平凡社新書<br> 内部告発の時代

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平凡社新書
内部告発の時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 265p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582858136
  • NDC分類 335.15
  • Cコード C0234

出版社内容情報

社会正義か、組織への裏切りか──。オリンパス事件の第一通報者と、それをスクープした記者が現代における内部告発の意味を問う。

《目次》

はじめに

? 内部告発をめぐる現在 山口義正 

1 何が告発に駆り立てるのか

何を支えにどう闘ったか/障害者支援施設での日常的な暴行

自らに向けられた矛先/利用者家族たちの反発/経済的な負担と人間不信

告発者の「次のステップ」/社会の暗部に光を当てる/内部告発案件に共通する困難さ

「いい人」が多い組織ほど要注意/簡単には変わらない企業風土

2 止まらない連鎖

自己防衛の手段としても/オリンパス事件の発端となった事業計画書

決定的な情報ほど小さなミスから漏れる/トナミ運輸の岩窟王/串岡さんを支えた“怒り”

公益通報者保護法の問題点/ハイテク機器を駆使した告発

数多くいたオリンパス社内の情報提供者

3 社会の中で変わる位置づけ

“裏切り”から“有効活用すべきツール”へ/子会社から発覚した東洋ゴムの免震偽装

日常に入り込んできた内部告発/告発が告発を呼んだ東芝/東芝の内部告発者は正体不明

流出した「隠蔽工作」メモ/東芝の経営者が心すべきこと/反発を招く締め付け

薄れるばかりの忠誠心/密告と内部告発/告発者に冷たいのは日本だけか

4 いかに告発するか──成功と失敗を分かつ条件

それぞれのメディアにはタブーがある/通報先の選択肢は狭い

メディアはあくまで伴走者/組織内の同調者は不可欠

弁護士や経営コンサルタントは有効か/地域を牛耳る学閥を敵に

守られなかった告発者の個人情報/経済界の顔色をうかがう消費者庁

内部告発者に必要な条件/内部告発状と怪文書の違い/ストーリー性を持たせる

告発状の実例/事務的で淡々とした筆致/川上と川下からの挟撃

内部告発はスピード重視で/現場は美談ばかりではない

? オリンパス事件の真相 深町隆 

1 なぜ粉飾決算に走ったか

組織は時に暴走する/オリンパスという会社/人材のアンバランス/「飛ばし」とは何か

次期社長候補の突然の辞任/菊川体制の確立

2 不正に気づいた経緯

決算に現れた兆候/不可解な三社買い増し/ITX買収の経緯/本社ビルの主

「2ちゃんねる」の書き込み

3 ジャイラスの買収

突然の買収発表/きわめて割高な買収金額/金融コンサルタントの暗躍

巨額のFA手数料の本当の理由/オリンパスの決算・情報開示体制

好決算に紛れた三社の買収

4 二〇〇九年委員会と監査法人解任

リーマンショック/監査法人からの指摘/分析機事業の突然の売却/過去最悪の赤字

強硬だったあずさの姿勢/二〇〇九年委員会/菊川氏の激怒とあずさの解任

オリンパスは「フグ」

5 尾瀬の密会

浜田氏の内部通報事件/「王様の耳はロバの耳」/ジャイラスの優先株取得

アナリストからの指摘

6 「飛ばし」の最終処理

ITXの完全子会社化/一気に老け込んだ菊川社長/高額な役員報酬

膨らみ続ける三社の債務超過額/ウッドフォード氏の社長就任/内部監査部門の切り離し

監視される社内メール

7 長期の損失隠しを可能とした背景

オリンパスの企業統治/硬直した人事制度と情報の分断/オリンパスの人材登用方法

取締役会、監査役会、監査法人の無力化

8 月刊誌ファクタの追及

「犯罪の匂いがする」/記事への社内の反応/ウッドフォード氏の解任

奇怪な「闇株新聞」/銀行は何を知っていた?/損失隠しを公表

9 見せかけの経営刷新と改革

救いの神様/「経営改革委員会」の本性/「腐った中心部」の温存

東証の上場維持決定の背景/ウッドフォード氏の撤退/新経営体制の発足

合格点ギリギリの内部管理体制/関与社員の処分の実態

日本取締役協会の緊急意見/稲盛和夫氏の教訓/その後も続く不祥事

10 総括

社会と乖離するオリンパスの「常識」/真の再生への処方箋/求められる説明責任



おわりに



深町 隆[フカマチ タカシ]
オリンパス事件第一通報者、現役社員。

山口 義正[ヤマグチ ヨシマサ]
1967年生まれ。愛知県出身。法政大学法学部卒。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞社証券部記者などを経て、現在は経済ジャーナリスト。月刊誌『FACTA』でオリンパスの不透明な買収案件を暴き、第18回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞を受賞。著書に『サムライと愚か者──暗闘オリンパス事件』(講談社)。

