出版社内容情報
『外国語上達法』の著者による入門書が復活。「音声学」「比較言語学」「方言学」など、言語学の全体がコンパクトにまとまった一冊。解説 阿部賢一
内容説明
外国語など言葉にまじめに向き合おうと思ったら、避けて通れないのが言語学。だが、「音韻論」「比較言語学」「方言学」「言語類型論」など、言語学を学ぼうとすると押さえておかなければいけない分野は多岐にわたる。もちろんそれぞれ奥が深く、それを一朝一夕で習得することは困難だ。そこで本書では、言語学において知っておくべき事柄をキーワードごとに解説し、その全体像が一気にわかるように構成した。加えて読書案内もあるため、さらに学習しようとする人にもタメになる。古くて新しい入門書。
目次
1 言語学へのいざない(言語調査;言語学史;音声学;音韻論;比較言語学 ほか)
2 近代言語学を築いた人々(巨人ボドゥアン・ド・クルトネ;不死鳥ド・ソシュール;具眼者ビレーム・マテジウス;天才セルゲイ・カルツェフスキー;機能論者マルティネ ほか)
著者等紹介
千野栄一[チノエイイチ]
1932‐2002年。東京大学言語学科、プラハ・カレル大学スラヴ語学科卒。東京教育大学助教授、東京外国語大学教授、和光大学教授・学長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
14
音声学、音韻論、比較言語学、言語類型論、文字論等々言語学の諸方向に関するブックガイド、そして著名な研究者の評伝を通して見ていく言語学の概要。ブックガイドの前半と比べて評伝から成る後半は少し取っつきにくい。所々で荒唐無稽な日本語の起源論や、日本語が特殊な言語であるという考え方に苦言を呈しているのと、河野六郎の転注に関する議論を高く評価しているのが印象的。2022/11/25
shk
6
黒田龍之助「はじめての言語学」が科目としての入門書なら、こちらは学問に足を踏み入れようとする人向け。言語学の各分野を一つずつ取り上げ、簡潔に概説してから参考文献を各3冊程度挙げる。そう書くと無味乾燥な本なのかと思うがそれでも味気なくならず、読んで興味深い。著者は20年も前に鬼籍に入っており、自然ここで紹介される本も古い。が、本書の奥付を見ると初版2022年となっていた。古くても価値のある、読みつがれる入門書なのだと思う。参考文献をいくつかメモしたのでゆっくりのペースでも読みたい。2023/02/17
Gamemaker_K
5
言語学のそれぞれのジャンルを、共時的通時的な位置付けを示してくれる。やっぱり千野先生は偉人だな。言語学を、カジュアルにもフォーマルにも自由自在に語れるんだから。2024/04/02
ががが
5
『言語学への開かれた扉』を再編集したもの。音韻論、社会言語学、類型論といった言語学の各トピックについて簡単な解説と参考文献を挙げてある第一部と近代言語学の礎を築いた先達を紹介する第二部で構成される。著者は20年前に逝去された方なので、どうしても情報は古いと感じてしまうが、要点はよくまとまっており、これから言語学を学ぶのであれば読んでおいて損はない。その文字体系が異常に複雑なことを除けば、日本語は別段特殊な言語ではないと何度も断りを入れており、当初は怪しげな日本語起源論が流布していたのかもしれない。2023/01/24
juunty
3
言語学の学問としての分類に関する説明と、その代表的な著書の紹介がメイン。 後半に言語学へ貢献した人物の紹介。 言語学はここまで細かく分析していたのか、ということを感じられる内容でした。 ただ残念なのは、ここで紹介している代表的な著書のほとんどが品切れ状態で入手しにくいこと。年代を考えればやむを得ないか。 2022/12/13
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- 和書
- 構造主義 講談社現代新書