出版社内容情報
エルメスの人気調香師による香りの手引書。香水の歴史、嗅覚のしくみから、調香師の訓練と仕事、香水の市場とマーケティング、知的所有権保護にいたるまであらゆる角度から解説。
内容説明
エルメスの人気調香師による香りの手引書。香水の歴史、嗅覚のしくみから、調香師の訓練と仕事、香水の市場とマーケティング、知的財産権保護にいたるまで、あらゆる角度から解説する。著者の代表作「地中海の庭」の創作プロセスをとおして、調香の現場にも触れることができる。
目次
第1章 こんにちの香水はどのように誕生したか
第2章 鼻と匂い
第3章 原料と素材
第4章 調香師になるための勉強
第5章 調香師という職業
第6章 香水とは
第7章 時間
第8章 マーケティング
第9章 香水を市場に出す
第10章 香水の国際市場、その立役者たち
第11章 香水を「保護」する
著者等紹介
芳野まい[ヨシノマイ]
東京都生まれ。ソルボンヌ大学文学DEA取得、東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。学習院大学ほか非常勤講師。専門は、文学・映画におけるファッション史・ダンス史、演劇翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mayu
45
最近、お家時間が増えて気分転換に香水を纏うようになって香水に興味を持ったのでこの本を手に取った。作者のジャン=クロード・エレナさんはエルメスの専属調香師だった人だ。香水の誕生から原料、調香師の仕事、香水の市場まで専門用語が沢山ならび理解までほど遠いが雰囲気を味わってもっと知りたいと思った。2020/05/27
syaori
42
エルメス専属の調香師による香水についての本。香水の素材は「ことばのようなもの」、「素材ということば」によって「物語を語る」という作者の言葉はまるで詩のよう。香水の歴史や素材について、調香師について、香水をつくるプロセスについての、その語り口は美しい調べのようで、終始うっとりと読んでいました。香水を付ける習慣はないのですが、香水を選び、その物語を身に纏う贅沢な時間を持ちたくなってしまいます。「香水を感じる、香水を嗅ぐ、それは連続する瞬間を感じること」。まさに香りを、調香師のエスプリを感じる一冊でした。2018/04/04
ふ~@豆板醤
31
4!エルメスの調香師による解説本。香水のありがたみが増した(笑)買い足すの止めて整理しなきゃ...「香水の美しさは、原材料の足し算からは生まれない」「私は匂いの剽窃者、盗人、掠奪者だ」「残念ながら、私は退屈するという能力を失った」など言葉の端々にプライドが感じられる。香水づくりを独学で学んだという著者の経歴も気になるところ。「私の「選択」からコレクションは生まれる」2017/07/10
maja
12
パラダイスの語源となる「庭園」は古代イラン語で「パリダイザ」と知った時、その言葉の響きに更紗模様や頭に浮かんだエルメスの「庭園シリーズ」。発売当時は香水のネーミングが新鮮な驚きだった。どう表現されたのか好奇心をかきたてられた。機会があれば読んでみたいと思っていた調香師の手引き書。専門書だがここならわかる「自然をその複雑さのままに複製することに、興味はない。自然をつかみ、自分の都合に従って変え、いくつかの特徴で意味を伝える・・」。 2019/10/15
ともっこ
8
人気調香師による香りの手引書。 専門的な記述もあるが一般人が香水を深く愉しむための参考にもなる。 読んでいるだけで香りの想像力を掻き立てられる。 絵画のように香水を鑑賞するのも素敵だ。 香水の芸術性を感じられるお勧め本。 2020/10/03