内容説明

自分が属する組織が不正に手を染めているのを知った時、あなたならどうするか―。近年、不正会計や食品偽装、医療事故など、さまざまな組織で内部告発が増えている。一方で、「内部告発=裏切り」という考え方も根強く、告発が成功しても周囲が離れていくことも少なくない。オリンパスを告発した現役社員と記者が現代における内部告発の意味を問う。

目次

1 内部告発をめぐる現在(何が告発に駆り立てるのか;止まらない連鎖;社会の中で変わる位置づけ;いかに告発するか―成功と失敗を分かつ条件)
2 オリンパス事件の真相(なぜ粉飾決算に走ったか;不正に気づいた経緯;ジャイラスの買収;二〇〇九年委員会と監査法人解任;尾瀬の密会;「飛ばし」の最終処理;長期の損失隠しを可能とした背景;月刊誌ファクタの追求;見せかけの経営刷新と改革;総括)

著者等紹介

深町隆[フカマチタカシ]
オリンパス事件第一通報者、現役社員

山口義正[ヤマグチヨシマサ]
1967年生まれ。愛知県出身。法政大学法学部卒。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞社証券部記者などを経て、現在は経済ジャーナリスト。月刊誌『FACTA』でオリンパスの不透明な買収案件を暴き、第18回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kanaoka 56

7
粉飾決算は経営者が主導するのであるが、その周囲にいる多くの従業員を取り込んで行われる。彼らの多くが、サラリーマンだから従うしかないじゃないか、原因は経営者のみが負うべきものと自らに言い訳をしながら積極的に関与していく。逆に報われなかった者は愛憎相半ばするが如く、個人利益を捨ててまで情念をもって内部告発に及ぶという日本的内部告発の図式もある。日本の粉飾を無くすには、空気に合わせる甘い姿勢を許さない厳格さ、従業員を含めた関与者全てに民事・刑事の相応の罪を負わせる法整備であろう。2016/06/03

Kazuo Ebihara

2
深町隆は、オリンパス不正の第一内部通報者。 山口義正は、元日経新聞の記者で、 この案件を雑誌『ファクタ』に初めて書き、 ウッドフォードによる告発に繋げた。 本書では、前半で内部告発の事例から見える通報者リスクや課題を、 後半でオリンパス不正が、表に出るまでの経緯を著した。 いや別に、内部告発するような ネタ持ってませんから。オレ、パス。 2016/09/05

プレミアムモルツ

2
、内部告発を弁護士等が体系的に紹介した本は結構あるが、内部告発者と内部告発を受け止めたジャーナリストによる共著は異色だ。内部告発者の苦悩や勇気を出しての告発がほとんどが報われることがない実態がよく分かる。また内部告発に対するマスコミ側の内部事情も興味深かった。個人的にはさらに、内部告発を受けた担当者や取締役、さらには内部監査部門や監査役等の対応や本音も知りたいと思った。2016/06/29

sura_jiro

2
内部告発をする側のリスクの話が前半で、オリンパスの事件とその後の話が後半となります。オリンパス事件に詳しい方は既知のことが多いと思いますが、内部告発とはどのようなことなのか、改めて考える際の参考となるのではないでしょうか。2016/07/18

Go Extreme

1
内部告発をめぐる現在: 何が告発に駆り立てるのか 止まらない連鎖 社会の中で変わる位置づけ いかに告発するか─成功と失敗を分かつ条件 オリンパス事件の真相:  なぜ粉飾決算に走ったか 不正に気づいた経緯 ジャイラスの買収 2009年委員会と監査法人解任 尾瀬の密会 「飛ばし」の最終処理 長期の損失隠しを可能とした背景 月刊誌ファクタの追及 見せかけの経営刷新と改革 総括: 社会と乖離するオリンパスの「常識」 真の再生への処方箋 求められる説明責任2022/06/30

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