感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
24
ホモ・ハビリスをホモ属と見るべきか否か、という部分ではもっと新しい発見があればなあ、とうずうず。2017年での最新研究がたくさん詰まっているが、「足跡のまとめが欲しいなあ」とか、色々疑問や詳しく知りたい部分がもこもこ出てきて、自分で土を掘り返したくなった多くの素人学者の気持ちがよくわかりました。素人上等!でも、専門家さん、ありがとう!2021/04/07
Ayumi Katayama
18
一番印象深かったのはやはり「ホモ・ナレディ」か。発見者は「ホモ属最古の新種のホミニン」と称したというが年代が特定されていないのがおそらくは最大の難点なのだろう。「ホモ属最古」の称号に対する反発は小さくないようだ。とは言え、原始的な特徴と現代的な特徴の両方をあわせ持つこと、幼児から老人に及ぶ15もの個体が発掘されたこと、体のほぼ全ての骨が見つかっていることなど、興味はつきない。更に研究方法も斬新だ。「ライジング・スター」「ホモ・ナレディ」には要注目か。2019/03/24
那由田 忠
16
最新の人類進化に関する情報がある。血縁を超えて広い協力関係を結び大集団として行動する力/社会性をサピエンスが得たので、地球全体に広がった。が、ここの部分の詳しい説明がない。石器づくりの研究に驚く。300時間かけて工作法を身につけ、大学では150時間で実習させ、工作時の脳の働きを調べる研究。脳が進化しないと複雑な石器が作れない。石器作りをやったことがあるが、確かに難しかった。海辺の貝採取の発見で定住が始まったこと、やり投げのできる身体への変化や投槍器の重要さ、寿命がサルより長いなど知られていない指摘もある。2017/09/08
toshiyk
2
人類の進化についての新しい小ネタの宝庫。人類の脳の拡大要因を加熱調理に求める「料理仮説」が、火の利用を定説より大きく遡るための傍証として、火で蜂を追い払える人類を蜂の巣に導くよう共生進化しているノドグロミツオシエという鳥の存在を示す話、200万年以上に遡る最古のヒト族にして新旧の人類の特徴を併せ持つところの新発見されたヒト族(論争あり)「ホモ・ナレディ」に埋葬の習慣があった(仮説)という話がとくに興味を惹かれた。2017/06/04