内容説明
３０年来の改憲派憲法学者が、政府が示した“１５事例”と、集団的自衛権問題の論点を徹底解説する。
目次
第１章 「集団的自衛権」の定義は、たったひとつ。この問題は「わかりにくい」と思ったら負けだ！
第２章 一読で丸わかり！「個別的自衛権」と「集団的自衛権」
第３章 「憲法解釈」はどこまで許されるのか？
第４章 安倍政権は何をしようとしているのか？
第５章 「集団的自衛権」と「集団安全保障」の違いとは？
第６章 「立憲主義」を教わらなかった日本人
著者等紹介
小林節［コバヤシセツ］
慶應義塾大学名誉教授、弁護士。法学博士、名誉博士（モンゴル、オトゥゴンテンゲル大学）。１９４９年東京都生まれ。１９７７年慶大大学院法学研究科博士課程修了。ハーバード大学ロー・スクール客員研究員等を経て、１９８９～２０１４年慶大教授。その間、北京大学招聘教授、ハーバード大学ケネディ・スクール・オヴ・ガヴァメント研究員等を兼務。２０１４年慶大名誉教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
24
集団的自衛権：他国（同盟国）の戦争に加担すること（１５頁）。自公は憲法泥棒（２１頁～）。公明党と創価学会。仏教、日蓮宗と思うが？ 安倍首相の積極的平和主義：戦争のない社会のために戦争をする矛盾を孕む（３３頁）。軍拡ではなく、起こさない軍縮が問われるべきであろう。第２章は個別的と集団的自衛権の相違事例を紹介している。砂川事件は集団的自衛権と無縁で、根拠不足を補おうとした証拠（１１１頁）。そこまでして急ぐなら、放射能封じ込めや減税に着手が先。2015/06/27
リョウ
9
ちょうど集団的自衛権について国会で議論していることに出された本。政府が提示する15事例について、どれも個別的自衛権や法律の解釈により対処可能なものだという。正直、白熱しすぎていて論理が飛んでいると思われる部分も多いが、現在の解釈上不明確なので集団的自衛権を認めることとします、という政府の論理がおかしいと言うことは分かった。一番怖いのは、現政権は集団的自衛権の外延を制限していても、将来の政権まで縛る術がなくなってしまうこと。本来はそれが憲法の役割なのに、解釈によってそれを乗り越えてしまうこと。2016/08/24
みじんこ
8
今の安保法制に関わる疑問をこれ一冊で解決できる。著者はほぼ全て個別的自衛権や現行法の整備で対応できるとする立場。序盤で集団的自衛権限定容認に対する賛成派・反対派の意見にそれぞれ憲法学者として見解を述べている。取り上げているのは本当によく見かける意見ばかりであり、参考になる。次に、政府の15事例は本当に集団的自衛権でなければ対処できないのかを全て図解して説明しているので分かりやすかった。最後の章は「立憲主義を教わらなかった日本人」、確かに教わった記憶がない。人権や平和主義も大事だが、これこそが憲法の根幹だ。2015/06/28
ceskepivo
7
安保法制反対の著者の立場が分かりやすく書いていある。この問題の議論は、根本的なところで目的と手段が混同されていたり、複数の論点が一括りにされていたりと整理されていない印象。第６章の「立憲主義を教わらなかった日本人」は納得。国家権力対国民の関係において、六法のうち、憲法は他の法律と方向性が異なる。「『政府の権威や合法性は、憲法の制限下に置かれている』という考え方が、立憲主義である。しかし、この大切な立憲主義の精神が日本の教育課程において、どの段階でも教えられていないようだ」、確かに。2015/07/12
読書家目指すで
3
集団的自衛権が国会でどのように説明されているか、知るのに一番適した本。2016/02/15
