出版社内容情報
遠い昔、中央アジアの山々でひっそりと咲いていたチューリップ。インド、中東を経てヨーロッパに伝わり、世界中で愛されるに至った波瀾万丈の歴史。政治、経済、芸術との関係や最新チューリップ事情も紹介。カラー図版約百点。
内容説明
遠い昔、中央アジアの山々でひっそりと咲いていたチューリップ。インド、中東を経てヨーロッパに伝わり、世界中で愛されるに至った波瀾万丈の歴史。政治、経済、芸術との関係や最新チューリップ事情も紹介。カラー図版約100点。
目次
第1章 野生のチューリップ
第2章 トルコのチューリップ
第3章 ヨーロッパへの上陸
第4章 チューリップ狂時代
第5章 チューリップと芸術
第6章 チューリップを愛した国々
第7章 植物学者と花の栽培家
第8章 プラントハンターと種苗商
著者等紹介
フィッシャー,シーリア[フィッシャー,シーリア] [Fisher,Celia]
美術史研究と保存修復の世界的権威コートールド美術研究所(ロンドン大学を構成するカレッジのひとつ)で15世紀絵画と写本に登場する花について学び、修士号と博士号を取得。現在はフリーランスの植物美術史家として活躍。キュー王立植物園や多くの美術ギャラリーでコンサルタントも務める。講演や著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
43
チューリップ大好きです。新刊コーナーにあったら手に取らずにいられません。専門的な話から始まります。チューリップの植物的特徴、分布など。トルコでの熱狂、ヨーロッパへの伝播。オランダでの熱狂。チューリップの写真、ボタニカルアート、工芸品、服飾、絵画、図版多数、参考になります。この花、誰もが目にしたことがあり、名前も知っていて、こんな歴史があること、それを知ることができる本です。気軽に読むには難しい部分もありますが、知識欲が満たされます。チューリップ、これからも世界中で愛される花でしょう。2020/12/24
りー
27
チューリップは、中央アジアの天山山脈やアルタイ山脈原産で、多様な色や形がまず、オスマン・トルコで熱狂的な流行を生む。「チューリップ」の語源はオスマン・トルコの庶民たちがターバンにチューリップを挿し、おしゃれを楽しんでいたため、ターバン=トルコ語でテュルバン→チューリップ。その後、大航海時代のオランダに渡ってヨーロッパにもチューリップ狂が広がる。ちなみにシーボルトは日本のアマナを食べられるチューリップとして紹介しており、実際、二次大戦で飢餓に苦しんだオランダ国民は球根を食べたとか。非常に楽しんで読んだ。2021/06/03
夏
25
チューリップがこんなに昔から世界中で愛されているとは思わなかった。チューリップといえばオランダというイメージがあったが、最初は中央アジアの山々に咲いており、それがトルコなどを経てヨーロッパに辿り着き、中世から近世にかけてのヨーロッパでチューリップ狂時代を引き起こしていたことにびっくりした。高値で取引されていた時代もあるといい、チューリップって身近な花だと思っていたけれど、昔は高貴な花だったんだなと思った。チューリップの歴史に絡めて、国の歴史や絵画も紹介されており、満足の一冊だった。★★★★☆2021/04/02
ルーシー
4
まずはチューリップの種類の多さに驚きました。本文中に「ツリパ・〜〜」と出るたびに画像検索しては、可愛くて上品でときに情熱的な模様のチューリップに魅了されました。歴史も面白かったです。中央アジアからトルコへ、トルコでのちょっとした勘違いから「チューリップ」という名前になりヨーロッパへ、戦争に揺れる時代のなかでも人々に愛され続けたチューリップ。園芸には興味ありませんでしたがチューリップは育ててみたいなと思わせてくれる一冊でした。2021/08/05
okimine_yuiki
3
食の図書館やお菓子の図書館でおなじみの原書房の新シリース。歴史的経緯がきちんと説明されてて面白い。チューリップでどうやってバブルになるのか不思議だったが理由が解って良かった。球根なら毎年増えるから先物取引に良いのか。17世紀オランダ絡みなのでメーリアンが紹介されないか少し期待したら少し出てきて嬉しい。昆虫はともかく花の画家には高名な女流画家は結構いるらしいので、今度は近世の植物絵画の美術書を借りたくなってきた。この本は再読予定。図書館でうっかり延長を忘れて延滞したので飛ばし読みが多い。じっくり読みたい。2021/04/07