い回しは難しくてなかなか読み進まないし理解出来ているかも怪しいけど、間違いなく面白い本だった。社会性昆虫を取り上げた章は特に、人間主観の是非について非常に考えさせられる。2017/04/09

パン太郎

0
昆虫好きには(多分)ニヤニヤしながら読める本として。部屋に予想外の虫を見つけてぎゃーとか言ってしまう自分のような人には、目から鱗のヒントを得られる本として。それぞれに楽しめます。2017/08/23

takao

0
うーん。2017/03/02

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