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日本の水産業は復活できる!―水産資源争奪戦をどう闘うか

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532355173
  • NDC分類 662.1
  • Cコード C0062

内容説明

四方を海に囲まれ豊富な資源と絶好の漁場を持ちながら、なぜわが国の水産業は衰退の一途を辿っているのか。水産業を再び活気ある産業に転換するために必要なポイントと戦略を示した、関係者必読の一冊。

目次

第1章 いま日本の水産業はどうなっているのか(四方が海、他国がうらやむ海洋大国;世界の三大漁場の一つがすぐそばに!;日本はかつて17年ものあいだ、世界最大の漁業国だった ほか)
第2章 成長産業に復活するための三つのポイント(資源管理;輸出産業への転換;労働環境の改善)
第3章 世界の潮流と再び肩を並べるために(獲らなければよかったサバ;温暖化の影響で海流の位置が変わる―沿岸国間での資源争奪戦;オホーツクから“北の魚”が消える ほか)

著者等紹介

片野歩[カタノアユム]
1963年生まれ。87年早稲田大学商学部卒業、大洋漁業(現マルハニチロ水産)入社。ノルウェーをはじめとする北欧各国の現場と市場を90年以降20年以上にわたり毎年訪れ、多くの買付交渉に携わる。1995~2000年ロンドン駐在。現在、マルハニチロ水産・水産第二部副部長兼凍魚課課長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さき@merry

8
「復活」という言葉が使われるほどに、日本の水産業が深刻な状況だということを知らなかった。しかもその根本的な原因は、よく言われる隣国の乱獲や環境の変化などではなく、日本が頑なに従来の乱獲方式から変わろうとせず、資源管理を怠ってきたからだということにショックを受けた。改革の手本とすべき成功例が既に北欧にあるというのに、動こうとしない政府に苛立ちを感じる。消費者としても漁業に関心を持ち、勉強していかなければならないと感じた。復活が不可能になる前に、改革を進めて欲しい。2016/09/06

Barranco

2
日本の水産業が抱える問題点は多岐に及ぶが、やはりボトルネックは漁獲量の低迷に尽きると思う。ではどうやって改善させるか。それは著者の言うように漁獲枠=漁獲量となる枠組みを作りそれを徹底させると共にある程度の強制力を持たせる事だが、何故それがいま出来てないのかが1番フォーカスすべき点かなと。水産資源の回復を目指すにあたり、短期的には漁業者が自力でビジネスを維持しづらくなり政策サポートはマストになるだろうが、EEZの元で広大な漁業領域を有するなら、やはり長い目で投資して成長を促していくべき領域と個人的に思う。2020/02/07

watershed

1
科学的根拠に基づき水産資源管理を行い、乱獲競争を防ぎ計画的に水揚げし漁価を安定させ投資を呼び込んで収益を増加し労働環境を改善する。意味の乏しい過当競争、長時間労働、低収益性、公的財源投入という日本の多くの産業が陥っている状況と同じ。 国際的な環境規制強化と日本の財政難という外圧により変わるシナリオを待つ。 2021/08/25

サメ社会学者Ricky

1
日本の水産業の衰退は資源管理ができていないことが原因だとしてノルウェーのような個別割当を導入すべき、というのが本書のメイン。本書が描かれたのは東日本大震災の1年後だが、現状本書で指摘された問題が劇的に改善した兆しはない。個別割当も問題がないわけではないが、今の資源管理方法の変更はやはり急務ではないだろうか。2019/12/28

こぺたろう

1
海外における漁業が成長産業であり、日本だけが衰退産業であるといういつもの問題提起に加え、本書では、IQ、ITQ制度導入にあたりこうしてはどうかと、具体的な提案も書かれている。VMSくらいは、各県の許可漁業レベルまで政策として導入した方がいい。禁止区域での操業や県境問題から来る漁業紛争を防ぐ一助になるはず。それは都道府県レベルの政策かな。やはり複数の県境のみならず国境を越えて回遊する資源があることを踏まえ、資源管理問題は国策で取り組むべき。零細なカツオやヨコワ漁師は、このままだと数年内に多くが潰れる。2016/12/25

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