ちくま文庫
われわれはなぜ死ぬのか―死の生命科学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 248p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426512
  • NDC分類 460
  • Cコード C0145

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

われわれのDNAは、受精の瞬間から死に向けて時を刻み始める。ある細胞は自ら死を選び、また別の細胞は成長を止める―遺伝子にはあらかじめ死がプログラムされているからだ。なぜ生命に「死」が組み込まれたのだろうか。36億年かけて生命が進化させた「死の機構」とはいかなるものか。老化と死の宿命を逃れる術はないのか。死の誕生と進化をたどり、生命科学者がわれわれにとっての老いと死の意味に迫る。従来の死生観を揺るがす衝撃の書。

目次

第1章 死―見るもおぞましきもの
第2章 人間はいつ死を知ったか
第3章 生の終わりの多様性
第4章 死を考えるための生命の歴史
第5章 死の起源と進化
第6章 細胞分裂と細胞死
第7章 性と死
第8章 死に向けて時を刻む
第9章 すりへってゆく生命
第10章 死とは何か

著者等紹介

柳澤桂子[ヤナギサワケイコ]
1938年東京生まれ。60年お茶の水女子大学理学部を卒業し、アメリカに留学。分子生物学の勃興期に立ち会う。63年コロンビア大学大学院修了。慶應義塾大学医学部助手を経て、三菱化成生命科学研究所主任研究員としてハツカネズミの発生の研究に取り組む。30代より激しい痛みと全身のしびれを伴う原因不明の病に苦しみ、83年に同研究所を退職。以来、病床で多数の科学エッセーを執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

孤独な読書人

10
死ぬということはどのようなことなのか?そんなことに興味を持って読んでみたのだが、そのようなことを直接答えるものではなかった。2016/05/18

かりこ

10
死を生命科学から見つめた本である。難しいので一度読むだけでは全てを理解できなかったが、多くの論文を参考に書かれている良書だと思うのでまた読み返して理解していきたい。36億年書き続けられたきた遺伝子が私の中に流れていて、私の死と共にその36億年の歴史を持った遺伝子は消える。命の歴史は壮大な死の歴史なのか。2015/06/16

うえ

7
「飢餓状態におちいった原生生物が、同種の他個体を食べるという観察は多数報告されている…共食いによって、核を二つ、染色体を二組、中心体を二つもつ細胞ができた…もし、このような細胞が厳しい環境を乗り切れば…有利に増殖していくであろう」「私たちの寿命は、受精の瞬間から時を刻みはじめる。産声をあげる10カ月も前から、私たちは死に向けて歩みはじめるのである」「生命の歴史のなかでは、生と死はおなじ価値をもつ。生きている細胞より、死んだ細胞の数の方がずっと多いという意味において、それは死の歴史であるともいえる」2015/12/17

ニッシャ

4
面白い! 科学的に書いてあるので、生と死の関係がわかる。 しかし、内容は難しい本でした。 星3つ⭐️⭐️⭐️2019/07/24

貧家ピー

2
36億年という生命の歴史に編みこまれた死、人間が意識する死、生き返れない点を見極めることを重要視する医学的な死。いのちには36億年の歴史の重みがあり、人が生きている間の意識の重みがあり、人を取り巻く家族や大切な人たちに共有される=民族・家系・個人の歴史を含有する物であるという、大きな視点で生や死を捉えるべき、という指摘を重く受け止めた。 生物学についての記述は正直難しく、斜め読みしたが、何度か読むべき、世みたい本である。次回はじっくりと読みたい。2013/01/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/330607
  • ご注意事項

最近チェックした商品