超金融緩和からの脱却

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超金融緩和からの脱却

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532357061
  • NDC分類 338.3
  • Cコード C3033

出版社内容情報

限界と副作用が懸念される超金融緩和政策からの脱却が課題に。直前まで日銀審議委員だった経済学者が、異次元緩和の次を読み解く。・2016年3月末まで日銀審議委員を務め、マイナス金利導入には異議を唱えるなど、金融政策運営に関与してきた経済学者が、退任後異例の早さで刊行。アベノミクスの現状の理解と、これからを見通す上での必読書。

・限界と副作用が懸念される超金融緩和政策から、持続可能な金融緩和へ、いかに移行していくかが世界のセントラルバンカーたちの喫緊の課題。市場の追加金融緩和期待に翻弄される日本、なかなか金融正常化が進まないアメリカ、域内対立を抱えながら超金融緩和を深める欧州など、各国の金融緩和の実態と経済の現状を分析。金融政策だけでは限界がありヘリコプターマネーを提唱する最近の識者たちの議論と実践上の課題も紹介。金融緩和のこれからを読み解く。

・著者は、イエレン、フィッシャー、トリシェをはじめ世界中のセントラルバンカーたちと直接対話、白熱する議論を展開してきた。現在の金融政策を語る最適任者。



第1章 本書の目的と審議委員としての経験

第2章 金融政策を取り巻く環境の大きな変化

第3章 なぜ世界の主要中央銀行は2%の物価安定目標を目指すのか
  
第4章 金融政策の正常化に向かう米連邦準備理事会(FRB)

第5章 異次元緩和を継続する日本銀行??緩和不足批判から緩和過剰批判へ

第6章 非伝統的政策の本格的開始が遅れた欧州中央銀行(ECB)

第7章 物価の安定と金融システムの安定??どちらが優先されるべきか

第8章 金融政策と財政政策??ヘリコプターマネーと政策協調はどう違うのか

白井 さゆり[シライサユリ]
元日本銀行審議委員・慶應義塾大学特別招聘教授
本名・早由里。1963年生まれ。89年慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了、93年コロンビア大学大学院博士課程修了。国際通貨基金(IMF)エコノミスト、慶應義塾大学総合政策学部教授等を経て、2011年から2016年3月末まで、日本銀行審議委員を務める。著書に、『日経プレミア ユーロリスク』『欧州迷走』『欧州激震』(いずれも日本経済新聞出版社刊)などがある。

内容説明

最新の理論と実務、双方に精通した著者が非伝統的金融政策の出口を読み解く。マイナス金利の先を見通す必読書!3月まで日銀審議委員を務めた経済学者による緊急出版。ヘリコプターマネーの効果と実践上の課題も詳述。

目次

第1章 本書の目的と審議委員としての経験
第2章 金融政策を取り巻く環境の大きな変化
第3章 なぜ世界の主要中央銀行は2%の物価安定目標を目指すのか
第4章 金融政策の正常化に向かう米連邦準備理事会(FRB)
第5章 異次元緩和を継続する日本銀行―緩和不足批判から緩和過剰批判へ
第6章 非伝統的政策の本格的開始が遅れた欧州中央銀行(ECB)
第7章 物価の安定と金融システムの安定―どちらが優先されるべきか
第8章 金融政策と財務政策―ヘリコプターマネーと政策協調はどう違うのか

著者等紹介

白井さゆり[シライサユリ]
1963年生まれ。1989年慶應義塾大学大学院修士課程修了、1993年コロンビア大学経済学部大学院博士課程修了(Ph.D.取得)。1993年から1998年まで国際通貨基金(IMF)エコノミスト。1998年慶應義塾大学総合政策学部助教授を経て、2006年同大教授。2007年から2008年までパリ政治学院客員教授。2011年から2016年まで日本銀行政策委員会審議委員。現在、慶應義塾大学総合政策学部特別招聘教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

13
白井さんは元日銀政策委員会・審議委員。「欧州激震」「欧州迷走」に続き3冊目です。任期満了退任での満を持した上での1冊です。マイナス金利導入時に反対票を投じただけに、日銀の金融政策、出口戦略、金融・財政の政策協調の議論には目を見開かされる所がありました。代表的なマイナス金利反対の論拠は、①提案内容の詰めが不十分、②政策の順序づけの整合性の欠如、③対外広報戦略が不十分というものですが、注目すべきは、出口戦略、政策協調も同様ですが、③対外広報戦略を一貫させていること。確かに金融政策に対話が少ないのは欠点です。2017/08/13

Kentaro

5
ダイジェスト版からの感想 そもそも主要中銀がなぜ2%を目指すのか。本来、物価安定とは「物価が上昇も下落もしない状態で、インフレがゼロ%程度で推移する状態」を指している。あえて2%を掲げる理由は、デフレに陥るリスクを減らすために必要だと、世界で共有されているからです。もう1つの理由は、将来の景気後退局面に備えて金融政策による対応力や機動性を高めておくためです。最後に、世界の主要中銀の物価安定目標が2%程度に収斂している中で、日銀だけが低い目標を目指すと、長期的には円高傾向が強まる可能性が示唆されるからです。2018/03/24

kiki

4
中央銀行の物価安定とは、物価が上下せずインフレが0%程度で推移すること。2%のを掲げる理由はデフレがインフレより望ましくなく、デフレリスクのバッファとしているため。インフレは短期金利を高め、将来の金利引き下げ率を確保できる。フォワードガイダンスは、中銀が将来の短期金利の政策方針を市場に伝える手段。短期金利がゼロ近傍でこれを長く継続を表明すると長期金利が下押しさら景気が刺激される。国債長期金利が低下して割引率も低下して社債・株式などの価格が上昇。資金調達コストも下がり投資案件が増えて景気が刺激される。2017/01/21

速読おやじ

3
金融の(一応は)前線で働くものとして、日米欧の未曾有の金融緩和の出口はどうなるのだろう、、というヒントになるかなと思って一読。低成長、低インフレを受け入れた上で、どこまでマイナス金利を続ければいいのか。時限爆弾を抱えたままのような気がして心配。中央銀行の元々のゴールは物価安定ではあるけれど、リーマンショックのような金融危機を防ぐ=金融システム安定もかなり重要になってきた。そんな中、今の中銀トップは大変だろうなあ。2016/09/14

強粘結炭

2
著者は元・日銀政策審議委員。この手の本は結構出てきている印象があるが,他の方もコメントされているように,この本の特徴は,(1)マイナス金利政策について詳しいこと,(2)BOJだけでなくFedやECB等の他先進国の非伝統的金融政策もカバーしていること,(3)あまり委員としての奮闘記っぽくない構成であることがあげられる。 よって出版年も少し過去になるが,教科書的な使い方ができ有用であると思われる。また巻末に参考にした論文等が明記してあり,興味があれば深掘りして勉強することもできる。2018/07/03

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