PHPサイエンス・ワールド新書<br> ウナギ大回遊の謎

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PHPサイエンス・ワールド新書
ウナギ大回遊の謎

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569796703
  • NDC分類 487.66
  • Cコード C0240

出版社内容情報

大海原で天然ウナギの卵を見つけた! ウナギ産卵場調査の中心にいる「世界的ウナギ博士」が語る、金字塔樹立までの感動の物語。

【著者紹介】
東京大学大気海洋研究所教授

内容説明

ウナギは淡水魚と思っている人が多いが、実はニホンウナギは遠く数千キロも離れた太平洋のど真ん中で毎年、産卵していた。本書は、大海原で親ウナギが産卵する瞬間をピンポイントでつかまえたい、この究極の謎に挑んだ科学者たちの冒険の記録だ。度重なる失敗にもめげず、海山仮説や新月仮説や塩分フロント仮説などで絞り込み、ついに世界初、親ウナギの捕獲と天然卵の採取という金字塔樹立までの足跡を追う。

目次

第1章 ウナギと出会う
第2章 ウナギの七不思議
第3章 産卵場を求めて
第4章 小型レプトセファルス
第5章 仮説
第6章 潜水艇
第7章 プレレプトセファルス
第8章 親ウナギ
第9章 卵
第10章 資源と保全

著者等紹介

塚本勝巳[ツカモトカツミ]
海洋生命科学者。1948年岡山県生まれ。東京大学農学部水産学科卒業。東京大学大学院農学研究科修士課程修了。東京大学海洋研究所助手、助教授を経て、東京大学大気海洋研究所教授。農学博士。専門は魚類の回遊生態。世界で初めて天然ウナギの卵を採集、ニホンウナギの産卵場を特定するなど、ウナギ研究で前人未到の成果をあげてきた文字通りの「世界的ウナギ博士」である。2006年日本水産学会賞受賞、2007年日本農学賞受賞、2011年太平洋学術会議畑井メダル受賞、2012年日本学士院エジンバラ公賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

60
私たちが普段食べてる鰻の生態がここまで知られてなかったのが意外だった。その生態を追究する著者の活動の様子が伝わってきて良かった。2013/02/15

T

13
うなぎを飼っていたことがあるのですが、こんなに不思議な生き物だったなんて思いもよりませんでした。この本を読むまで、うなぎが海生まれで、しかも卵がどこで取れるかも長らく不明だったなどとは知りませんでした。ニホンウナギの仔魚の採取から、産卵地の特定までの偉業が、学術的すぎず体験記のように書かれていて、とても冒険心を掻き立てられる内容です。とにかく著者のうなぎ愛が凄まじく、最後はうなぎ保全について科学的に取り組んでいくことの重要性が説かれています。私は食べるより眺めていたいので、絶滅しないように願うばかりです。2021/12/15

文章で飯を食う

10
元々、大回遊や渡りをする動物は、繁殖地と生息地が気候変動などで、遠くへだってしまったことが多いらしい。ウナギは、遠くマリアナ海溝近くで産卵し黒潮に乗ってやって来るとか。その場所が確定したのが、やっと2009年。ウナギと同じように本書も、科学の大冒険の本だった。次はウナギの完全養殖の実用化だ。それが出来るまで、ウナギは食べないことだな。2014/06/28

塩崎ツトム

9
ニホンウナギの幼生、産卵個体、そして天然卵発見までのドキュメント。ウナギに関する書籍を読めば読むほど、この魚ほど面白い生態の魚は滅多に存在せず、ますます食べるだけじゃもったいないと思えてくる。2019/09/26

西澤 隆

6
レッドデータブックに掲載?という話しが出たり完全養殖のニュースがその難しさとともに伝えられたり。「身近なごちそう」だけれどなかなか難しい魚である鰻。産卵場所がはるか遠くの海であるとはトリビアとしてよく語られるが、それを正確に突き止めようとした記録が本書。考えてみれば広い広い海の中で水温などの状況で時々によって移動する狭い狭いヒトカコミを探し出すことの難しさは大変なもの。いくつもの偶然と幸運をさらに研究がたぐり寄せる。何十年もかけて次第に核心へと近づいていく感じを後追い体験できるのはなんだかうれしいのです。2018/10/19

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