出版社内容情報
日本人はなぜノーベル経済学賞を取れないのか!? 輸入学問である経済学に日本人がいかに取りくんできたか。幅広い視点から、江戸時代から現代までの軌跡を歴史として探究、評価する。俗世間の真中にある経済学について縦横無尽に語った85講話。
目次
第1章 江戸時代の経済思想
第2章 明治初期と輸入経済学
第3章 明治後期と大正初期
第4章 大正後半から昭和初期
第5章 戦後から四半世紀ほど
第6章 近代経済学とマルクス経済学の相克
第7章 近代経済学の全盛とマルクス経済学の衰退
第8章 近代経済学の一人舞台か?
第9章 女性の経済学者
第10章 経済学者は政策の形成と学問に貢献するか
著者等紹介
橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
1943年生まれ。小樽商科大学、大阪大学大学院、ジョンズ・ホプキンス大学院で教育を受ける。Ph.D.、京都大学経済学博士。阪大、京大教授を経て、同志社大学特別客員教授、現在は京都女子大学客員教授、京大名誉教授。その間フランス、アメリカ、イギリス、ドイツで研究・教育を行う。さらに、経済企画庁、日本銀行、経済産業省などの研究所で客員研究員を経験。元・日本経済学会会長。専攻は労働経済学、公共経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿童子
36
経済学専攻の大学生向けの入門本のようにも思えるが、戦前戦後の経済学界の事情がわかって面白い。マルクス経済学(マル経)が近代経済学(近経)に押されて風前の灯火になっている理由、日本人のノーベル経済学賞が出ない理由など、よく読むと面白い小ネタが混ざっている。竹中平蔵も取り上げているが、そうか、あの人も経済学者だったのか。理論よりも各学派の人物紹介としての経済学史。軽く読めます。2019/11/12
お抹茶
1
経済学者の足跡を辿る。明治初期にはイギリス流の自由主義に立脚した古典派経済学が優勢だったが,日本がドイツの社会経済組織を理想とするようになると,ドイツへの留学生も増え,歴史学派経済学の勢いが増した。1950~1970年代に日本人が貢献したのは数理経済学。日本最初の国際的に知名度の高い経済学者は,森嶋通夫,宇沢弘文,根岸隆。旧帝国大学の経済学部では戦後もマルクス経済学が強く,卒業した高級官僚や企業経営者が階級対立のデメリットを消すような政策を採用した。2021/01/09
Q
0
経済学者の勉強術を書いた梶井氏に読んでもらいたい。一般が期待するのは自慢ではなく、人物譚。2020/01/18
チャーリイ
0
初版第1刷だとしても誤字が多すぎる。係り受けが変な文も多く、内容も行ったり来たりしている。筆者の主観的感想が多い割に、理論の説明はこぢんまりとしていて、理論史というよりも学者列伝の感。2019/10/29