内容説明
地震、火山など災害から身を守るには?地球や生命、宇宙の起源に迫る「私たちとは何か」?実用的知識と、本質的な問いを一挙に学ぶ。カラー口絵とともに理解のツボが一目でわかる図版資料満載。
目次
第1章 地球は生きている―地震と火山
第2章 地面は動く!地学におけるコペルニクス的転換
第3章 地球の歴史
第4章 地球変動による生物の大絶滅と進化
第5章 大気と海洋の大循環
第6章 地球の外はどうなっているか―太陽系と地球
第7章 進化し続ける宇宙への探求
著者等紹介
鎌田浩毅[カマタヒロキ]
1955年、東京生まれ。東京大学理学部地質鉱物学科卒業。通産省地質調査所を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地質学、科学コミュニケーション。京大での全学共通科目「地球科学入門1」は毎年数百人を集める人気講義。火山研究のほか、科学を平易な言葉でわかりやすく伝える「科学の伝道師」。96年に日本地質学会論文賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ🍀
125
地球と宇宙、大気と海洋について学ぶ学問、地学。日本列島に住む人々が、地震、火山、気象など日常の自然災害を学ぶ意味は深い。…地球内部の構造を知ると、地球が生きていることを実感できる。あんなに大きなインド大陸、ハワイ島に連なる海山。なぜプレートは動くのか。…オゾン層の重要さ。地球を守る空気の層が重なる。太陽熱と宇宙空間への放出のエネルギー収支は一定に保たれる。…海洋深層水の数千年に及ぶ地球循環は、温暖化により氷河が消失し、止まってしまうかもしれない。そのとき何が起こるのか。今の気候は確実に変化してしまいます。2019/09/01
ホークス
44
2009年刊。プリマー新書は初心者向け。地震や火山のメカニズム、地球と生物の歴史、宇宙の成り立ちまでを薄い新書に盛り込んでいる。文章も楽しく分かりやすい。物理が苦手だったので、改めて学べた。大陸移動はマントル対流による現象。地磁気は地球内部の金属が起こしており時々消滅する。地上から宇宙までの空間は思ったより複雑な構造だった。太陽系のでき上がる連続図が、単純だけどよく分かり秀逸。本書が楽に読めるのは、厳密さを控えて大掴みに書いているから。専門家にも都合はあるだろうけど、教えるためのポイントだと思う。2021/12/04
白義
25
地学と聞いて「なんだ、地面とか岩とか調べる地味な学問か」と思うなかれ(それもとっても大事だが)地球内部の立体的なダイナミズムまで解き明かすプルームテクトニクス理論に、地球と生命の歴史を彩る絶滅や大変動の探求、果ては地球以外の惑星や恒星まで、その範囲は広く、総合的でしかも今の課題や実効性に直結している。本書はそうした地学の派手な部分を凝縮して読者を案内しようとする渾身の入門書である。なぜ地震や噴火は起きるのか、冷夏の起きる理由とは、といった素人でも重要性が即座にわかる話だらけで地学の面白さが直に伝ってくる2015/06/22
ふぇるけん
18
タイトルどおり、この一冊で地学の対象分野と研究テーマが鳥瞰できる素晴らしい一冊。最後の噴火が1万年以内なら活火山なんだぁ。自分の人生を大きく超える期間をテーマに据えるスケールの大きさが地学の魅力だと感じた。プレートテクトニクスをちょっと学ぶと、大震災というのはいつ起きてもおかしくないものだということがわかる。2015/10/02
tetsu
18
★4 物理、化学、生物とちがい大学受験の科目に地学がないのでなじみが薄い人が多いが、地震国、火山国の日本では地学分野への関心がもっと高くてもいいと思う。見えない地球内部構造や気象、数億年オーダーの地球史や月の誕生など、興味深いテーマてんこ盛りです。2014/11/15