出版社内容情報
感染症の危機、経済の危機の次は、社会保障の危機である。生活保護、医療、介護、年金の現状と対策を、社会保障研究の第一人者が解説・提言。さらに、消費税と社会保障費の切り離しを訴え、ベーシック・インカムの可能性について検討する。
【社会保障の大問題とその解決策の例】
◆生活保護:「働くと負け」状態→求職者支援制度を活用すべき ◆医療:都市と地方の病床数格差→開業医の報酬を減らせ、地方版の「中央社会保険医療協議会」を作れ ◆介護:壮絶な人手不足(訪問介護ヘルパーの有効求人倍率は14.75倍)→保険と保険外の混合介護の導入、家族介護に現金給付 ◆年金:将来純負担(現在の現役層および将来世代の「支払い損」の金額)1100兆円→マクロ経済スライド(年金カット)をフル稼働させよ ◆財源:消費税と社会保障費を切り離せば、消費税減税が可能になり、社会保障改革も進む
大阪市・東京都の特別顧問を経験し、政策実務を熟知している研究者が、現実的な分析・提案を行う。
内容説明
感染症の危機、経済の危機の次は、社会保障の危機である。生活保護、医療、介護、年金は、今どのような状況にあり、どのような対策を立てるべきなのか。社会保障研究の第一人者が、「生活保護はいったん受給すると抜け出すのが困難になる。求職者支援制度を活用すべき」「本来毎年少しずつ行うはずだった年金支払額のカットが、17年間で3回しか行われていない」などと問題点を指摘する。さらに、「消費税と社会保障費を切り離せば、消費税減税も可能になり、社会保障改革も進む」と提言。終章ではベーシック・インカムが可能なのかどうかについて検討を行う。
目次
第1章 新型コロナ対策と経済をどう両立させるか
第2章 戦後最大の経済対策はやりすぎか
第3章 「働くと負け」の生活保護制度をどうするか
第4章 医療崩壊はなぜ、簡単に起きてしまうのか
第5章 目前に迫る介護崩壊
第6章 デフレで終了する「年金100年安心」
第7章 コロナ禍の中でこっそり通った年金改革法案の謎
第8章 消費税減税は実施可能
第9章 ベーシック・インカムは実現可能か
著者等紹介
鈴木亘[スズキワタル]
学習院大学経済学部教授。1970年生まれ。1994年上智大学経済学部卒業後、日本銀行を経て、2000年大阪大学大学院博士後期課程単位取得退学(2001年博士号取得)。東京学芸大学教育学部准教授等を経て、現職。その傍ら、大阪市特別顧問として西成特区構想を担当し、東京都特別顧問として待機児童対策に尽力した「行動する経済学者」。著書に『だまされないための年金・医療・介護入門』(東洋経済新報社、日経BP・BizTech図書賞、政策分析ネットワーク賞・奨励賞)、『健康政策の経済分析』(共著、東京大学出版会、日経・経済図書文化賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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