内容説明
一説によると野球の発祥地でもある北米最大の都市ニューヨーク。十九世紀以来の百年以上、街は野球とともに歩みを進めてきた。ヤンキーズのお膝元ブロンクス、ドジャーズの記憶が残るブルックリン…。ニューヨークを構成する全五区をめぐり、街角に漂うベースボールの詩情を探す。
目次
第1章 ブロンクス―「ニューヨーク・ニューヨーク」に聴きほれて
第2章 マンハッタン―野球の記憶に満ちた「島」
第3章 ブルックリン―「最も愛された球団」の記憶
第4章 クイーンズ―ナ・リーグ野球の伝統を引き継ぐ
第5章 スタッテン・アイランド―ニューヨークらしくないニューヨーク
終章 新球場で新時代へ
著者等紹介
宇佐見陽[ウサミヨウ]
1959年東京生まれ。立教大学経済学部卒業後、企業勤務。88~94年、ニューヨークを中心に米国東海岸に駐在。業務のかたわら北米の野球を研究、執筆活動を行う。アメリカ学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかやん
17
本書は野球を軸とした2007年当時のニューヨーク5地区の街歩き本。その中でヘミングウェイ「老人と海」、Pオースター「幽霊たち」らの小説内でも登場する過去の「NYの顔」たちにも言及する。ただこの「NYの顔」たちはそれぞれ活躍時期も所属チームも人種もバラバラ。彼らを読み解くことは即ちその当時のNYを、アメリカを読み解くことにもつながっていく。野球に特別興味がなくても、NYやアメリカを知る意味でもいい本だなぁというのが一冊通じての印象。もちろん野球ファンにはベースボールの匂いを堪能できる。2017/02/24
yyrn
4
読メを始めてこれまで興味のなかった分野の本を色々教えられて視野が一気に広がり大変感謝しているが、ただ、読メでがっかりなのは、こういう面白いスポーツ関連本を紹介する者が極端に少ないことだ。読メの登録者はインドア派が多いのか?スポーツを愛する者はしあわせである。その中でも特に野球は考える「間」があるからイイんだ、なんてことを言う人もいるが、それよりなにより野球は毎日やっているから、たぶんイイのだ。もうすっかり生活の一部になっている。そんな野球のニューヨークにまつわる百年間の話と5区ごとの街歩きを兼ねた本。2016/09/28